概要:
電気工学を専門とする技術者にとって、電気回路の知識は必要不可欠である。
この科目では、第2学年次に学習した交流回路や、交流でのコイル、コンデンサの性質を基礎とし、より一般的・実用的な交流回路の意味や性質を理解する。
授業の進め方・方法:
<授業の進め方>
毎回、次の1.~3.の流れで授業を進める。
1.教員が、その日に学ぶテーマの背景と目的、概要を説明する(時間配分:30%)
2.学生が、グループワークをおこなう(時間配分:50%)
3.学生が、その日のテーマに関する振り返りテストを受ける(時間配分:20%)
<授業内容>
1.交流回路の計算法、共振回路
2.交流電力の計算
3.三相交流回路
4.電磁誘導結合回路
<方法>
配布されたワークシート(プリント)に、各自、教員の説明および板書内容の中から必要と思う部分を加筆する。
【予習と復習について】
・予習:前回までの授業内容のなかで、「自分は何がわかっていないのか」を明確に整理する。
・復習:ワークシートの内容を自主学習用のノートに整理する。
注意点:
・配布されたワークシートや問題集プリントは重要な記録(ポートフォリオ)となるので、なくさないように各自ファイリングするべし。
・自主学習用のノートを準備するべし。
・教科書は、授業での教員の説明を補足する参考書であると考えるべし。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
正弦波交流の表現方法のまとめ(瞬時値、複素数、フェーザ式、ベクトル図) ・ワークシート0 |
交流の瞬時値表現を、複素数表示に変換できる
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2週 |
直流回路を題材にした回路解析法の復習(電位分布と重ね合わせの原理) ・ワークシート1 |
基準点に対する任意の点の電位を求めることができる
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3週 |
直流回路を題材にした回路解析法の復習(テブナンの定理と網目電流法) ・振り返りテスト |
テブナンの定理を用いて回路の計算ができる
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4週 |
網目電流法のつづき(交流回路を少し扱う) ・ワークシート2 |
網目電流法を用いて回路の計算ができる
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5週 |
網目電流法のつづき(交流回路) ・問題プリント ・グループ学習 |
網目電流法を用いて回路の計算ができる
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6週 |
直列共振回路、誘導性・容量性リアクタンス ・ワークシート3 |
回路の抵抗とリアクタンスを求めることができる
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7週 |
並列共振回路、Q値 ・ワークシート4 |
共振条件を求めることができる
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8週 |
並列共振回路(回路電流がゼロになる場合)、アドミタンスの直列・並列接続 ・ワークシート5 ・前期中間試験 |
アドミタンスを用いて回路の計算ができる
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2ndQ |
9週 |
前期中間試験問題の振り返りとやり直し |
自分の理解が不十分であった点を確認できる
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10週 |
交流電力の計算、電力ベクトル(複素電力)による計算について ・ワークシート6 |
有効電力と無効電力と皮相電力の関係をベクトルで説明できる
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11週 |
力率の改善(ベクトル的解法)、進相コンデンサ ・ワークシート7 |
力率を1にする(無効電力をゼロにする)ことができる
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12週 |
力率の改善 ・問題プリント ・グループ学習 |
力率改善のための進相コンデンサの容量をもとめることができる
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13週 |
三相交流の波形表現、三角関数表現、フェーザ式表現、複素数表現、ベクトル図 ・ワークシート8 |
対称三相交流を数式、図で表現できる
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14週 |
三相交流の原理と接続法(Δ接続とY接続) ・ワークシート9 |
三相交流の結線図が描ける
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15週 |
Δ接続とY接続の相電圧と線間電圧の関係 ・ワークシート10 |
Y接続では、線間電圧の大きさは相電圧の√3倍で、線間電圧の位相は相電圧より30°進むことを説明できる
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16週 |
前期のまとめ、振り返り ・ワークシート11 |
前期の内容の要点をまとめることができる
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後期 |
3rdQ |
1週 |
回転磁界発生の様子 ・ワークシート12 |
三相交流電流が作る磁界の向きが、回転する様子を説明できる
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2週 |
Δ接続とY接続の相電流と線電流の関係 ・ワークシート13 |
Δ接続では、線電流の大きさは相電流の√3倍で、線電流の位相は相電流より30°遅れることを説明できる
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3週 |
Δ-Δ回路とY-Y回路の計算 ・ワークシート14 |
三相交流回路を3つの単相交流回路に分解できる
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4週 |
平衡三相負荷のΔ⇔Y変換、Δ-Y回路とY-Δ回路の計算 ・ワークシート15 ・グループ学習 |
平衡三相負荷のΔ⇔Y変換ができる(スーパースターのデルタさん:Y→Δは3倍)
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5週 |
三相交流電力の計算 ・ワークシート16 |
電力は抵抗でしか消費されないことを理解できる
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6週 |
電験三種過去問の演習 ・問題プリント ・グループ学習 |
グループのメンバと協力して演習問題を解くことができる
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7週 |
電験三種過去問の演習 ・グループ発表 ・問題の解説 |
グループのメンバと協力して演習問題を解くことができる
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8週 |
電験三種過去問の演習 ・グループ発表 ・問題の解説 ・後期中間試験 |
グループのメンバと協力して演習問題を解くことができる
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4thQ |
9週 |
後期中間試験問題の振り返りとやり直し |
自分の理解が不十分であった点を確認できる
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10週 |
結合回路のイントロ(相互誘導とその応用例について) |
身の回りにある電磁誘導の例を挙げることができる
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11週 |
電磁誘導結合回路(1):誘導起電力の正方向、Mの扱い、基本式 ・ワークシート17 |
電流の方向と磁束の方向、および誘導起電力の方向の関係を説明できる
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12週 |
電磁誘導結合回路(2):例題と演習 ・問題プリント ・グループ学習 |
グループのメンバと協力して演習問題を解くことができる
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13週 |
電磁誘導結合回路の演習 ・解説プリント ・グループ学習 |
グループのメンバと協力して演習問題を解くことができる
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14週 |
変圧器結合回路(巻数比と電圧・電流比、1次換算) ・グループ学習 |
変圧器の原理を説明できる
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15週 |
演習問題の解説 ・解説プリント |
変圧器結合回路における巻数比と電圧比、電流比の関係を説明できる
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16週 |
後期のまとめ、振り返り ・ワークシート18 |
後期の内容の要点をまとめることができる
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 電気・電子系分野 | 電気回路 | R、L、C素子における正弦波電圧と電流の関係を説明できる。 | 3 | 前5 |
フェーザを用いて、簡単な交流回路の計算ができる。 | 3 | 前1 |
正弦波交流の複素表示を説明し、これを交流回路の計算に用いることができる。 | 3 | 前1 |
キルヒホッフの法則を用いて、交流回路の計算ができる。 | 3 | 前4,前5 |
網目電流法や節点電位法を用いて交流回路の計算ができる。 | 3 | 前4,前5 |
直列共振回路と並列共振回路の計算ができる。 | 3 | 前5,前6,前7 |
相互誘導を説明し、相互誘導回路の計算ができる。 | 3 | 後11 |
理想変成器を説明できる。 | 3 | 後14 |
交流電力と力率を説明し、これらを計算できる。 | 3 | 前10 |
電力 | 三相交流における電圧・電流(相電圧、線間電圧、線電流)を説明できる。 | 3 | 前14,後2 |
電源および負荷のΔ-Y、Y-Δ変換ができる。 | 3 | 後4 |
対称三相回路の電圧・電流・電力の計算ができる。 | 3 | 後3 |