電子回路

科目基礎情報

学校 仙台高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 電子回路
科目番号 0131 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電気システム工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書はなし / 電子回路シミュレータ iCircuit を用いる
担当教員 櫻庭 弘,鈴木 知真

到達目標

トランジスタを用いて、オーディオアンプの設計、製作ができるようになること。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
アナログ回路オーディオアンプの音質を改良するための回路変更ができるオーディオアンプの設計ができるインバータ回路が設計できない
デジタル回路の基礎マルチバイブレータを応用した回路が設計、製作できる。マルチバイブレータの設計、製作ができる。フリップフロップの動作を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
オーディオアンプを設計製作できるようになることを目指して、実際それに使う回路を毎回少しづつ学習する。
授業の進め方・方法:
毎回の授業では、回路に必要な機能と仕様を定義して、それを実現する回路を各自が考える。
電子回路シミュレータ iCircuit により、設計、試行と検証を行う。
電気工学実験Ⅲにおいて設計した回路を、実際に組み立て動作を確かめる。
事前学習(予習):毎回の授業前までに、授業で行う内容と意義を考えて整理しておくこと
事後学習(復習):毎回の授業後に、授業で学んだことを振り返り、今後へ活かす方法を考えること。
注意点:

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 オーディオアンプの楽しみ方
様々な素子や、技術、回路方式のオーディオアンプを聞き比べてそれらに違いについて考察する。
オーディオアンプに使われている素子、技術、回路方式によって音質が大きく左右されることを知る。
2週 電子回路シミュレータ iCircuit の使い方を学ぶ。協働学習支援システムBeeDanceの使用方法を学ぶ。 iCircuitを用いて、電球のON/OFF時の過渡現象をシミュレーションできる。BeeDanceを用いて、ファイルの提出、イメージボードの利用ができる。
3週 ダイオードの特性 ダイオードの特性の測定をiCircuit上でできる。
4週 ダイオードの回路と動作点。 ダイオードと抵抗が接続された回路において、ダイオードの動作点を理論的に求めることができる。
5週 ダイオードの仕組み ダイオードの仕組みを半導体の特性をつかって説明できる
6週 各種のダイオード 発光ダイオード、太陽電池、光センサーの仕組みを説明できる
7週 トランジスタの特性 トランジスタの特性の測定をiCircuit上でできる。
8週 ここまでのまとめ
中間テスト
2ndQ
9週 バイポーラトランジスタ バイポーラトランジスタの構造と、端子名、動作原理を述べることができる。
10週 MOSFET バイポーラトランジスタとMOSFETのメリットとデメリットを比較できる。
11週 インバータ回路 トランジスタを用いたインバータを設計できる。
12週 インバータ回路 インバータ回路の入力インピーダンス、出力インピーダンスを理解している。
13週 アンプの設計 エミッタ接地方式により電圧増幅回路を設計できる。
14週 エミッタフォロア エミッタフォロアを用いてモーターやスピーカを駆動する回路を設計できる。
15週 ハーフブリッジ モーターを正転、逆転する回路を設計できる。正と負の両電源を用いる。
16週 Hブリッジ モーターを正転、逆転する回路を設計できる。単電源を用いる。
後期
3rdQ
1週 CMOSインバータ CMOSインバータを構成できる。抵抗負荷型インバーとくらべてのメリットを説明できる。
2週 フリップフロップ フリップフロップ回路を設計できる。
3週 単安定マルチバイブレータ 単安定マルチバイブレータの設計ができる。
4週 無安定マルチバイブレータ 無安定マルチバイブレータの設計ができる。
5週 タイマー回路 タイマー回路を設計できる。
6週 差動増幅回路 差動増幅回路が設計できる。
7週 差動増幅回路 差動増幅回路が設計できる。エミッタ接地増幅回路に比べてのメリットを説明できる。
8週 ここまでのまとめ
4thQ
9週 定電圧源 一定の電圧を発生する回路が設計できる。
10週 定電流源 一定電流を流す回路が設計できる。
11週 カレントミラー カレントミラー回路が設計できる。
12週 カスコード回路
カスコード回路が設計できる。
13週 プッシュプル プッシュプル回路が設計できる。
14週 ドライバ回路 プッシュプル用のドライバを設計できる。
15週 オーディオアンプ オーディオアンプが設計できる。フィードバックを用いて倍率を任意に設定できる。音質を改良するための回路変更ができる。
16週 まとめ

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電子回路ダイオードの特徴を説明できる。3前6
バイポーラトランジスタの特徴と等価回路を説明できる。3前10
FETの特徴と等価回路を説明できる。3前10
利得、周波数帯域、入力・出力インピーダンス等の増幅回路の基礎事項を説明できる。3前13
トランジスタ増幅器のバイアス供給方法を説明できる。3前13
電子工学真性半導体と不純物半導体を説明できる。2前5
pn接合の構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてpn接合の電流―電圧特性を説明できる。3前5
バイポーラトランジスタの構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてバイポーラトランジスタの静特性を説明できる。3前9
電界効果トランジスタの構造と動作を説明できる。3前10
分野別の工学実験・実習能力電気・電子系分野【実験・実習能力】電気・電子系【実験実習】半導体素子の電気的特性の測定法を習得し、実験を通して理解する。2前3,前7
増幅回路等(トランジスタ、オペアンプ)の動作に関する実験結果を考察できる。2前13,後15
論理回路の動作について実験結果を考察できる。2前12

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80000020100
基礎的能力4000001050
専門的能力4000001050