到達目標
・ 実用に供せられているものを中心に、コンピュータシステムの各種形態を理解していること。
・ まずシステム全体の仕様が確定され、これに基づいてハードウェアとソフトウェアの機能分担がなされるという設計プロセスの大きな流れを理解していること。
・ハードウェア記述言語など標準的な手法を用いてハードウェアの設計、検証を行うことができる。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
関心・意欲・態度 | 組み込みシステムに関心をもち、その有用性を感じている。発展レベルの課題の解決に意欲的に取り組んでいる | 組み込みシステムに関心をもち、その有用性を感じている。標準レベルの課題の解決に意欲的に取り組んでいる | 左記のレベルに達していない |
レポートの書き方 | 実習内容に対して論理的な説明があり、レポート課題のすべてに対して言及している | 実習内容に対して論理的な説明があるが、いくつかのレポート課題に言及していない | 実習内容の説明が論理的でなく、レポート課題に関して何も言及していない |
プレゼンテーション | プレゼンは論理的に構成されており、興味深く、聴衆がついてこれる | 論理的にプレゼンが構成されており、聴衆がついてこれる | 構成が適切に組み立てられておらず、聴衆はプレゼンを理解できない |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
コンピュータと聞くとキーボードとマウスとディスプレイとがセットになったものをまず思い浮かべるが、それ以外に、身の回りの製品に「組み込まれて」人知れず働くシングルチップ・マイクロコンピュータ、またはマイクロコントローラ(以下、マイコン)と呼ばれるものがある。マイコンは携帯電話から家電製品、自動車、航空機、鉄道、工場の自動生産システムまで広く使われている。
本科目では、このような「組み込みシステム(embedded system)」において必要とされる「組み込み技術」の基礎を、マイコン搭載ボード、およびプログラマブル・デバイス搭載ボードを用いた二つの実習を通して習得することをねらいとする。
授業の進め方・方法:
<授業の進め方>
・クラスを2つのグループに分ける。
・各グループにおいて、学生2人ずつのペアをつくる。
・グループごとに違うテーマに取り組む(2つのテーマが並行する)。
・各テーマは、実習4週+発表会・デモ1週の計5週で行う。
・学期の途中で、テーマを入れ替える。
・各テーマ終了時には、発表会・デモを行うとともに、レポートを提出(各自)する。
<授業内容>
・テーマA : マイコン組み込み周辺技術実習
・テーマB : HDLによるディジタル回路設計実習
<方法>
・システムの概要設計、および詳細設計ごとにレビューをおこない、教員とディスカッションする。
・システムの開発に必要となる新しい知識については、適宜、グループごとに説明を加える。
【予習と復習について】
・予習:現時点までの問題点を明確にし、その問題を解決するための方策を考える。
・復習:設計した機能に対する現時点までの進捗状況を把握・整理する。
注意点:
本科目は3年の「ディジタル回路」と、4年前期の「計算機工学」とに深く関連している。本科目を履修しようと考えている学生で、上記科目についての理解が不足していると感じる場合は、十分な復習が必要である。また、学習効果と実習環境とを考慮して1クラスを2グループに分けた少人数授業方式を採用しており、学生は、一人ひとりが主体的に受講することが要求される。
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
ガイダンス |
授業の目的、各実習テーマの概要を理解できる
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2週 |
講義 : マイコン基礎-1 |
Z80CPUのハードウェア構成と命令セットの構成を理解できる
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3週 |
演習 : マイコン基礎-2 |
実機を用いて、マイコン実習の一連の流れを実行できる
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4週 |
講義 : HDL基礎-1 |
HDL(ハードウェア記述言語)の書法の概要を理解できる
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5週 |
演習 : HDL基礎-2 |
実機を用いて、HDL実習の一連の流れを実行できる
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6週 |
実習 : <テーマA> マイコン組み込み周辺技術実習-1 |
Z80アセンブリ言語でデータ入出力ができる
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7週 |
マイコン-2 |
Z80アセンブリ言語で「繰り返し制御」を記述できる
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8週 |
マイコン-3 |
Z80アセンブリ言語でステッピングモータの回転制御ができる
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4thQ |
9週 |
マイコン-4 |
Z80アセンブリ言語でD/A変換プログラミングができる
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10週 |
発表会 ・各自レポート提出 |
実習した内容を正確に伝えることができる。技術的な議論ができる。
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11週 |
実習 : <テーマB> HDLによるディジタル回路設計実習-1 |
HDLにより4ビット2入力セレクタ(SEL)の設計と、FPGAへの実装ができる
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12週 |
HDL-2 |
HDLにより4ビット算術論理演算回路(ALU)の設計と、FPGAへの実装ができる
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13週 |
HDL-3 |
HDLにより4ビット命令デコーダ(DEC)の設計と、FPGAへの実装ができる
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14週 |
HDL-4 |
HDLにより同期ロード付き4ビットレジスタ(REG)の設計と、FPGAへの実装ができる
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15週 |
発表会 ・各自レポート提出 |
実習した内容を正確に伝えることができる。技術的な議論ができる。
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16週 |
まとめと振り返り |
全体を通して学んだことをまとめることができる
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 工学基礎 | 情報リテラシー | 情報リテラシー | コンピュータのハードウェアに関する基礎的な知識を活用できる。 | 4 | 後2,後4 |
コンピュータにおける初歩的な演算の仕組みを理解できる。 | 3 | 後12 |
評価割合
| 試験 | 発表 | 相互評価 | 態度 | プログラム | レポート | 合計 |
総合評価割合 | 0 | 20 | 10 | 15 | 15 | 40 | 100 |
基礎的能力 | 0 | 5 | 0 | 5 | 5 | 10 | 25 |
専門的能力 | 0 | 10 | 10 | 5 | 10 | 25 | 60 |
分野横断的能力 | 0 | 5 | 0 | 5 | 0 | 5 | 15 |