計算機工学

科目基礎情報

学校 仙台高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 計算機工学
科目番号 0151 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 電気システム工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 1
教科書/教材 堀桂太郎 : 図解コンピュータアーキテクチャ入門、森北出版
担当教員 佐藤 隆,栁生 穂高

到達目標

・五大装置それぞれの役割とこれらの間でのデータの流れを説明できる。
・プロセッサを実現するために考案された主要な技術を説明できる。
・メモリシステムを実現するために考案された主要な技術を説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
関心・意欲・態度計算機の構成や動作などに関心をもち、ハードウェアの進展に面白さや有用性を感じている。発展レベルの問題の解決に意欲的に活用しようとする。計算機の構成や動作などに関心をもち、ハードウェアの進展に面白さや有用性を感じている。応用レベルの問題の解決に意欲的に活用しようとする。左記のレベルに達していない。
知識・理解学習した範囲のおおむね80%以上の内容について、計算機の構成や動作などに関する基礎的な概念や原理を理解し、知識として身につけている。学習した範囲のおおむね60%以上の内容について、計算機の構成や動作などに関する基礎的な概念や原理を理解し、知識として身につけている。左記のレベルに達していない。
技能・表現目的に応じて計算機の技術を正しく選択し、ハードウェアを正確かつ能率的に表現できる。目的に応じて計算機の技術を正しく選択し、ハードウェアを正確に表現できる。左記のレベルに達していない。

学科の到達目標項目との関係

JABEE D1 専門分野に関する工業技術を理解し、応用する能力

教育方法等

概要:
 これまで、プログラミングⅠ・Ⅱではプログラミング言語の一つであるC言語の文法、基本アルゴリズムというソフトウェア的な面を学び、ディジタル回路では計算機システムの基礎をなす論理回路というハードウェア的な面を学んできた。この科目では、計算機システムの具体的な構成、およびそのソフトウェアとの関係を学ぶ。
授業の進め方・方法:
<授業の進め方>
・学習内容の要点の説明をおこなう(時間配分:30%)
・演習をおこなう(時間配分:50%)
・学習項目を振り返る(時間配分:20%)
<授業内容>
1.計算機アーキテクチャ
2.演算アーキテクチャ
3.制御アーキテクチャ
4.メモリアーキテクチャ
<方法>
・学習項目に関するワークシートを配布し、それをもとに説明・演習をおこなう

【予習と復習について】
・予習:前回までの授業内容のなかで、「自分は何がわかっていないのか」を明確に整理する。
・復習:ワークシートの内容を自主学習用のノートに整理する。
注意点:
・授業では配布するワークシート中心の説明となるが、自主学習用のノートを用意すること。
・授業では概念的な項目が多くなるが、できるだけ現実の電子回路や論理回路との関連をイメージしながら履修すること。3年生の「ディジタル回路」で学んだ内容を多く用いる。
・この科目は、後期に開講している科目「応用情報工学」と密接に関連するので、その一部と捉えてほしい。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス(科目全体の今後の見通し) この科目の目的、到達目標を理解できる
2週 計算機の五大装置、計算機システム構成の概要 計算機全体の構成要素を説明できる
3週 プロセッサ(CPU)の構成-- PC、ALU,IR,DEC、GR -- CPU内部の構成を説明できる
4週 計算機の動作の流れ概略、CPUとメモリの接続 計算機の動作の流れを、各構成要素との関係を示しながら説明できる
5週 簡易ALUの設計演習(その1:算術演算部AU) 与えられた仕様の算術演算回路を設計でき、論理回路図を示すことができる
6週 簡易ALUの設計演習(その2:論理演算部LU) 与えられた仕様の論理演算回路を設計でき、論理回路図を示すことができる
7週 MUX、簡易ALU全体の真理値表 与えられた仕様の算術論理演算回路を設計でき、論理回路図を示すことができる
8週 レジスタ回路の構成例、FRの意味 フラグレジスタFRの論理回路図を示すことができる
2ndQ
9週 命令ワードの構成、簡易アセンブリ言語プログラミング演習 計算機の命令ワードの構成を説明できる
10週 簡易アセンブリ言語プログラミング演習の解説
・前期中間試験
アセンブリ言語でプログラミングできる
11週 デコーダの働きとその構成方式の種類(W.L.とM.P.) 命令セットと命令デコーダとの関係を説明できる
12週 設計対象とする簡易コンピュータの仕様説明、セレクタとレジスタの動作 これから設計する簡易コンピュータの仕様を理解できる
13週 簡易デコーダ(教科書版)の設計演習 教科書版の仕様の命令デコーダを設計でき、論理式を示すことができる
14週 簡易デコーダ(拡張版)の設計演習 処理可能な命令を増やした拡張版命令デコーダを設計でき、論理式を示すことができる
15週 メモリシステム -- ICメモリの分類 -- SRAM、DRAM、ROMの機能的・回路的な違いを説明できる
16週 全体の振り返りとまとめ この授業で学んだ内容の要点をまとめることができる

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理力学速度と加速度の概念を説明できる。3
工学基礎情報リテラシー情報リテラシーコンピュータのハードウェアに関する基礎的な知識を活用できる。4

評価割合

試験発表相互評価態度ワークシート課題合計
総合評価割合6000101515100
基礎的能力100055525
専門的能力50005101075
分野横断的能力0000000