マテリアル基礎科学

科目基礎情報

学校 仙台高等専門学校 開講年度 平成28年度 (2016年度)
授業科目 マテリアル基礎科学
科目番号 0004 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 マテリアル環境工学科 対象学年 1
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 化学同人 「化学」入門編
担当教員 浅田 格,松原 正樹

到達目標

マテリアル環境工学科の導入科目である。さまざまな素材とそれを環境に優しい製品にしていくためには必要な正しい化学や物理の知識を習得する。この科目では、一般科目の化学や物理の学習との関連を説明しながら、専門科目として環境に視点を置きつつ物質や材料の観点から化学や物理を理解する。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
物質の状態や物性身の回りの物質について、物質の状態や物性を説明できる。教員の助言があれば身の回りの物質について、物質の状態や物性を説明できる。身の回りの物質について、物質の状態や物性を説明できない。
化学結合と化学反応式化学結合の様式を理解し、化学反応式を用いて化学反応の説明ができる。教員の助言があれば化学結合の様式を理解し、化学反応式を用いて化学反応の説明ができる。化学結合の様式を理解し、化学反応式を用いて化学反応の説明ができない。
酸と塩基酸と塩基の性質を理解し、化学反応および身近な例で酸と塩基の働きを説明できる。教員の助言があれば酸と塩基の性質を理解し、化学反応および身近な例で酸と塩基の働きを説明できる。酸と塩基の性質を理解し、化学反応および身近な例で酸と塩基の働きを説明できない。
酸化と還元物質の酸化と還元の反応を理解し、化学反応および身近な例で酸化還元反応を説明できる。教員の助言があれば物質の酸化と還元の反応を理解し、化学反応および身近な例で酸化還元反応を説明できる。物質の酸化と還元の反応を理解し、化学反応および身近な例で酸化還元反応を説明できる。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
わたしたちの身の回りは、たくさんの物質から出来た製品で溢れています。それらは、人類が多様な物質を発見し、自然科学の法則の発見と融合しながら出来上がってきたものばかりです。現代では、それが高度に且つ急速に発達し、デジタル化した情報社会の中にあります。人類に限らず、地球全体の持続的な循環の形成には、すべての製品は使った後の廃棄物やリサイクルまで考慮して開発されることが必須となりました。そこには化学や物理の知識が要求されます。当科目はその導入として基礎的な事項を学びます。
授業の進め方・方法:
授業はテキストに沿って進めます。授業では、各種資料を回覧したり、演示実験をしたり、化学や物理の現象を正しく分かりやすくするためのデモを行います。
注意点:
授業ノートを準備すること。積極的な姿勢で授業に臨んでください。
適宜、課題演習を行いますが、提出が遅れることのないように。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 マテリアル環境工学科での学習、専門科目と卒業研究、進路 マテリアル環境工学科で習得すべき知識と技術について、全体の流れを理解する。
2週 物質と構成粒子 自然と化学の関係を理解する。
物質を構成する粒子を理解する。
3週 物質と構成粒子 物質の種類を理解して違いを説明できる。
物質は原子・分子の集まりであることを理解する。
4週 身の回りの物質 基本的な物質の性質を理解する。
その性質に違いを利用した現象について理解する。
5週 身の回りの物質 物質の状態の違いを説明できる。
状態を決める要因について説明できる。
6週 物性 物質のもとである原子について,基本的な性質や構造を説明できる。
周期表の特徴を理解できる。
7週 物性 化学結合の種類と特徴を説明できる(イオン結合,金属結合)。
8週 物質の状態 化学結合の種類と特徴を説明できる(水素結合,共有結合)。
2ndQ
9週 物質の状態 気体の性質、液体の性質を説明できる。
物質の三態について説明できる。
10週 物質の構造 物質の構造の種類を理解し、材料の特性への影響について説明できる。
11週 物質の構造 化学反応の種類を理解できる。
化学反応式や反応時のエネルギーについて説明できる。
12週 卒業研究・学生実験見学 上級学年の研究活動や学生実験を見学し、将来の学習活動について知る。
13週 化学結合1 酸化と還元の反応について説明できる。
酸化と還元を応用した現象について理解できる。
14週 化学結合2 光の特徴を説明できる。
光と物質の関わりについて理解できる。
15週 学習まとめ1
16週 学習まとめ1
後期
3rdQ
1週 気体と溶液1 気体の性質、液体の性質を説明できる。
物質の三態について説明できる。
2週 気体と溶液2 気体の性質、液体の性質を説明できる。
物質の三態について説明できる。
3週 化学反応1 化学反応の種類を理解できる。
化学反応式や反応時のエネルギーについて説明できる。
4週 化学反応2 化学反応の種類を理解できる。
化学反応式や反応時のエネルギーについて説明できる。
5週 化学反応3 化学反応の種類を理解できる。
化学反応式や反応時のエネルギーについて説明できる。
6週 工場見学
7週 酸と塩基1 酸と塩基について、違いを説明できる。
中和反応について説明できる。
8週 酸と塩基2 酸と塩基について、違いを説明できる。
中和反応について説明できる。
4thQ
9週 酸と塩基3 酸と塩基について、違いを説明できる。
中和反応について説明できる。
10週 酸化と還元1 酸化と還元の反応について説明できる。
酸化と還元を応用した現象について理解できる。
11週 酸化と還元2 酸化と還元の反応について説明できる。
酸化と還元を応用した現象について理解できる。
12週 酸化と還元3 酸化と還元の反応について説明できる。
酸化と還元を応用した現象について理解できる。
13週 光と物質 光の特徴を説明できる。
光と物質の関わりについて理解できる。
14週 光と物質 光の特徴を説明できる。
光と物質の関わりについて理解できる。
15週 学習まとめ2
16週 学習まとめ2

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学材料系分野材料物性金属の一般的な性質について説明できる。1前7
原子の結合の種類および結合力や物質の例など特徴について説明できる。1前7,前8
代表的な結晶構造の原子配置について説明でき、充填率の計算ができる。1前8
結晶構造の特徴の観点から、純金属、合金や化合物の性質を説明できる。1前6,前7
陽子・中性子・電子からなる原子の構造について説明できる。1前3,前6
ボーアの水素原子模型を用いて、エネルギー準位を説明できる。1前6
水素原子中の電子のエネルギー状態が離散的な値を取ることを説明できる。1前6
周期表の元素配列に対して、電子配置や各族および周期毎の物性の特徴を関連付けられる。1前6
化学結合の種類および結合力や物質の例などを説明できる。1前7,前8
無機材料イオン結合の形成について理解できる。1前7
金属結合の形成について理解できる。1前7

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオ課題合計
総合評価割合70000030100
基礎的能力0000000
専門的能力70000030100
分野横断的能力0000000