到達目標
「ものづくり」の基盤素養として、直流回路と交流回路の取り扱い方や解析方法を習得し、マテリアル環境工学を履修するのに必要な基本的な能力を養うことを目標とする。抵抗、コイル、コンデンサ素子における電圧と電流の関係を理解し、電気回路の計算に用いることができる。キルヒホッフの法則や重ねの理等の定理を理解し、電気回路の計算に用いることができる。マテリアル環境工学の実験・実習の場で、それを活用できるようになる。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
基本的な直流回路の特性の理解と計算 | オームの法則やキルヒホッフの法則を適用して直流回路の特性を定量的かつ正確に説明できる。 | オームの法則やキルヒホッフの法則を適用して直流回路の特性を説明できる。 | オームの法則やキルヒホッフの法則を適用して直流回路の特性を説明できない。 |
電気抵抗の特性の理解と計算 | 材料の抵抗率や導電率を使って、材料の電気抵抗を定量的かつ正確に評価して説明できる。 | 材料の抵抗率や導電率を使って、材料の電気抵抗を評価して説明できる。 | 材料の抵抗率や導電率を使って、材料の電気抵抗を評価して説明できない。 |
電力と電力量の意味の理解と計算 | 直流回路における電力と電力量の意味の違いを説明でき、電力を定量的かつ正確に評価・説明できる。 | 直流回路における電力と電力量の意味の違いを説明でき、電力を評価・説明できる。 | 直流回路における電力と電力量の意味の違いを説明でき、電力を評価・説明できない。 |
正弦波交流の基本の理解 | 正弦波交流の特徴を定量的かつ正確に説明できる。 | 正弦波交流の特徴を説明できる。 | 正弦波交流の特徴を説明できない。 |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
工学の一般素養である電気回路技術の入門として、直流回路の基礎を学ぶ。授業内容としては、電気技術発展の歴史、社会的意義、電気回路の構成、抵抗に流れる電流と電圧の関係、直列、並列、直並列回路など典型的な直流回路の電圧、電流、抵抗に関する計算法を演習を通して学ぶ。引き続いて、正弦波交流に関して、波形の表現法、発生原理を学ぶ。
授業の進め方・方法:
予習:授業トピックについて教科書やweb教材等を用いた事前学習を行う。
復習:授業トピックについてレポートなどの事後課題を行う。
注意点:
化学Ⅰ、物理Ⅰ、基礎数学A,Bでの知識を導入し、継続する内容を学習する科目として、マテリアル基礎実習や基礎電気Bと連携する。つねに基本に立ちかえって把握する学習姿勢が望ましい。演習問題は必ず自ら解き、理解を確認する。随時演習を行うので必ず専用のノートを準備すること。授業の時には関数電卓を持参すること。
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
1. 電気技術概説 |
電気技術の発展史と社会的意義を理解できる。
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2週 |
2. 直流回路 |
電気回路の構成を回路図で表現できる。
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3週 |
3. 電流と電圧 3.1 抵抗に流れる電流と電圧 |
電荷と電流、電圧を説明できる。
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4週 |
3.2 起電力と電圧降下 |
オームの法則を説明し、電流・電圧・抵抗の計算ができる。
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5週 |
4. 直流回路の計算 4.1 直列・並列接続 |
直列、並列接続と合成抵抗を説明できる。
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6週 |
4.2 直並列接続 |
直並列接続を説明できる。
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7週 |
5. 回路網の計算 5.1 ブリッジ回路 |
ブリッジ回路を計算し、平衡条件を求められる。
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8週 |
5.2 キルヒホッフの法則 |
キルヒホッフの法則を説明できる。
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2ndQ |
9週 |
5.3 キルヒホッフの法則の適用 |
キルヒホッフの法則を説明し、直流回路の計算に用いることができる。
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10週 |
6. 導体の抵抗 6.1 抵抗率と導電率 |
抵抗率と導電率を説明できる。
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11週 |
6.2 抵抗値の表示法、抵抗温度係数 |
抵抗値の表示法と抵抗温度係数を説明できる。
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12週 |
7. 電力と電力量 |
ジュールの法則と電力、電力量を説明できる。
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13週 |
8. 正弦波交流 8.1 正弦波交流の表し方 |
正弦波交流の特徴を説明し、周波数や位相などを計算できる。平均値と実効値を説明し、これらを計算できる。
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14週 |
8.2 正弦波交流の発生 |
正弦波交流起電力の発生のしくみを説明できる。
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15週 |
8.3 正弦波交流の位相 |
正弦波交流の位相と位相差を説明できる。
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16週 |
9. 基礎電気A総合演習 |
基本的な直流回路に関する演習を行い、知識を確かめる。
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 電気・電子系分野 | 電気回路 | 電荷と電流、電圧を説明できる。 | 2 | 前1,前2,前3,前10 |
オームの法則を説明し、電流・電圧・抵抗の計算ができる。 | 2 | 前2,前4,前11 |
キルヒホッフの法則を用いて、直流回路の計算ができる。 | 2 | 前8,前9 |
合成抵抗や分圧・分流の考え方を用いて、直流回路の計算ができる。 | 2 | 前5,前6,前7 |
重ねの理を説明し、直流回路の計算に用いることができる。 | 2 | 前8 |
ブリッジ回路を計算し、平衡条件を求められる。 | 2 | 前7 |
電力量と電力を説明し、これらを計算できる。 | 2 | 前12 |
正弦波交流の特徴を説明し、周波数や位相などを計算できる。 | 2 | 前13,前14,前15 |
平均値と実効値を説明し、これらを計算できる。 | 2 | 前13 |
正弦波交流のフェーザ表示を説明できる。 | 1 | 前16 |
R、L、C素子における正弦波電圧と電流の関係を説明できる。 | 1 | 前16 |
瞬時値を用いて、簡単な交流回路の計算ができる。 | 2 | 前13 |
フェーザを用いて、簡単な交流回路の計算ができる。 | 2 | 前14 |
インピーダンスとアドミタンスを説明し、これらを計算できる。 | 1 | 前15 |
正弦波交流の複素表示を説明し、これを交流回路の計算に用いることができる。 | 1 | 前16 |
キルヒホッフの法則を用いて、交流回路の計算ができる。 | 1 | 前15 |
合成インピーダンスや分圧・分流の考え方を用いて、交流回路の計算ができる。 | 1 | 前15 |
評価割合
| 試験 | 発表 | 相互評価 | 態度 | ポートフォリオ | その他 | 合計 |
総合評価割合 | 80 | 0 | 0 | 0 | 20 | 0 | 100 |
基礎的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
専門的能力 | 80 | 0 | 0 | 0 | 20 | 0 | 100 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |