材料組織学A

科目基礎情報

学校 仙台高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 材料組織学A
科目番号 0009 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 マテリアル環境工学科 対象学年 2
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 書名:機械・金属材料学   編著:黒田大介  出版社:実教出版
担当教員 伊東 航

到達目標

(1) 純金属、合金や化合物の結晶構造を説明できる。
(2) 結晶系の種類について説明できる。
(3) 14種のブラベー格子について説明でき、描くことができる。
(4) 代表的な結晶構造の原子配置について説明でき、充填率の計算ができる。
(5) 格子面とミラー指数の導出方法について説明することができ、格子方位と格子面を記述できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
金属材料の結晶構造指導教員の助言がなくても代表的な金属結晶構造の原子配置を説明でき、充填率、配位数等の計算ができる指導教員の助言をうけることで代表的な金属結晶構造の原子配置を説明でき、充填率、配位数等の計算ができる指導教員が助言をおこなっても代表的な金属結晶構造の原子配置の説明、充填率、配位数等の計算ができない
結晶系とブラベー格子指導教員の助言なしに結晶系とブラベー格子を説明や表記ができる。指導教員の助言を受けることで結晶系とブラベー格子を説明や表記ができる。指導教員が助言をしても結晶系とブラベー格子の説明や表記ができない。
ミラー指数指導教員の助言なしに結晶面や結晶方位をミラー指数で表すことができる。指導教員の助言を受けることで結晶面や結晶方位をミラー指数で表すことができる。指導教員が助言しても結晶面や結晶方位をミラー指数で表すことができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
金属の結晶構造の代表例として、面心立方格子、体心立方格子、六方最密格子について、イオン結晶の分類とその構造の代表例について学習する。
さらに原子位置、充填率、最隣接原子間距離など結晶構造の基礎を結晶模型などを利用して学習する。
物理、化学および数学の知識に基づき、材料の基本的性質を理解する上で必要な、材料を構成する原子の挙動、結晶構造の基本を学ぶ。
授業の進め方・方法:
注意点:
材料工学の基本知識を習得するための科目であることを念頭において授業に取り組むこと。
課題レポートは期限を守って必ず提出すること。
 予習:シラバスを参考にして、学習予定の内容に関する教科書や配布プリントをよく読んでおくこと。
 復習:ノート、配付資料を読み返すこと。理解できるまで演習問題を解き直す。

当科目を受講するにあたり、代数幾何(PS2)、マテリアル基礎化学(PS1)の内容を復習しておくこと。
マテリアル工学実験Ⅰ(PS3)、材料組織学Ⅰ(PS3)、材料組織学Ⅱ(PS4)、構成材料Ⅰ(PS4)、構成材料Ⅱ(PS5)等、様々な材料学に関する科目の基礎となる科目である。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 1.物質の構造 純金属、合金や化合物の結晶構造を説明できる。
2週 2.空間格子(1) 結晶軸、格子面、格子定数、単位胞を説明できる。
3週 2.空間格子(2) 結晶系の種類について説明できる。
14種のブラベー格子について説明でき、描くことができる。
4週 3.代表的な結晶構造の特徴(1) 体心立方格子の最隣接原子、単位胞に属する原子を理解できる。
5週 3.代表的な結晶構造の特徴(2) 面心立方格子の最隣接原子、単位胞に属する原子を理解できる。
6週 3.代表的な結晶構造の特徴(3) 最密六方格子の最隣接原子、単位胞に属する原子、軸比を理解できる。
7週 3.代表的な結晶構造の特徴(4) 代表的な結晶構造の原子配置について説明でき、充填率の計算ができる。
8週 4.原子の稠密面(1)
中間試験
稠密面の考え方を理解できる。
中間試験の実施
4thQ
9週 4.原子の稠密面(2)
中間試験の解説
結晶構造と稠密原子面を理解できる。
中間試験答案の返却、問題の解説と正答の説明。
10週 5.立方晶系のミラー指数(1) 格子面とミラー指数の導出方法について説明することができ、格子方位と格子面を記述できる。
11週 5.立方晶系のミラー指数(2) 立方晶系のミラー指数に関する演習問題を解答できる。
12週 6.六方晶系のミラー指数(1) 格子面とミラー指数の導出方法について説明することができ、格子方位と格子面を記述できる。
13週 6.六方晶系のミラー指数(2) 六方晶系のミラー指数に関する演習問題を解答できる。
14週 7.その他の結晶構造 様々な化合物の結晶構造を理解できる。
15週 8.格子欠陥 点欠陥である空孔、格子間原子、置換原子などを区別して説明できる。
16週 試験答案の返却 試験答案の返却、問題の解説と正答の説明。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学材料系分野材料物性金属の一般的な性質について説明できる。1後1,後2
原子の結合の種類および結合力や物質の例など特徴について説明できる。2後1,後2,後14
代表的な結晶構造の原子配置について説明でき、充填率の計算ができる。3後4,後5,後6,後7
結晶構造の特徴の観点から、純金属、合金や化合物の性質を説明できる。3後1,後3,後14
化学結合の種類および結合力や物質の例などを説明できる。1後1
結晶系の種類、14種のブラベー格子について説明できる。3後3
ミラー指数を用いて格子方位と格子面を記述できる。3後2,後10,後11,後12,後13
14種のブラベー格子について説明でき、描くことができる。3後3
代表的な結晶構造の原子配置を描き、充填率の計算ができる。3後4,後5,後6,後7
X線回折法を用いて結晶構造の解析に応用することができる。1後1
金属材料純鉄の組織と変態について、結晶構造を含めて説明できる。1後1
無機材料元素の周期律を理解し、典型元素や遷移元素の一般的な性質について説明できる。1後1
金属結合の形成について理解できる。2後1
結晶の充填構造・充填率・イオン半径比などの基本的な計算ができる。3後7
代表的な非金属元素の単体と化合物の性質を説明できる。2後1
代表的な金属元素の単体と化合物の性質を説明できる。2後1
材料組織点欠陥である空孔、格子間原子、置換原子などを区別して説明できる。1後15
面欠陥である積層欠陥について説明できる。1後15
加工硬化、固溶硬化、析出硬化、分散硬化の原理を説明できる。1後15

評価割合

試験レポート合計
総合評価割合80200000100
専門的能力80200000100