到達目標
材料工学に関する基礎重要項目について実験を通して実践的に学習する。
実験技術の習得、実験結果の考察、レポートによる実験報告書の作成により、実験・研究の基礎を身につける。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
結晶構造解析 | X線の回折パターンを解析し、物質を同定して構造因子を導出できる。 | X線の回折パターンを解析し、物質を同定できる。 | X線の回折パターンから解析できない。 |
熱電対の検定 | 適切な熱電対を選択し、検定することができる。検定結果から測定誤差について議論できる。 | 適切な熱電対を選択し、検定することができる。 | 熱電対の選択が不適切であり、検定することができない。 |
熱起電力の測定 | 測定誤差を考慮して、適切に熱起電力を測定できる。情報処理機器を援用して半自動的に熱起電力を短時間で測定できる。 | 適切に熱起電力を測定できる。情報処理機器を援用して半自動的に熱起電力を測定できる。 | 適切に熱起電力を測定できない。情報処理機器を援用して半自動的に熱起電力を測定できない。 |
状態図の作成 | 情報処理機器を援用して測定結果を適切に組み合わせて正確な状態図を作成できる。 | 測定結果を適切に組み合わせて状態図を作成できる。 | 測定結果を適切に組み合わせて状態図を作成できない。 |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
材料工学の基礎となる各テーマについて実験を行う。実験の目的・用点を捕え、実験における基本的な方法・手順を実践的に学習して、実験結果を整理しまとめる力を身につける。さらに課題調査などを通して、材料工学に関する研究を行う素養を養う。
授業の進め方・方法:
材料工学に関する基礎重要項目について5種類のテーマをそれぞれ4週に渡って実験を通した実践的な学習を行う。
その後、実験技術の習得、実験結果の考察などに関する事項を実験報告書にまとめる。
注意点:
予習:実験書をよく読み、次回おこなう実験について調べておくこと。
復習:実験ノートに手順や実験データをきちんと書くこと。
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
実験ガイダンス |
実験を行う上での目標と、心構えがわかる。
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2週 |
安全講習 |
実験中に起こりうる災害防止と安全確保のためにすべきことがわかる。
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3週 |
実験機器ガイダンス |
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の取扱いに慣れ、安全に実験を行うことができる。
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4週 |
鉄鋼の標準組織と焼入組織の観察 |
光学顕微鏡や電子顕微鏡などで材料を観察し、組織について評価することができる。
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5週 |
鉄鋼の標準組織と焼入組織の観察 |
光学顕微鏡や電子顕微鏡などで材料を観察し、組織について評価することができる。
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6週 |
鉄鋼の標準組織と焼入組織の観察 |
硬度試験機や万能試験機などを用いて材料の強度特性を評価できる。
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7週 |
鉄鋼の標準組織と焼入組織の観察 |
硬度試験機や万能試験機などを用いて材料の強度特性を評価できる。
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8週 |
レポート作成ガイダンス |
レポートの作成の仕方がわかる。 実験ノートの記述、及び実験レポートの作成の方法を理解し、実践できる。
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2ndQ |
9週 |
データ演習 |
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10週 |
データ演習
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11週 |
データ演習 |
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12週 |
データ演習 |
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13週 |
定量分析化学 |
沈殿滴定の原理について理解する。
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14週 |
定量分析化学 |
沈殿滴定の操作方法について学ぶ。実験結果からハロゲン水溶液の濃度が計算できる。
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15週 |
定量分析化学 |
pHメータの使用方法を理解する。弱酸の滴定曲線を作成できる。
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16週 |
定量分析化学 |
弱酸の滴定曲線から、酸の電離の平衡定数を推算できる。
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後期 |
3rdQ |
1週 |
結晶構造解析 |
X線、X線回折の原理を説明できる。
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2週 |
結晶構造解析 |
X線回折の実験用試料を調整できる。
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3週 |
結晶構造解析 |
X線回折パターンを解析できる。
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4週 |
結晶構造解析 |
構造因子を導出できる。蛍光X線分析測定をすることができる。
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5週 |
データ演習 |
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6週 |
データ演習 |
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7週 |
データ演習 |
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8週 |
データ演習 |
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4thQ |
9週 |
熱電対の検定と状態図の作成 |
熱分析実験装置を構築することができる。実験試料を準備して、冷却特性を測定することができる。
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10週 |
熱電対の検定と状態図の作成 |
熱電対の検定を行うことができる。検定した熱電対を使って純金属および2元合金の熱起電力を測定できる。
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11週 |
熱電対の検定と状態図の作成 |
任意の組成の2元合金試料を作製し、情報処理機器を援用して実験試料の熱起電力を半自動的に測定できる。
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12週 |
熱電対の検定と状態図の作成 |
測定結果を組み合わせて、2元系状態図を作成することができる。
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13週 |
データ演習 |
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14週 |
データ演習 |
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15週 |
スキル確認 |
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16週 |
スキル確認 |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 工学基礎 | 情報リテラシー | 情報リテラシー | コンピュータのハードウェアに関する基礎的な知識を活用できる。 | 2 | 前8,後11,後12 |
情報伝達システムやインターネットの基本的な仕組みを把握している。 | 2 | 後11,後12 |
専門的能力 | 分野別の工学実験・実習能力 | 材料系分野【実験・実習能力】 | 材料系【実験実習】 | 実験・実習の目標と心構えを理解し実践できる。 | 4 | 前1 |
災害防止と安全確保のためにすべきことを理解し実践できる。 | 4 | 前2 |
レポートの書き方を理解し、作成できる。 | 4 | 前8 |
X線回折装置などを用いて、物質の結晶構造を解析することができる。 | 4 | 前9,前10,前11,前12,後1,後2,後3,後4 |
光学顕微鏡や電子顕微鏡などで材料を観察し、組織について評価することができる。 | 4 | 前4,前5,前6,前7 |
実験の内容をレポートにまとめることができ、口頭での説明またはプレゼンテーションができる。 | 4 | 前8 |
評価割合
| レポート | スキル確認 | | 合計 |
総合評価割合 | 80 | 20 | 0 | 100 |
基礎的能力 | 30 | 10 | 0 | 40 |
専門的能力 | 50 | 10 | 0 | 60 |