マテリアル工学実験Ⅰ

科目基礎情報

学校 仙台高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 マテリアル工学実験Ⅰ
科目番号 0018 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 履修単位: 3
開設学科 マテリアル環境工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 3
教科書/教材 マテリアル環境工学科実験書 (著:マテリアル環境工学科教員)
担当教員 今野 一弥,浅田 格,熊谷 晃一,伊東 航,北川 明生

到達目標

材料工学に関する基礎重要項目について実験を通して実践的に学習する。
実験技術の習得、実験結果の考察、レポートによる実験報告書の作成により、実験・研究の基礎を身につける。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
結晶構造解析X線の回折パターンを解析し、物質を同定して構造因子を導出できる。X線の回折パターンを解析し、物質を同定できる。X線の回折パターンから解析できない。
熱電対の検定適切な熱電対を選択し、検定することができる。検定結果から測定誤差について議論できる。適切な熱電対を選択し、検定することができる。熱電対の選択が不適切であり、検定することができない。
熱起電力の測定測定誤差を考慮して、適切に熱起電力を測定できる。情報処理機器を援用して半自動的に熱起電力を短時間で測定できる。適切に熱起電力を測定できる。情報処理機器を援用して半自動的に熱起電力を測定できる。適切に熱起電力を測定できない。情報処理機器を援用して半自動的に熱起電力を測定できない。
状態図の作成情報処理機器を援用して測定結果を適切に組み合わせて正確な状態図を作成できる。測定結果を適切に組み合わせて状態図を作成できる。測定結果を適切に組み合わせて状態図を作成できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
材料工学の基礎となる各テーマについて実験を行う。実験の目的・用点を捕え、実験における基本的な方法・手順を実践的に学習して、実験結果を整理しまとめる力を身につける。さらに課題調査などを通して、材料工学に関する研究を行う素養を養う。
授業の進め方・方法:
材料工学に関する基礎重要項目について5種類のテーマをそれぞれ4週に渡って実験を通した実践的な学習を行う。
その後、実験技術の習得、実験結果の考察などに関する事項を実験報告書にまとめる。
注意点:
予習:実験書をよく読み、次回おこなう実験について調べておくこと。
復習:実験ノートに手順や実験データをきちんと書くこと。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 実験ガイダンス 実験を行う上での目標と、心構えがわかる。
2週 安全講習 実験中に起こりうる災害防止と安全確保のためにすべきことがわかる。
3週 実験機器ガイダンス 実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の取扱いに慣れ、安全に実験を行うことができる。
4週 鉄鋼の標準組織と焼入組織の観察 光学顕微鏡や電子顕微鏡などで材料を観察し、組織について評価することができる。
5週 鉄鋼の標準組織と焼入組織の観察 光学顕微鏡や電子顕微鏡などで材料を観察し、組織について評価することができる。
6週 鉄鋼の標準組織と焼入組織の観察 硬度試験機や万能試験機などを用いて材料の強度特性を評価できる。
7週 鉄鋼の標準組織と焼入組織の観察 硬度試験機や万能試験機などを用いて材料の強度特性を評価できる。
8週 レポート作成ガイダンス レポートの作成の仕方がわかる。
実験ノートの記述、及び実験レポートの作成の方法を理解し、実践できる。
2ndQ
9週 データ演習
10週 データ演習
11週 データ演習
12週 データ演習
13週 定量分析化学 沈殿滴定の原理について理解する。
14週 定量分析化学 沈殿滴定の操作方法について学ぶ。実験結果からハロゲン水溶液の濃度が計算できる。
15週 定量分析化学 pHメータの使用方法を理解する。弱酸の滴定曲線を作成できる。
16週 定量分析化学 弱酸の滴定曲線から、酸の電離の平衡定数を推算できる。
後期
3rdQ
1週 結晶構造解析 X線、X線回折の原理を説明できる。
2週 結晶構造解析 X線回折の実験用試料を調整できる。
3週 結晶構造解析 X線回折パターンを解析できる。
4週 結晶構造解析 構造因子を導出できる。蛍光X線分析測定をすることができる。
5週 データ演習
6週 データ演習
7週 データ演習
8週 データ演習
4thQ
9週 熱電対の検定と状態図の作成 熱分析実験装置を構築することができる。実験試料を準備して、冷却特性を測定することができる。
10週 熱電対の検定と状態図の作成 熱電対の検定を行うことができる。検定した熱電対を使って純金属および2元合金の熱起電力を測定できる。
11週 熱電対の検定と状態図の作成 任意の組成の2元合金試料を作製し、情報処理機器を援用して実験試料の熱起電力を半自動的に測定できる。
12週 熱電対の検定と状態図の作成 測定結果を組み合わせて、2元系状態図を作成することができる。
13週 データ演習
14週 データ演習
15週 スキル確認
16週 スキル確認

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎情報リテラシー情報リテラシーコンピュータのハードウェアに関する基礎的な知識を活用できる。2前8,後11,後12
情報伝達システムやインターネットの基本的な仕組みを把握している。2後11,後12
専門的能力分野別の工学実験・実習能力材料系分野【実験・実習能力】材料系【実験実習】実験・実習の目標と心構えを理解し実践できる。4前1
災害防止と安全確保のためにすべきことを理解し実践できる。4前2
レポートの書き方を理解し、作成できる。4前8
X線回折装置などを用いて、物質の結晶構造を解析することができる。4前9,前10,前11,前12,後1,後2,後3,後4
光学顕微鏡や電子顕微鏡などで材料を観察し、組織について評価することができる。4前4,前5,前6,前7
実験の内容をレポートにまとめることができ、口頭での説明またはプレゼンテーションができる。4前8

評価割合

レポートスキル確認合計
総合評価割合80200100
基礎的能力3010040
専門的能力5010060