力の作用により機械および構造物に生じる種々の内力とそれにより生ずる変形について理解し、安全かつ合理的な設計や種々の材料の力学的特性評価に活用できることを目標とする。
・力を受けて変形した物体の状態を理解し、その状態を応力、ひずみ等の用語を用いた説明およびそれらを計算できる。
・材質、形状等を考慮して、作用する力に対する応力やひずみを求めることができる。
概要:
自然や実生活の中の力学現象と工業技術との橋渡しをする力と運動について学習する科目である。材料工学の基礎段階として物理や数学を使って材料強度計算のための力学の基礎を学ぶ。製品の設計強度とその安全に関わる基礎科目であることから、講義と並行して演習に重点を置き展開していく。演習においては、解法のための作図と数式表現による計算過程に重点を置いて、力学計算の手法を身に付ける。工業技術における力学計算の基本能力を身につける。
授業の進め方・方法:
授業は講義と演習を適宜行う。
e-learning上のファイルの他、講義中に適宜指示、プリントを配布する場合もある。
参考図書:PEL編集委員会監修、久池井茂編、材料力学、実教出版、2015 など
予習:シラバスを参考にして、学習内容に関連する参考図書や1・2年次に学んだ数学や物理の内容を復習する。
復習:ノートや授業中に実施した練習問題等を理解するまで復習を行うこと。
注意点:
本科目は、1年次に学んだ基礎数学、物理Ⅰおよび2年次で学んだ微分積分、代数幾何、物理Ⅱの内容が基本となるので履修にあたっては十分に復習しておくこと。工業技術における力学計算の基本能力を身につけるためには、基礎数学程度の数学を使いこなせていることが前提となる。毎回予習・復習をしっかりと行うこと。
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 数学 | 数学 | 数学 | 簡単な場合について、曲線で囲まれた図形の面積を定積分で求めることができる。 | 4 | |
簡単な場合について、曲線の長さを定積分で求めることができる。 | 4 | |
簡単な場合について、立体の体積を定積分で求めることができる。 | 4 | |
自然科学 | 物理 | 力学 | 物体に作用する力を図示することができる。 | 4 | 後1,後2,後3,後4 |
力の合成と分解をすることができる。 | 4 | |
重力、抗力、張力、圧力について説明できる。 | 4 | |
フックの法則を用いて、弾性力の大きさを求めることができる。 | 4 | |
力のモーメントを求めることができる。 | 4 | 後1,後2,後3,後4 |
剛体における力のつり合いに関する計算ができる。 | 4 | |
重心に関する計算ができる。 | 4 | |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 材料系分野 | 力学 | 荷重と応力、変形とひずみの関係について理解できる。 | 3 | 後5,後6,後7,後8 |
応力-ひずみ曲線について説明できる。 | 3 | 後5,後6,後7,後8 |
フックの法則を用いて、縦弾性係数(ヤング率)、応力およびひずみを計算できる。 | 3 | 後5,後6,後7,後8 |
許容応力と安全率を説明できる。 | 3 | 後5,後6,後7,後8 |
荷重の方向、性質と物体の変形様式との関係について説明できる。 | 3 | 後10,後11,後12,後13,後14,後15 |
引張、圧縮応力(垂直応力)とひずみ、物体の変形量を計算できる。 | 3 | 後10,後11,後12,後13,後14,後15 |
縦ひずみと横ひずみを理解し、ポアソン比およびポアソン数を説明できる。 | 3 | 後10,後11,後12,後13,後14,後15 |
せん断応力(接面応力)とせん断ひずみ(せん断角)を計算できる。 | 3 | 後10,後11,後12,後13,後14,後15 |
線膨張係数の意味を理解し、熱応力を計算できる。 | 3 | 後10,後11,後12,後13,後14,後15 |
はりの定義や種類、はりに加わる荷重の種類を説明できる。 | 4 | 後1,後2,後3,後4 |
はりに作用する力のつりあい、せん断力および曲げモーメントを計算できる。 | 4 | 後1,後2,後3,後4 |
各種の荷重が作用するはりのせん断力図と曲げモーメント図を作成できる。 | 4 | 後1,後2,後3,後4 |