構成材料Ⅱ

科目基礎情報

学校 仙台高等専門学校 開講年度 平成28年度 (2016年度)
授業科目 構成材料Ⅱ
科目番号 0043 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 マテリアル環境工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 適宜資料を配布する
担当教員 伊東 航,熊谷 進

到達目標

・繊維複合化理論の基礎を理解し、複合則の概念を用いて複合材料の強度計算ができる。
・金属材料、有機材料、無機材料を母材とする種々の複合材料の製造技術、複合プロセスや性質を説明できる。
・非鉄金属材料の代表である銅、アルミニウム、チタンおよびその合金の特徴を理解できる。

ルーブリック

Lv.5Lv.4Lv.3Lv.2Lv.1(不可)
体裁の整った報告書を作成できる。学会等提出レベルの書式と比べて特に遜色がない。用紙を余白なく使って、適宜参考文献を踏まえながら各項目に対しての報告が行われており、見やすい工夫がなされている。適宜参考文献を踏まえながら各項目に対しての報告が行われており、見やすい工夫がなされている。適宜参考文献を踏まえながら各要求項目に対しての報告が行われている。メモ程度。あるいは他者や他著作物の盗用が疑われる。
レポートを通して構成材料を理解し説明できる。国際雑誌を含む様々な情報源から最新の開発事例や研究成果を盛り込みながら基本的な説明ができている専門誌を含む様々な情報源から最新の開発事例や研究成果を盛り込みながら基本的な説明ができている複数の情報源から一部最新の情報を取り入れながら基本的な説明ができている標準的な教科書を参考に基本的な事項について説明できている。レポート等において基本的な説明に不足がある
グループ活動の中で主体的に活動できる。主体的に活動し、グループの意見をまとめ、活動を先導した。主体的に活動し、グループの活動で中心的な役割を担ったグループ活動の中で積極的な提案を行って、活動を円滑に進めたグループ活動に関わり、自らの役割を担った。グループとしての活動が見受けられない。あるいは参加・出席していない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
工業的に使用されている構成材料として銅、アルミニウム、マグネシウム、チタンなどの非鉄金属材料および有機材料やそれらの複合材料の応用範囲が拡大している。この科目ではこれら材料の多様な応用性に注目し、特に高機能化について考えていく。
授業の進め方・方法:
注意点:
この科目は、構成材料Ⅰに続く科目である。金属組織学、材料強度学、材料力学の基礎を習得しておくこと。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 複合材料の基礎 複合材料の発展や分類について説明できる。
金属基複合材料の分類や特徴を説明できる。
2週 複合材料の製造法 複合材料の機械的強度や複合則について説明できる。
界面のぬれを説明でき、複合化しやすいものと複合化しにくいものを理解できる。
強化形態ごとに主要な製造法を説明できる。
3週 複合材料の性質 強さの複合則、比強度、比剛性について説明でき、複合化するメリットを理解できる。
4週 複合材料の性質 直交異方性の複合材料の弾性定数について理解できる。
各種複合材料の残留内部応力について理解できる。
古典積層理論による疑似等方性について説明できる。
5週 複合材料用素材
強化材を分類でき、強化機構について説明できる。
ガラス繊維、炭素繊維の製造法を説明できる。
6週 ポリマー系複合材料 炭素/ガラス繊維強化プラスチックの開発について説明でき、使用における問題点を損傷の評価の観点から理解できる。
繊維強化プラスチックの成形法を説明できる。
航空機における使用や極限環境における使用を説明できる。
7週 セラミックス系複合材料 セラミックス系複合材料について説明でき、靱性の観点から問題点を理解できる。
8週
2ndQ
9週 非鉄金属材料の分類と特徴について
金属間化合物と状態図について
非鉄金属材料の分類と特徴が説明できる。
金属間化合物、規則構造と状態図との関連性を理解し、説明できる。
10週 アルミニウム合金について アルミニウムの強度的特徴、物理的・化学的性質について説明できる。
鋳造用・展伸用アルミニウムについて、その成分や熱処理条件による種類および特徴を理解し応用できる。
11週 ニッケル合金について 実用ニッケル基耐熱合金の強化機構について、材料組織学的に説明でき、その強度的特徴を理解し、応用できる。
12週 コバルト合金について 実用コバルト耐熱合金およびコバルト基磁石材料の強度的、化学的、磁気的特徴を説明できる。
13週 貴金属合金、形状記憶合金について 実用貴金属合金の強度的特徴を成分や状態図と関連させて説明し、応用できる。
形状記憶効果の発現機構について、材料組織学的観点から説明し、応用できる。
14週 銅と銅合金について 純銅の強度的特徴、物理的、科学的性質について説明できる。
黄銅や青銅について、その成分および特徴を理解し、応用できる。
15週 チタン合金について チタンの精錬法、強度的特徴、物理化学的性質について説明できる。
実用チタン合金の成分および特徴を理解し応用できる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学材料系分野材料物性金属の一般的な性質について説明できる。3前9
結晶構造の特徴の観点から、純金属、合金や化合物の性質を説明できる。3前9
金属材料純銅の強度的特徴、物理的、化学的性質について説明できる。4前14
黄銅や青銅について、その成分および特徴を理解し、適切な合金を応用できる。4前14
アルミニウムの強度的特徴、物理的・化学的性質について説明できる。4前10
鋳造用・展伸用アルミニウムについて、その成分や熱処理による組織学的変化の観点から適切な合金を応用できる。4前10
チタンの強度的特徴、物理的・化学的性質について説明できる。4前15
実用チタン合金の成分および特徴を理解し応用できる。4前15
複合材料複合材料の発展や分類について説明できる。4前1
金属基複合材料の分類や特徴を説明できる。4前1
複合材料の機械的強度や複合則について説明できる。4前2
界面のぬれの観点から、複合化しやすいものと複合化しにくいものを区別できる。4前2
強化形態ごとに主要な製造法を説明できる。4前2
強さの複合則、比強度、比剛性の観点から、複合化するメリットを説明できる。4前3
直交異方性の複合材料の弾性定数について理解できる。4前4
各種複合材料の残留内部応力について理解できる。4前4
古典積層理論による疑似等方性について説明でき、強度・破損則について理解できる。4前4
強化材を分類でき、強化機構について説明できる。4前5
ガラス繊維、炭素繊維の製造法を説明できる。4前5
炭素/ガラス繊維強化プラスチックの使用における問題点を損傷の評価の観点から応用できる。4前5
繊維強化プラスチックの成形法を説明できる。4前6
航空機における使用や極限環境における使用を説明できる。4前6
セラミックス系複合材料について説明でき、靱性の観点から問題点を理解できる。4前7

評価割合

レポート合計
総合評価割合100100
基礎的能力3030
専門的能力6060
分野横断的能力1010