基礎電気B

科目基礎情報

学校 仙台高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 基礎電気B
科目番号 0132 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 マテリアル環境工学科 対象学年 3
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 前期前半: 基礎電気回路 コロナ社, 前期後半: アナログ回路(Ⅰ) オーム社
担当教員 熊谷 晃一

到達目標

電気回路系領域では、交流回路の取り扱い方や解析方法を習得し、マテリアル環境工学を履修するのに必要な基本的な能力を養うことを目標とする。電子回路系領域では、ダイオード、トランジスタ、演算増幅器の基本動作と増幅回路の基本事項を理解することを目標とする。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
直流・交流回路の基本オームの法則とキルヒホッフの法則を使って、電気回路の特性を定量的かつ正確に説明できる。オームの法則とキルヒホッフの法則を使って、電気回路の特性を説明できる。オームの法則とキルヒホッフの法則を使って、電気回路の特性を説明できない。
線形受動回路インピーダンスまたはアドミタンスを使って線形受動回路の特性を定量的かつ正確に説明できる。インピーダンスまたはアドミタンスを使って線形受動回路の特性を説明できる。インピーダンスまたはアドミタンスを使って線形受動回路の特性を説明できない。
非線形能動回路適切なバイアス回路を設計して基本的な増幅回路を設計し、定量的かつ正確に特性を説明できる。適切なバイアス回路を設計して基本的な増幅回路を設計できる。適切なバイアス回路を設計して基本的な増幅回路を設計できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
前期前半は、1~2年で学んだ基礎電気Ⅰ及びマテリアル基礎実験を基に、「電気回路」における複素ベクトルを導入した交流理論の基本を学ぶ。
前期後半は、電子機器の基本となる「電子回路」の分野を取り扱う。その導入として半導体の基礎とダイオード、トランジスタの基本特性を学習する。その後、トランジスタを用いた代表的な増幅回路の動作を中心に学習する。演算増幅器に関してもその基本を学習する。
授業の進め方・方法:
予習:授業トピックについて教科書やweb教材等を用いた事前学習を行う。

復習:授業トピックについてレポートなどの事後課題を行う。
注意点:
物理Ⅰ、基礎電気Aや物理Ⅱで学んだ直流回路におけるオームの法則やキルヒホッフの法則をよく復習しておくこと。また数学をよく使うので基礎数学A・B、微分積分学Ⅱ及び代数幾何をよく復習しておくこと。随時演習を行うので必ず専用のノートを準備すること。授業の時には関数電卓を持参すること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 直流回路の復習
正弦波交流と回路素子
オームの法則とキルヒホッフの法則、重ねの理を活用できる。電力量と電力を説明し、これらを計算できる。正弦波交流のフェーザ表示を説明できる
2週 正弦波交流と回路素子 抵抗、インダクタンスの電気的性質の定義を理解する
キャパシタンスの電気的性質の定義を理解する
3週 正弦波交流と回路素子 フェーザを用いて、簡単な交流回路の計算ができる
正弦波交流の複素表示を説明し、これを交流回路の計算に用いることができる
4週 正弦波交流と回路素子 インピーダンスの定義を理解する。インピーダンスと偏角、複素電流を理解する。
交流電力、平均電力の定義を理解する
5週 正弦波交流と回路素子 交流電力と力率を説明し、これらを計算できる
複素電力を計算できる
6週 正弦波交流回路 インピーダンスとアドミタンスを説明し、これらを計算できる
直列共振回路の計算ができる
7週 正弦波交流回路 並列共振回路の計算ができる
相互誘導を説明し、相互誘導回路の計算ができる
8週 正弦波交流回路
電子回路の構成素子
理想変成器を説明できる
ダイオードの特徴を説明できる
2ndQ
9週 電子回路の構成素子
増幅回路の基礎
バイポーラトランジスタの特徴と等価回路を説明できる
増幅回路の基礎を理解し、動作量等を計算できる
10週 増幅回路の基礎 増幅回路の基礎を理解し、動作量等を計算できる
hパラメータを使った等価回路とその解析法を習得する
11週 増幅回路の基礎
バイアス回路
hパラメータを使った等価回路とその解析法を習得する
バイアスの必要性と種類と特徴を説明できる
12週 バイアス回路
低周波小信号増幅回路
バイアスの必要性と種類と特徴を説明できる
CR結合増幅回路の基本動作の解析法を習得する
13週 低周波小信号増幅回路 CR結合増幅回路の基本動作の解析法を習得する
14週 負帰還増幅回路 負帰還増幅回路の原理、エミッタホロワの原理を理解する
15週 演算増幅器 演算増幅器の特性を説明できる
16週 まとめの演習 電気回路及び電子回路に関する総合演習を行う

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電気回路電荷と電流、電圧を説明できる。3前1
オームの法則を説明し、電流・電圧・抵抗の計算ができる。3前1
キルヒホッフの法則を用いて、直流回路の計算ができる。3前1
合成抵抗や分圧・分流の考え方を用いて、直流回路の計算ができる。3前1
重ねの理を説明し、直流回路の計算に用いることができる。3前1
ブリッジ回路を計算し、平衡条件を求められる。3前1
電力量と電力を説明し、これらを計算できる。3前1
正弦波交流の特徴を説明し、周波数や位相などを計算できる。3前1
平均値と実効値を説明し、これらを計算できる。3前2
正弦波交流のフェーザ表示を説明できる。2前2
R、L、C素子における正弦波電圧と電流の関係を説明できる。2前2
瞬時値を用いて、簡単な交流回路の計算ができる。3前3
フェーザを用いて、簡単な交流回路の計算ができる。3前3
インピーダンスとアドミタンスを説明し、これらを計算できる。2前4,前5,前6
正弦波交流の複素表示を説明し、これを交流回路の計算に用いることができる。2前3
キルヒホッフの法則を用いて、交流回路の計算ができる。3前3
合成インピーダンスや分圧・分流の考え方を用いて、交流回路の計算ができる。3前5,前6
網目電流法や節点電位法を用いて交流回路の計算ができる。2前3
重ねの理やテブナンの定理等を説明し、これらを交流回路の計算に用いることができる。2前3
直列共振回路と並列共振回路の計算ができる。2前6
相互誘導を説明し、相互誘導回路の計算ができる。2前7
理想変成器を説明できる。2前7,前8
交流電力と力率を説明し、これらを計算できる。2前4,前5

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80000200100
基礎的能力0000000
専門的能力80000200100
分野横断的能力0000000