マテリアル工学実験Ⅰ

科目基礎情報

学校 仙台高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 マテリアル工学実験Ⅰ
科目番号 0134 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 履修単位: 3
開設学科 マテリアル環境工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 3
教科書/教材 マテリアル環境工学科実験書 (著:マテリアル環境工学科教員)
担当教員 浅田 格,熊谷 晃一,伊東 航,北川 明生

到達目標

材料工学に関する基礎重要項目について実験を通して実践的に学習する。
実験技術の習得、実験結果の考察、レポートによる実験報告書の作成により、実験・研究の基礎を身につける。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1
評価項目2
評価項目3
熱電対の検定適切な熱電対を選択し、検定することができる。検定結果から測定誤差について議論できる。適切な熱電対を選択し、検定することができる。熱電対の選択が不適切であり、検定することができない。
熱起電力の測定測定誤差を考慮して、適切に熱起電力を測定できる。情報処理機器を援用して半自動的に熱起電力を短時間で測定できる。適切に熱起電力を測定できる。情報処理機器を援用して半自動的に熱起電力を測定できる。適切に熱起電力を測定できない。情報処理機器を援用して半自動的に熱起電力を測定できない。
状態図の作成情報処理機器を援用して測定結果を適切に組み合わせて正確な状態図を作成できる。測定結果を適切に組み合わせて状態図を作成できる。測定結果を適切に組み合わせて状態図を作成できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
材料工学の基礎となる各テーマについて実験を行う。実験の目的・用点を捕え、実験における基本的な方法・手順を実践的に学習して、実験結果を整理しまとめる力を身につける。さらに課題調査などを通して、材料工学に関する研究を行う素養を養う。
授業の進め方・方法:
材料工学に関する基礎重要項目について5種類のテーマをそれぞれ4週に渡って実験を通した実践的な学習を行う。
その後、実験技術の習得、実験結果の考察などに関する事項を実験報告書にまとめる。
注意点:
予習:実験書をよく読み、次回おこなう実験について調べておくこと。
復習:実験ノートに手順や実験データをきちんと書くこと。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 実験ガイダンス 実験を行う上での目標と、心構えがわかる。
2週 安全講習 実験中に起こりうる災害防止と安全確保のためにすべきことがわかる。
3週 実験機器ガイダンス 実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の取扱いに慣れ、安全に実験を行うことができる。
4週 鉄鋼の標準組織と焼入組織の観察 光学顕微鏡や電子顕微鏡などで材料を観察し、組織について評価することができる。
5週 鉄鋼の標準組織と焼入組織の観察 光学顕微鏡や電子顕微鏡などで材料を観察し、組織について評価することができる。
6週 鉄鋼の標準組織と焼入組織の観察 硬度試験機や万能試験機などを用いて材料の強度特性を評価できる。
7週 鉄鋼の標準組織と焼入組織の観察 硬度試験機や万能試験機などを用いて材料の強度特性を評価できる。
8週 レポート作成ガイダンス レポートの作成の仕方がわかる。
実験ノートの記述、及び実験レポートの作成の方法を理解し、実践できる。
2ndQ
9週 データ演習
10週 データ演習
11週 データ演習
12週 データ演習
13週 定量分析化学 沈殿滴定の原理について理解する。
14週 定量分析化学 沈殿滴定の操作方法について学ぶ。実験結果からハロゲン水溶液の濃度が計算できる。
15週 定量分析化学 pHメータの使用方法を理解する。弱酸の滴定曲線を作成できる。
16週 定量分析化学 弱酸の滴定曲線から、酸の電離の平衡定数を推算できる。
後期
3rdQ
1週 化学工学実験
2週 化学工学実験
3週 化学工学実験
4週 化学工学実験
5週 データ演習
6週 データ演習
7週 データ演習
8週 データ演習
4thQ
9週 熱電対の検定と状態図の作成 熱分析実験装置を構築することができる。実験試料を準備して、冷却特性を測定することができる。
10週 熱電対の検定と状態図の作成 熱電対の検定を行うことができる。検定した熱電対を使って純金属および2元合金の熱起電力を測定できる。
11週 熱電対の検定と状態図の作成 任意の組成の2元合金試料を作製し、情報処理機器を援用して実験試料の熱起電力を半自動的に測定できる。
12週 熱電対の検定と状態図の作成 測定結果を組み合わせて、2元系状態図を作成することができる。
13週 データ演習
14週 データ演習
15週 スキル確認
16週 スキル確認

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学についての基礎的原理や現象を、実験を通じて理解できる。3前13,後9,後10
物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。3前3,前9,前10,前11,前12,前13,後9,後10
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。3前9,前10,前11,前12,前14,前15,後9,後10
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。3前8,前9,前10,前11,前12,前14,前15,前16,後9,後10
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。3前8,前11,前12,後9,後10
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。3前8,前11,前12,後9,後10
情報リテラシー情報リテラシーコンピュータのハードウェアに関する基礎的な知識を活用できる。2前8,後11,後12
情報伝達システムやインターネットの基本的な仕組みを把握している。2後11,後12
数値計算の基礎が理解できる2後11,後12
コンピュータにおける初歩的な演算の仕組みを理解できる。2後11,後12
専門的能力分野別の専門工学材料系分野材料物性金属の一般的な性質について説明できる。3前9,前10,前11,前12
原子の結合の種類および結合力や物質の例など特徴について説明できる。3前9,前10,前11,前12
代表的な結晶構造の原子配置について説明でき、充填率の計算ができる。3前9,前10,前11,前12
結晶構造の特徴の観点から、純金属、合金や化合物の性質を説明できる。3前9,前10,前11,前12
結晶系の種類、14種のブラベー格子について説明できる。3前9,前10,前11,前12
ミラー指数を用いて格子方位と格子面を記述できる。3前9,前10,前11,前12
14種のブラベー格子について説明でき、描くことができる。3前9,前10,前11,前12
代表的な結晶構造の原子配置を描き、充填率の計算ができる。3前9,前10,前11,前12
X線回折法を用いて結晶構造の解析に応用することができる。3前9,前10,前11,前12
材料組織熱分析の原理について説明できる。3後9,後10,後11,後12
純金属の凝固過程での過冷却状態、核生成、結晶粒成長の各段階について説明できる。3後10,後11,後12
2元系平衡状態図上で、てこの原理を用いて、各相の割合を計算できる。3後10,後11,後12
分野別の工学実験・実習能力材料系分野【実験・実習能力】材料系【実験実習】実験・実習の目標と心構えを理解し実践できる。3前1
災害防止と安全確保のためにすべきことを理解し実践できる。3前2
レポートの書き方を理解し、作成できる。3前8
金属材料実験、機械的特性評価試験、化学実験、分析実験、電気工学実験などを行い、実験の準備、実験装置および実験器具の取り扱い、実験結果の整理と考察ができる。3前3,前9,前10,前11,前12
X線回折装置などを用いて、物質の結晶構造を解析することができる。3前9,前10,前11,前12
光学顕微鏡や電子顕微鏡などで材料を観察し、組織について評価することができる。3前4,前5,前6,前7
硬さ試験機や万能試験機などを用いて、材料の強度特性を評価できる。3前4,前5,前6,前7
分析機器を用いて、成分などを定量的に評価をすることができる。3前10,前12
実験の内容をレポートにまとめることができ、口頭での説明またはプレゼンテーションができる。3前8
化学・生物系分野【実験・実習能力】分析化学実験中和滴定法を理解し、酸あるいは塩基の濃度計算ができる。4前15,前16
酸化還元滴定法を理解し、酸化剤あるいは還元剤の濃度計算ができる。3
陽イオンおよび陰イオンのいずれかについて、分離のための定性分析ができる。3
代表的な定性・定量分析装置としてクロマト分析(特にガスクロ、液クロ)や、物質の構造決定を目的とした機器(吸光光度法、X線回折、NMR等)、形態観察装置としての電子顕微鏡の中の代表的ないずれかについて、その原理を理解し、測定からデータ解析までの基本的なプロセスを行うことができる。3前9,前10,前11,前12
固体、液体、気体の定性・定量・構造解析・組成分析等に関して必要な特定の分析装置に関して測定条件を選定し、得られたデータから考察をすることができる。3
専門的能力の実質化PBL教育PBL教育工学が関わっている数々の事象について、自らの専門知識を駆使して、情報を収集することができる。2
集められた情報をもとに、状況を適確に分析することができる。2
与えられた目標を達成するための解決方法を考えることができる。2
状況分析の結果、問題(課題)を明確化することができる。2
各種の発想法や計画立案手法を用いると、課題解決の際、効率的、合理的にプロジェクトを進めることができることを知っている。2
各種の発想法、計画立案手法を用い、より効率的、合理的にプロジェクトを進めることができる。2

評価割合

レポートスキル確認合計
総合評価割合80200100
基礎的能力3010040
専門的能力5010060