物理化学Ⅱ

科目基礎情報

学校 仙台高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 物理化学Ⅱ
科目番号 0141 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 マテリアル環境工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 書名:物理化学入門シリーズ 化学熱力学 著者:原田義也 発行所:裳華房
担当教員 北川 明生

到達目標

自由エネルギの概念を理解する.
化学平衡および相平衡を,化学ポテンシャルと関連付けて説明できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1自由エネルギの概念を,平衡条件と関連付けて理解する.自由エネルギの定義を知っている,自由エネルギの概念が理解できない.
評価項目2化学ポテンシャルを用いて,化学平衡と相平衡を説明でき,溶液内反応,電気化学現象に応用できる.化学ポテンシャルを用いて,化学平衡と相平衡を説明できる.化学ポテンシャルの概念が理解できない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
材料生成プロセスおよび材料物性の理解に化学熱力学の知識は不可欠である。この授業では、物理化学Iの継続科目として、熱力学の諸法則とその基礎的な応用を学ぶ。
授業の進め方・方法:
適宜、演習を交えて授業を進める。
予習:シラバスを参考にして、学習予定の内容に関する教科書をよく読んでおくこと。
復習:ノートを読み返すこと。理解できるまで演習問題を解き直すこと。
注意点:
物理化学1を履修しておくこと。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 自由エネルギ 自由エネルギの概念を説明できる。
2週 自由エネルギ マクスウェルの関係式、ギブスーヘルムホルツの式が導出できる。
3週 開いた系 化学ポテンシャルの概念とその性質を説明できる。
4週 開いた系 理想気体に化学ポテンシャルを計算できる。
5週 化学平衡 化学ポテンシャルの理論を用いて化学平衡の概念を説明できる。
6週 化学平衡 標準生成ギブスエネルギを用いていろいろな反応の平衡定数を計算できる。
7週 相平衡 ギブスの相律を証明できる。
8週 相平衡、中間試験 いろいろな系の自由度を計算できる。
4thQ
9週 溶液
理想溶液、理想希薄溶液、実在溶液の概念を説明できる。
10週 溶液
溶液の束一的性質について説明できる。
11週 溶液 活量の概念を説明できる。
12週 電池 電池の基本構造について説明できる。電池の動作原理を熱力学的に説明できる。
13週 電池 いろいろな電極と、その電極反応について説明できる。
14週 電池 電子の化学ポテンシャル、イオンの電気化学ポテンシャルについて説明できる。ネルンストの式を導出できる。
15週 電池 標準電極電位の概念を説明できる。
16週 期末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学材料系分野無機材料酸化還元の知識を用いて酸化還元の反応式から酸化剤、還元剤の濃度等の計算ができる。4後15
イオン化傾向について理解できる。4後15
イオン化傾向と電池の電極および代表的な電池について説明できる。4後12,後13
酸化還元電位と代表的な電極系について理解できる。4後13
ネルンストの式を用い、電極などの物質表面のイオンの働きを説明できる。4後14
材料組織ギブスの相律から自由度を求めて系の自由度を説明できる。4後7,後8
物理化学ヘルムホルツエネルギーとギブズエネルギーの定義および自発的変化の方向性との関連について説明できる。4後1,後2
標準モルギブズエネルギーの定義に基づいて標準反応ギブズエネルギーを計算できる。4後6
ギブズエネルギーと巨視的熱力学量との関係を導出できる。ギブスーヘルムホルツの式を導出できる。4後2
純物質の化学ポテンシャルの定義と物理的意味を理解し、理想気体の化学ポテンシャルを計算できる。4後4,後5
理想溶液と実在溶液の違いを説明できる。4後9,後10

評価割合

試験合計
総合評価割合100100
基礎的能力5050
専門的能力5050