物理化学Ⅰ

科目基礎情報

学校 仙台高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 物理化学Ⅰ
科目番号 0142 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 マテリアル環境工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 書名:物理化学入門シリーズ 化学熱力学 著者:原田義也 発行所:裳華房
担当教員 北川 明生

到達目標

熱力学第一法則を用いて,等温過程,断熱過程における熱力学量の変化を計算できる.
熱力学第二法則を理解し,様々な過程のエントロピ変化を計算できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1等温過程,断熱過程における熱力学量の変化を計算できる.準静過程と不可逆過程の違いについて理解する.等温過程,断熱過程における熱力学量の変化を計算できる.等温過程,断熱過程における熱力学量の変化を計算できない.
評価項目2熱力学第二法則を完全に理解し,様々な過程のエントロピ変化が計算でき,その過程が自発的に起る変化か否かを判断できる.様々な過程のエントロピ変化が計算できる.エントロピ変化が計算できない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
材料生成プロセスおよび材料物性の理解に化学熱力学の知識は不可欠である。この授業では、熱力学の諸法則とその基礎的な応用を学ぶ。
授業の進め方・方法:
適宜演習を交えながら授業を進める。
予習:シラバスを参考にして、学習予定の内容に関する教科書をよく読んでおくこと。
復習:ノートを読み返すこと。理解できるまで演習問題を解き直すこと。
注意点:
1〜2年で学んだ物理、化学、数学の基礎的な項目を復習しておくこと。特に微分積分およびエネルギ論に関する知識は必須である。物理化学IIと併せて履修すること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 授業の概要、熱力学の用語
熱力学の基本的な概念と用語およびその定義について説明できる。
2週 気体の性質 理想気体と実在気体の性質を説明できる。気体分子運動論の基礎について説明できる。
3週 熱力学第一法則
熱力学第一法則を用いて熱力学系の仕事と熱を計算できる。
4週 熱力学第一法則
仕事が状態量でないことを理解できる。 準静的家庭の概念を説明できる。
5週 熱力学第一法則 理想気体の断熱変化に関するポアソンの式が導出できる。断熱変化に伴う温度変化が計算できる。
6週 エンタルピ エンタルピの概念を説明できる。
7週 エンタルピ 定積過程、定圧過程の熱容量を定義・計算できる。
8週 エンタルピ、 中間試験 化学反応のエンタルピの概念を説明できる。
2ndQ
9週 熱力学の第二法則
サイクル操作の概念を説明できる。Kelvinの原理を説明できる
10週 熱力学の第二法則
カルノーサイクルについて説明できる。
11週 熱力学の第二法則
カルノーの原理について説明できる。熱機関の効率を計算できる。
12週 エントロピ エントロピの定義を正確に理解できる。
13週 エントロピ 不可逆過程におけるエントロピ生成について説明できる。
14週 エントロピ いろいろな系のエントロピ変化を計算できる。
15週 熱力学第三法則 熱力学第三法則について説明できる。標準エントロピの概念を説明できる。
16週 期末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学材料系分野物理化学仕事、熱、エネルギーの概念について説明できる。4前1
熱力学第一法則と内部エネルギーの概念を説明できる。4前3
膨張の仕事が計算でき、仕事が状態量でないことを理解できる。4前4
内部エネルギー、熱、仕事の符号の規則を説明でき、膨張の仕事を計算できる。4前3
エンタルピーの定義およびエンタルピーが状態量であることを説明できる。4前6
断熱変化に伴う温度変化を計算できる。4前5
標準生成エンタルピーの物理的意味を理解し、反応エンタルピーを計算できる。4前8
反応エンタルピーの温度依存性に関するキルヒホッフの法則を理解し、いろいろな反応の反応エンタルピーを計算できる。4前8
定圧熱容量と定容熱容量の関係式が導出できる。4前7
エントロピーの定義を理解し、不可逆過程におけるエントロピー生成について説明できる。4前12,前13,前14,前15
内部エネルギーと巨視的熱力学量の関係を導出できる。4

評価割合

試験合計
総合評価割合100100
基礎的能力5050
専門的能力5050