機器分析

科目基礎情報

学校 仙台高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 機器分析
科目番号 0143 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 マテリアル環境工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 書名:基礎からわかる機器分析  著者:加藤 正直ほか  発行所:森北出版株式会社
担当教員 葛原 俊介

到達目標

・物理量の表現方法としての単位計算ができる
・化学反応(沈殿形成、錯体形成、電離など)や物理現象による状態変化について説明でき、必要な定量計算ができる
・標準的な機器分析の目的や特徴を理解し、分析対象に応じて選択することができる

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
機器分析の目的や特徴の理解指導教員の助言が無くても無機および有機物に関する代表的な構造分析、定性、定量分析方法等を理解している。指導教員の助言を多少受けて、無機および有機物に関する代表的な構造分析、定性、定量分析方法等を理解している。指導教員の助言をしても無機および有機物に関する代表的な構造分析、定性、定量分析方法等を理解していない。
測定装置の原理の理解指導教員の助言が無くても、定量・定性分析装置および構造決定の機器の原理を理解して、測定からデータ解析までの基本的なプロセスを行うことができる。指導教員の助言を多少受けて、定量・定性分析装置および構造決定の機器の原理を理解して、測定からデータ解析までの基本的なプロセスを行うことができる。指導教員の助言があっても、定量・定性分析装置および構造決定の機器の原理を理解して、測定からデータ解析までの基本的なプロセスを行うことができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
 4学年に開講する環境分析実験に関する講義として開講する科目である。マテリアル分野や環境分野では状態や特性を知る上で、物質中あるいは周囲環境に存在している元素や分子形態、またその含有量を高精度・高感度に分析する必要がある。その分析に用いられる分析装置の分析原理、測定法、データの取り扱い方について講義する。
 材料の分析や環境・バイオの計測技術などの装置とその測定分析原理について学習し、環境分析実験の理解を深める。
授業の進め方・方法:
注意点:
 分析機器の原理を理解する上で化学、物理、数学の基礎的知識が必要である。3年生までに学習した事項について、しっかり復習をしておくこと。
 分析機器から得られたデータ処理方法を学ぶために、課題演習を行う場合がある。また、以下の点に注意して予習復習に取り組むこと。
予習:シラバスを参考にして、学習予定の内容に関する教科書や配布プリントをよく読んでおくこと。
復習:ノート、配付資料を読み返すこと。理解できるまで演習問題を解き直す。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 紫外可視分光法 紫外可視分光光度計のしくみを理解すると共に、有機化合物の構造解析への応用ができる。
2週 蛍光光度法 蛍光法の基礎を学ぶことによって、分子が光を吸収および発光する現象を理解する。
3週 原子吸光分析法 原子吸光分析法の原理を理解して、微量元素分析を行うための方法を学ぶ。
4週 ICP発光分析法(1) ICPの原理を理解して、分析のための前処理方法を学び、得られた結果から試料の定量ができる。
5週 ICP発光分析法(2) ICPの原理を理解して、分析のための前処理方法を学び、得られた結果から試料の定量ができる。
6週 X線回折分析法 X線回折の原理を学び、分析方法や解析方法を理解する。
7週 蛍光X線分析法 蛍光X線の原理を学び、未知試料の元素の同定や定量分析ができる。
8週 赤外分光法 赤外吸収スペクトルの基礎を理解して、構造解析や官能基分析ができる。
2ndQ
9週 ラマン分光法+中間試験 ラマン分光法の原理を理解して、ラマンスペクトルから分子構造の推定ができる。
10週 核磁気共鳴分析法 NMRの原理を学び、NMRスペクトルから未知試料の化学構造を決定できる。
11週 質量分析法 質量スペクトル測定の原理を学び、分子構造や化合物の同定をすることができる。
12週 電気化学的測定法 電位差測定、電気伝導度、電解、ボルタンメトリーの各分析法の原理を理解して、未知試料の濃度や成分を決定できる。
13週 クロマトグラフィー ガス、液体、薄層クロマトグラフィーの原理と操作方法を理解する。
14週 熱分析法(1) TG、DTA、DSCの原理と操作方法を理解すると共に、熱分析結果の解析ができる。
15週 熱分析法(2) TG、DTA、DSCの原理と操作方法を理解すると共に、熱分析結果の解析ができる。
16週 期末試験の総まとめ

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学材料系分野材料物性陽子・中性子・電子からなる原子の構造について説明できる。4
周期表の元素配列に対して、電子配置や各族および周期毎の物性の特徴を関連付けられる。4
化学結合の種類および結合力や物質の例などを説明できる。4
結晶系の種類、14種のブラベー格子について説明できる。4
ミラー指数を用いて格子方位と格子面を記述できる。3
14種のブラベー格子について説明でき、描くことができる。4
代表的な結晶構造の原子配置を描き、充填率の計算ができる。4
X線回折法を用いて結晶構造の解析に応用することができる。3
有機材料分子量を計算し、官能基や構造から分子の性質を予測できる。3
無機材料原子の構成粒子を理解し、原子番号、質量数、同位体について説明できる。4
主量子数、方位量子数、磁気量子数について説明できる。4
殻、電子軌道、電子軌道の形を説明できる。4
パウリの排他原理、軌道のエネルギー準位、フントの規則から電子の配置を示すことができる。4
価電子について理解し、希ガス構造やイオンの生成について説明できる。4
元素の周期律を理解し、典型元素や遷移元素の一般的な性質について説明できる。4
イオン化エネルギー、電子親和力、電気陰性度について説明できる。4
原子価結合法により、共有結合を説明できる。4
電子配置から混成軌道の形成について説明できる。4
簡単な分子に対する分子軌道法から共有結合を説明できる。4
イオン結合の形成について理解できる。4
金属結合の形成について理解できる。4
結晶の充填構造・充填率・イオン半径比などの基本的な計算ができる。4
酸化還元の知識を用いて酸化還元の反応式から酸化剤、還元剤の濃度等の計算ができる。3
イオン化傾向について理解できる。4
イオン化傾向と電池の電極および代表的な電池について説明できる。3
酸化還元電位と代表的な電極系について理解できる。3
電気分解に関する知識を用いてファラデーの法則の計算ができる。3
ネルンストの式を用い、電極などの物質表面のイオンの働きを説明できる。3
代表的な非金属元素の単体と化合物の性質を説明できる。3
代表的な金属元素の単体と化合物の性質を説明できる。3
材料組織物質系の平衡状態について、安定状態、準安定状態、不安定状態を説明できる。3
熱分析の原理について説明できる。3
活性化エネルギーの物理的意味を理解し、拡散係数と温度の関係を説明できる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力700000070
専門的能力300000030
分野横断的能力0000000