マテリアル工学実験Ⅱ

科目基礎情報

学校 仙台高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 マテリアル工学実験Ⅱ
科目番号 0144 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 学修単位: 3
開設学科 マテリアル環境工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 1.5
教科書/教材 マテリアル環境工学実験書
担当教員 佐藤 友章,武田 光博,熊谷 進,松原 正樹

到達目標

材料工学に関する実験のスキル修得と課題を発見・設定し、レポートとしてまとめる能力を高める。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
書式・締切りを順守できる文章の構成も良く練られており、レイアウトもきれいである。また、図・写真のキャプション等も適切である。書式に重大な間違いはなく、レポートしての体裁が整っている。しかしながら、レイアウト、キャプション、文章に不注意が散見されるか読みやすい工夫が感じられない。締切りが守られていない。 あるいは緒言、方法、結果・考察の構成の中で大きく脱落しているところがある。
結果に対する考察結果に対して複数の専門書等の知見を参考文献として考察が述べられており、論理性も高い。結果に対して教科書等の基本的な知識を基に考察が述べられている。盗作・盗用の疑いがある。
実験中の活動実験における積極的な関与・発言が見られ、PBLでは主体的に課題設定・解決を図った。グループ内で与えられた分担に関して真摯に取り組んだ。不注意・ふざけのため危険を誘発したり、グループの活動を消極的な言動で停滞させたりし た。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
材料工学の基礎および応用となる各テーマについて実験を行う。実験の背景・目的を理解し、実験を通して実践的なスキルを修得し、マテリアル工学実験Iで得た実験結果を整理しまとめる力をより高度なものにする。
授業の進め方・方法:
材料工学に関する4種類の実験テーマおよびPBL実習をそれぞれ4週に渡って行い、実験・実習を通した実践的な学習を行う。
事前に実習書、参考文献等をよく読み、実験内容を理解した上で実験に臨むこと。その後、実験技術の習得、実験結果の考察などに関する事項を実験報告書にまとめる。
予習:事前に実習書、参考文献等をよく読み、実験内容を理解する
復習:修得した実験技術ならびに実験結果と考察事項をノートに記録する
注意点:

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 実験・実習のこころえ 実習の目標と心構えがわかる。
レポートの作成の仕方がわかる。
2週 実験・実習のこころえ 災害防止と安全確保のためにすべきことがわかる
3週 圧延と再結晶組織 安全に圧延加工ができる。
4週 圧延と再結晶組織 鋼の熱処理について理解し、適切に熱処理できる。
5週 圧延と再結晶組織 硬さ試験で熱処理と回復・再結晶の関係を理解できる。
6週 圧延と再結晶組織 光学顕微鏡による組織観察から回復・再結晶組織を説明できる。
7週 材料強度試験とミクロ組織観察 引張試験片、引張り試験によって得られる応力ひずみ曲線が説明できる。
8週 材料強度試験とミクロ組織観察 溶体化熱処理、時効熱処理が説明できる。
2ndQ
9週 材料強度試験とミクロ組織観察 表計算ソフトを用いて、引張試験によって得られた荷重-伸び曲線データから応力-ひずみ曲線を描き、最大強さ、降伏応力を求めることができる。
10週 材料強度試験とミクロ組織観察 TEM組織写真と引張試験データから材料強度と材料組織の関係を説明できる。
11週 太陽電池の作製と評価 色素増感太陽電池の基本原理・作製方法を理解し、説明できる。
12週 太陽電池の作製と評価 スパッタ装置の使い方を理解し、透明導電膜および太陽電池セルを作製できる。
13週 太陽電池の作製と評価 紫外可視分光法を用いて薄膜の吸光度を測定・評価し、得られたデータから光学特性を説明できる。
14週 太陽電池の作製と評価 作製した太陽電池の特性評価を行い、得られたデータを解析し、特性改善に必要なパラメータが何か説明できる。
15週 エレクトロセラミックスの作製と特性評価 単結晶化、焼結、薄膜化、微粒子化、多孔質化などに必要な材料合成法について説明できる。
セラミックス、金属材料、炭素材料、複合材料等、無機材料の用途・製法・構造等について説明できる。
16週 エレクトロセラミックスの作製と特性評価 単結晶化、焼結、薄膜化、微粒子化、多孔質化などに必要な材料合成法について説明できる。
セラミックス、金属材料、炭素材料、複合材料等、無機材料の用途・製法・構造等について説明できる。
後期
3rdQ
1週 エレクトロセラミックスの作製と特性評価
2週 エレクトロセラミックスの作製と特性評価 金属材料実験、機械的特性評価試験、化学実験、分析実験、電気工学実験などを行い、実験の準備、実験装置および実験器具の取り扱い、実験結果の整理と考察ができる。
分析機器を用いて、成分などの定量評価をすることができる。
3週 PBL実習 能動的に問題や課題を提議・発案し、解決方法・プロセスを立案することができる。
4週 PBL実習 能動的に問題や課題を提議・発案し、解決方法・プロセスを立案することができる。
5週 PBL実習 立案した課題に対し、解決策を実践し、結果をまとめることができる。
6週 PBL実習 立案した課題に対し、解決策を実践し、結果をまとめることができる。
7週
8週
4thQ
9週
10週
11週
12週
13週
14週
15週
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学材料系分野材料物性X線回折法を用いて結晶構造の解析に応用することができる。4
半導体の種類について説明できる。4
金属材料合金鋼の状態図の読み方を利用して炭化物の種類や析出挙動を説明できる。4
合金鋼のT.T.T.図、C.C.T.図の読み方が理解でき、目的に応じた適切な熱処理法を説明できる。4前10
合金鋼の添加元素と機械的性質に関する知識を利用して、合金鋼の用途を選択できる。4
アルミニウムの強度的特徴、物理的・化学的性質について説明できる。4
無機材料セラミックス、金属材料、炭素材料、複合材料等、無機材料の用途・製法・構造等について説明できる。5前15,前16
単結晶化、焼結、薄膜化、微粒子化、多孔質化などに必要な材料合成法について説明できる。5前15,前16
材料組織回復機構および回復に伴う諸特性の変化を説明できる。4前5
1次再結晶過程ならびに再結晶温度に影響を与える因子を説明できる。4前5
硬さ、電気抵抗、熱量等の変化から再結晶温度を求めることができる。4前5
力学荷重の方向、性質と物体の変形様式との関係について説明できる。4
引張、圧縮応力(垂直応力)とひずみ、物体の変形量を計算できる。4
引張、圧縮を受けた物体の変形量を計算できる。4
分野別の工学実験・実習能力材料系分野【実験・実習能力】材料系【実験実習】実験・実習の目標と心構えを理解し実践できる。3前1
災害防止と安全確保のためにすべきことを理解し実践できる。3前2
レポートの書き方を理解し、作成できる。3前1
金属材料実験、機械的特性評価試験、化学実験、分析実験、電気工学実験などを行い、実験の準備、実験装置および実験器具の取り扱い、実験結果の整理と考察ができる。5後1,後2
光学顕微鏡や電子顕微鏡などで材料を観察し、組織について評価することができる。4前6
硬さ試験機や万能試験機などを用いて、材料の強度特性を評価できる。4前5
分析機器を用いて、成分などを定量的に評価をすることができる。4後2
実験の内容をレポートにまとめることができ、口頭での説明またはプレゼンテーションができる。4

評価割合

レポート発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80002000100
基礎的能力4000200060
専門的能力200000020
分野横断的能力200000020