セラミック材料

科目基礎情報

学校 仙台高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 セラミック材料
科目番号 0153 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 マテリアル環境工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材
担当教員 佐藤 友章

到達目標

項目1: 物質を構成する様々な元素の性質を理解し、それらの性質が電子の振る舞いによることを周期表と関連付けて理解できる。
項目2: 元素の組み合わせからなる無機元素および化合物の構造、結合状態、性質について説明することができる。
項目3: 基本的な無機材料に関して用途、構造、合成反応等を理解できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1様々な元素の性質が電子の振る舞いによることを周期表と関連付けて説明できる。様々な元素の性質が電子の振る舞いによることを周期表と関連付けて理解できる。左記ができない。
評価項目2 無機元素および化合物の構造、結合状態、性質について応用的な事象も含めて説明できる。無機元素および化合物の構造、結合状態、性質について基本的な説明が可能である。左記ができない。
評価項目3無機材料に関して用途、構造、合成反応等を説明できる。基本的な無機材料に関して用途、構造、合成反応等を理解できる。左記ができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
セラミックス材料は、構造材料はもとより、光・電子デバイスなどの機能材料として重要な位置を占めている。本科目では、セラミックスが有する化学的・機械的・物理的性質を決める基礎物性、合成法、加工法を知り、他の材料との相違、最良の特性を引き出すための基本概念を理解する。金属材料や有機材料などと並んで重要な役割をなすセラミックス材料について、その製造法と性質、電子デバイスへの応用について学習する。
授業の進め方・方法:
2~4年次に学んだ物質の構造、材料組織学Ⅰ・Ⅱ、材料物性Ⅰ・Ⅱ、物理化学Ⅰ・Ⅱ、材料強度学の各科目を基本とする複合科目となる。セラミックス材料に関する基礎から応用までが講義範囲となる。後半の無機材料合成法では、マテリアル工学実験Ⅱ「エレクトロセラミックスの合成と特性評価」で行う加圧成型・焼結と密接にかかわってくるので実験と合わせて現象論を説明できるようにしておくこと。授業の予習および復習については、各実施週の前後一定期間内にe-learning上に授業内容に関する資料を提示し、理解を深めるための演習問題を公開する。3つの到達目標を達成できるようにe-learningによる予習および演習を上手に活用すること。
予習:各実施週の前一定期間内にe-learning上に授業内容に関する資料を提示し、理解を深めるための演習問題を公開する。3つの到達目標を達成できるようにe-learningによる予習を上手に活用すること。
復習:各実施週の一定期間内にe-learning上に授業内容に関する資料を提示し、理解を深めるための演習問題を公開する。3つの到達目標を達成できるようにe-learningによる復習を上手に活用すること。
注意点:
自学自習として、次回の授業内容と達成目標、テキスト内容を確認しておくこと。授業ノートの内容とテキストの説明を読み合わせて現象の理解に努め、各項目を説明できるようしておくこと。e-learningシステムにて理解を深めるための設問や課題があるので取り組んでおくこと。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 1.原子の電子配置と周期律 パウリの排他原理、軌道のエネルギー準位、フントの規則から電子の配置を示すことができる。
価電子について理解し、希ガス構造やイオンの生成について説明できる。
元素の周期律を理解し、典型元素や遷移元素の一般的な性質について説明できる。
イオン化エネルギー、電子親和力、電気陰性度について説明できる。
2週 2.化学結合と分子の構造 化学結合の初期理論としてのオクテット則(八隅説)により電子配置をルイス構造で示すことができる。
原子価結合法から共有結合を説明できる。
電子配置から混成軌道の形成について説明できる。
3週 2.化学結合と分子の構造 簡単な分子に対する分子軌道法から共有結合を説明できる。
4週 3.イオン結合
イオン結合の形成について理解できる。
5週 4.金属結合 金属結合の形成について理解できる。
6週 5.結晶構造と格子 結晶の充填構造・充填率・イオン半径比などの基本的な計算ができる。
7週 6.無機物質 代表的な非金属元素の単体と化合物の性質を説明できる。
代表的な金属元素の単体と化合物の性質を説明できる。
8週 7.無機材料合成法 単結晶化、焼結、薄膜化、微粒子化、多孔質化などに必要な材料合成法について説明できる。
2ndQ
9週 7.無機材料合成法 単結晶化、焼結、薄膜化、微粒子化、多孔質化などに必要な材料合成法について説明できる。
10週 7.無機材料合成法 単結晶化、焼結、薄膜化、微粒子化、多孔質化などに必要な材料合成法について説明できる。
11週 8.無機材料各論 セラミックス、金属材料、炭素材料、複合材料等、無機材料の用途・製法・構造等について説明できる。
12週 8.無機材料各論 セラミックス、金属材料、炭素材料、複合材料等、無機材料の用途・製法・構造等について説明できる。
13週 8.無機材料各論 セラミックス系複合材料について説明でき、靱性の観点から問題点を理解できる。
14週 9.表面化学 物質表面が外界からうける作用を考察し、物理的、あるいは化学的な表面相互作用について説明できる。
15週 9.表面化学 物質表面が外界からうける作用を考察し、物理的、あるいは化学的な表面相互作用について説明できる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学材料系分野無機材料パウリの排他原理、軌道のエネルギー準位、フントの規則から電子の配置を示すことができる。3前1
価電子について理解し、希ガス構造やイオンの生成について説明できる。3前1
元素の周期律を理解し、典型元素や遷移元素の一般的な性質について説明できる。3前1
イオン化エネルギー、電子親和力、電気陰性度について説明できる。3前1
化学結合の初期理論としてのオクテット則(八隅説)により電子配置をルイス構造で示すことができる。3前2
原子価結合法により、共有結合を説明できる。3前2
電子配置から混成軌道の形成について説明できる。3前2
簡単な分子に対する分子軌道法から共有結合を説明できる。3前3
イオン結合の形成について理解できる。3前4
金属結合の形成について理解できる。3前4
結晶の充填構造・充填率・イオン半径比などの基本的な計算ができる。3前5
代表的な非金属元素の単体と化合物の性質を説明できる。3前5
代表的な金属元素の単体と化合物の性質を説明できる。3前6
セラミックス、金属材料、炭素材料、複合材料等、無機材料の用途・製法・構造等について説明できる。3前9
単結晶化、焼結、薄膜化、微粒子化、多孔質化などに必要な材料合成法について説明できる。3前6
物質表面が外界からうける作用を考察し、物理的、あるいは化学的な表面相互作用について説明できる。2前14
複合材料セラミックス系複合材料について説明でき、靱性の観点から問題点を理解できる。3前13

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他課題合計
総合評価割合800000020100
基礎的能力50000001262
専門的能力2000000828
分野横断的能力1000000010