建築環境工学Ⅰ

科目基礎情報

学校 仙台高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 建築環境工学Ⅰ
科目番号 0140 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 建築デザイン学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 建築環境工学(第三版) 倉渕隆 市ヶ谷出版社
担当教員 内海 康雄

到達目標

 建物内の環境を健康で快適に保つための考え方や手法を理解する。
 建物内外の環境全般について例題を通して理解する。
 ノートの取り方を身につけ、建築環境工学を通して自学自習ができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1建築環境工学の概要を論理的に説明できる。建築環境工学の概要を理解できる。建築環境工学の概要の理解が不足している。
評価項目2日照・日射環境の概要を論理的に説明できる。日照・日射環境の概要を理解できる。日照・日射環境の概要の理解が不足している。
評価項目3光環境の概要を論理的に説明できる。光環境の概要を理解できる。光環境の概要の理解が不足している。
色彩環境の概要を論理的に説明できる。色彩環境の概要を理解できる。色彩環境の概要の理解が不足している。
空気環境の概要を論理的に説明できる。空気環境の概要を理解できる。空気環境の概要の理解が不足している。
熱環境の概要を論理的に説明できる。熱環境の概要を理解できる。熱環境の概要の理解が不足している。
湿気環境の概要を論理的に説明できる。湿気環境の概要を理解できる。湿気環境の概要の理解が不足している。
温熱環境の概要を論理的に説明できる。温熱環境の概要を理解できる。温熱環境の概要の理解が不足している。
都市・地球環境の概要を論理的に説明できる。都市・地球環境の概要を理解できる。都市・地球環境の概要の理解が不足している。
音環境の概要を論理的に説明できる。音環境の概要を理解できる。音環境の概要の理解が不足している。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
建物内外の環境の物理的・心理的な捉え方の基礎を概説する。関連する環境一般・熱・光・水・音について説明と演習を行う。これにより建築やデザインにおける環境についての基本知識を修得する。
授業の進め方・方法:
 2年生までに習った数学,物理知識が前提となる。演習を随時行うが、自学自習が必要である。また、自分自身で書籍や資料を基に学習する際のノート・資料の作り方を説明した上で実習を行う。
予習:毎回の授業前までに、授業で行う内容と意義を 考えて整理しておくこと。
復習:毎回の授業後に、授業で学んだことを振り返り、今後へ活かす方法を考えること。
注意点:
 本科目は続く、建築環境工学Ⅱや建築設備を学ぶ上での基礎となる科目となる。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス 本科目の建築学で占める位置が理解できる。
2週 建築環境工学の目的と要素 建築環境工学の概要を理解できる
3週 建築環境工学の新しい領域と課題 建築環境工学の現状が理解できる
4週 太陽位置 太陽位置の表し方を理解できる。
5週 日照と日影 日影曲線と日ざし曲線を理解できる。
6週 日射 日射の種類・量・調節方法を理解できる。
7週 演習 日射・日射環境の理解をチェックする。
8週 測光量 視覚や測光量を理解できる。
2ndQ
9週 明視環境 明視条件・グレア・照度基準を理解できる。
10週 採光 全天空照度・昼光率・採光計画を理解できる。
11週 人工照明 人工光源・照明計画を理解できる。
12週 色彩の表し方と色彩計画 色の属性・表色系・色彩計画を理解できる。
13週 演習 光環境・色彩環境の理解をチェックする。
14週 室内空気環境 換気の目的・許容濃度・必要換気量を理解できる。
15週 自然換気の力学 風力換気・温度差換気を理解できる。
16週 機械換気の計画 機械換気方式・換気計画を理解できる。
後期
3rdQ
1週 演習 空気環境の理解をチェックする。
2週 熱の流れの基礎 熱貫流の概念を理解できる。
3週 熱貫流と日射 熱貫流率・日射の取り扱いを理解できる。
4週 建物全体の熱特性 総合熱貫流率・室温・熱負荷・省エネルギー基準を理解できる。
5週 湿り空気と露点温度 湿度の表し方・空気線図を理解できる。
6週 結露 表面結露・内部結露を理解できる。
7週 演習 熱環境・湿気環境の理解をチェックする。
8週 人体周りの熱収支 温熱環境6要素を理解できる。
4thQ
9週 温熱感覚指標 有効温度・新有効温度・PMVを理解できる。
10週 外界気象 気温変動・クリモグラフ・デグリーデー・外部風を理解できる。
11週 都市環境と地球環境 都市と地球のスケールの環境を理解できる。
12週 演習 温熱環境と都市・地球環境の理解をチェックする。
13週 音の性質 音の性質・単位と聴感を理解できる。
14週 騒音評価と遮音効果 騒音の評価法と遮音の方法を理解できる。
15週 音響計画 吸音・残響時間・室内音響計画を理解できる。
16週 演習 音環境の理解をチェックする。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建築系分野材料建築材料の変遷や発展について説明できる。2
建築材料の特徴・分類を説明できる。2
建築材料の規格・要求性能について説明することができる。2
セメント・コンクリートの歴史について理解している。2
セメントの製造方法(廃棄物の利用も含む)について説明できる。2
セメントの化学成分や組成について理解している。2
セメントの物理的性質について理解している。2
セメントの種類・特徴について説明できる。2
コンクリート用軽量骨材があることを知っている。2
混和材(剤)料の種類(例えばAE剤と減水剤、フライアッシュやシリカフュームなど)をあげることができる。2
コンクリートの調合のうち、水セメント比の計算ができる。2
スランプ、空気量について、強度または、耐久性の観点でその影響について説明できる。2
コンクリートの強度(圧縮、引張、曲げ、せん断)の関係について説明できる。2
応力とひずみの関係について説明できる。2
弾性係数の意味について説明できる。2
クリープ現象と構造物に対する影響について理解している。2
乾燥収縮について理解している。2
自己収縮について理解している。2
中性化現象と鉄筋の腐食の関係について説明できる。2
凍害現象と抑制方法について説明できる。2
塩害現象と抑制方法について説明できる。2
アルカリ骨材反応現象と抑制方法について説明できる。2
耐火性(高強度のコンクリートでの爆裂防止も含む)について理解している。2
各種(暑中・寒中など)・特殊(水密、高強度など)コンクリートの名称をあげることができる。2
コンクリート製品(ALC、プレキャストなど)の特徴について説明できる。2
構造建築構造の成り立ちを説明できる。2
建築構造(W造、RC造、S造、SRC造など)の分類ができる。3
建築物に働く力について説明できる。2
力の定義、単位、成分について説明できる。2
力のモーメント、偶力のモーメントについて理解している。2
力の合成と分解について理解し、計算できる。2
力のつり合いについて理解している。2
力の単位系について理解し、単位系の相互変換が計算できる。2
断面一次モーメントを理解し、図心を計算できる。2
断面二次モーメント、断面相乗モーメント、断面係数や断面二次半径などの断面諸量を計算できる。2
弾性状態における応力とひずみの定義、力と変形の関係を説明でき、それらを計算できる。2
曲げモーメントによる断面に生じる応力(引張、圧縮)とひずみの関係を理解し、それらを計算できる。2
はり断面内のせん断応力分布について説明できる。2
骨組構造物の種類やその安定・不安定について理解している。2
骨組構造物に作用する荷重の種類について説明できる。2
各種構造の設計荷重・外力を計算できる。2
トラスの種類を説明でき、トラスの部材力の意味について説明できる。2
節点法や切断法を用いて、トラスの部材応力を計算できる。2
はりの支点の種類、対応する支点反力、およびはりの種類やその安定性について説明できる。2
はりに作用する外力としての荷重の種類を理解している。2
はりの断面に作用する内力としての応力(軸力、せん断力、曲げモーメント)、応力図(軸力図、せん断力図、曲げモーメント図)について説明することができる。2
単純ばりの応力を計算し、応力図を描くことができる。2
片持ちばりの応力を計算し、応力図を描くことができる。2
応力と荷重の関係、応力と変形の関係を用いてはりのたわみの微分方程式を用い、幾何学的境界条件と力学的境界条件について説明でき、たわみやたわみ角を計算できる。2
不静定構造物の解法の基本となる応力と変形関係について説明できる。2
圧縮力を受ける柱の分類(短柱・長柱)が出来、各種支持条件に対するEuler座屈荷重を計算できる。2
偏心圧縮柱の応力状態を説明できる。2
ラーメンやその種類について説明できる。2
ラーメンの支点反力、応力(軸力、せん断力、曲げモーメント)を計算し、その応力図(軸力図、せん断力図、曲げモーメント図)をかくことができる。2
構造力学における仕事やひずみエネルギーの概念について説明できる。2
仕事やエネルギーの概念を用いて、構造物(例えば梁、ラーメン、トラスなど)の支点反力、応力(図)、変形(たわみ、たわみ角)を計算できる。2
構造物の安定性、静定・不静定の物理的意味と判別式の誘導ができ、不静定次数を計算できる。2
静定基本系(例えば、仮想仕事法など)を用い、不静定構造物の応力と、支点反力を求めることができる。2
いずれかの方法(変位法(たわみ角法)、固定モーメント法など)により、不静定構造物の支点反力、応力(図)を計算できる。2
木構造の特徴・構造形式について説明できる。2
木材の種類・性質について説明することが出来る。3
木材の接合について説明できる。2
基礎、軸組み、小屋組み、床組み、階段、開口部などの木造建築の構法を説明できる。2
外部および内部の仕上げについて説明できる。2
木造枠組み壁構法について説明できる。2
鋼構造物の復元力特性と設計法の関係について説明できる。2
S造の特徴・構造形式について説明できる。2
鋼と鋼材の性質について説明できる。3
鋼材・溶接の許容応力度について説明できる。2
軸力のみを受ける部材の設計の計算ができる。2
軸力、曲げを受ける部材の設計の計算ができる。2
曲げ材の設計の計算ができる。2
継手の設計・計算ができる。2
高力ボルト摩擦接合の機構について説明できる。2
溶接接合の種類と設計法について説明できる。2
仕口の設計方法について説明ができる。2
柱脚の種類と設計方法について説明ができる。2
鉄筋コンクリート造(ラーメン構造、壁式構造、プレストレストコンクリート構造など)の特徴・構造形式について説明できる。2
鉄筋材料の種類・性質について説明できる。2
コンクリート材料の種類・性質について説明できる。3
構造計算の設計ルートについて説明できる。2
建物の外力と変形能力に基づく構造設計法について説明できる。2
コンクリートおよび鉄筋について説明できる。2
断面内の応力の分布について説明できる。2
許容曲げモーメントを計算できる。2
主筋の算定ができる。2
釣合い鉄筋比について説明ができる。2
中立軸の算定ができる。2
許容せん断力を計算できる。2
せん断補強筋の算定ができる。2
終局曲げモーメントについて説明できる。2
終局剪断力について説明できる。2
断面内の応力の分布について説明できる。2
許容曲げモーメントを計算できる。2
MNインターラクションカーブについて説明できる。2
主筋の算定ができる。2
釣合い鉄筋比について説明ができる。2
中立軸の算定ができる。2
許容せん断力を計算できる。2
せん断補強筋の算定ができる。2
終局曲げモーメントについて説明できる。2
終局剪断力について説明できる。2
作用する応力が計算できる。2
曲げおよびせん断耐力の計算が出来る。2
基礎形式(直接、杭)の分類ができる。2
基礎形式別の支持力算定方を説明できる。2
地球の構造と地震発生機構について説明できる2
マグニチュードの概念と震度階について説明できる。2
地球の構造について説明できる。2
地震活動度について説明できる。2
地震被害を受けた建物の破壊等の特徴について説明できる。2
地震による構造物の被害と対策について説明できる。2
振動解析モデルについて説明できる。2
1自由度系の自由振動の計算ができる。2
部材の弾塑性の性質について理解している。2
骨組みの崩壊時の条件であるつり合い方程式と制約条件について理解している。2
下界定理、上界定理を用いて骨組みの崩壊荷重の計算ができる。2
環境・設備風土と建築について説明できる。3
パッシブデザインについて理解している。3
環境共生建築について理解している。3
地球環境について説明できる。3
環境マネージメント(たとえば、環境負荷、省エネルギーなど)の概要について理解している。3
地球環境、環境共生建築について説明できる。3
気候、気象について説明できる。3
気温、温度、湿度および気温と湿度の形成について説明できる。3
風および風の形成について理解している。3
雨、雪による温度、湿度の関係について説明できる。3
ヒートアイランドの現象について説明できる。3
大気汚染の歴史と現象について説明できる。3
都市環境における緑の役割について説明できる。3
建設地と太陽位置について説明できる。3
時間別の日影図を書くことが出来る。3
日照と日射、紫外線、および可視光線について説明できる。3
日照および日射の調節方法について説明できる。3
視覚と光の関係について説明できる。3
測光量について理解している。3
明視、グレアの現象について説明できる。3
採光および採光計画について説明できる。3
人工照明について説明できる。3
照明計画および照度の計算ができる。3
表色系について説明できる。3
色彩計画の概念を知っている。3
伝熱の基礎について説明できる。3
熱貫流について説明できる。3
室温の形成について理解している。3
人体と熱について説明できる。3
温熱環境要素について説明できる。3
温熱環境指標について説明できる。3
湿り空気、空気線図について説明できる。3
結露現象について説明できる。3
空気汚染の種類と室内空気環境基準について説明できる。3
必要換気量について計算できる。3
自然換気と機械換気について説明ができる。3
音の物理的特性について説明できる。3
音の単位について説明できる。3
聴覚の仕組みについて説明できる。3
音心理の三大特性、大きさとうるささ、音の伝搬、減衰、回折について説明できる。3
吸音と遮音、残響について説明できる。3
遮音材料の仕組み、音響計画について説明できる。3
室内環境基準について説明できる。3
熱負荷計算法、空気線図、空気の状態値について説明できる。3
空気調和方式について説明できる。3
熱源方式について説明できる。3
空調機について説明できる。3
必要換気量について計算できる。3
暖房、空気環境方式について説明できる。3
自然再生可能エネルギー(例えば、風力発電、太陽光発電、太陽熱温水器など)の特徴について説明できる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合60000040100
基礎的能力3000002050
専門的能力3000002050
分野横断的能力0000000