公共施設計画Ⅰ

科目基礎情報

学校 仙台高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 公共施設計画Ⅰ
科目番号 0152 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 建築デザイン学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材
担当教員 坂口 大洋

到達目標

社会的な変化の背景を理解しながら、公共施設計画における歴史的な変遷、各種公共施設の制度基盤、国内外の事例、各種計画上の基本的な計画理論と計画手法を理解し、活用できるようにする。また実際の公共施設の設計プロセスを通して、計画プロセスにおける課題及び計画技術の理解と習得を目指す。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
公共施設計画の計画背景、計画理論、計画手法に対する理解公共施設計画の計画背景、計画理論、計画手法を理解し、実践的な計画プロセスに活用できる。公共施設計画の計画背景、計画理論、計画手法を概ね理解し説明できる。公共施設計画の計画背景、計画理論、計画手法を説明できない。
評価項目2
評価項目3

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
本授業は公共施設計画における概要と計画技術の習得を目指す。具体的には公共施設計画の歴史的な変遷、施設計画上の設置法などの各種制度、計画手法の技術、国内外の計画事例、計画上解決すべき課題、将来的な公共施設像を理解することを目標とします。また扱う題材は、公共住宅、教育施設、医療施設、文化施設に加えて、安全計画、空間計画などの分野を含む。また、東日本大震災における公共施設の被害、復旧などについても授業の中で扱うものとする。
授業の進め方・方法:
授業の進め方は、公共施設全体の概要を抑えたうえで、基礎的な計画手法の理解、具体的な事例、計画プロセスなどの理解を講義とディスカッション形式を主として行う。適宜実際の計画を想定した演習的なスタディを行う。また希望者には実際の公共施設の見学などを行い施設計画と運営計画の重要性を学ぶ。
予習:毎回の授業前までに、授業で行う内容と意義を 考えて整理しておくこと。
復習:毎回の授業後に、授業で学んだことを振り返り、今後へ活かす方法を考えること。
注意点:
授業と連動して行われる設計製図や各種計画系の授業で扱われる作品や事例なども常に理解することにつとめること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス(授業全体の進め方) 現代の公共施設の実践例、国内における公共施設の課題と公共施設計画のプロセスの説明 建築計画・設計の手法の一般的な内容について理解できるようにする。
2週 空間とスケール モデュールの意味歴史的な背景とモデュールを使った実践例の紹介及びJJギブソンのアフォーダンスの概要説明とアフォーダンスからの空間の読み解きを講義から理解する。 モデュールについて理解し、建築設計における基本的な寸法体系(内容)を理解できるようにする。
3週 公共住宅研究の実践の系譜
住宅研究と実践の系譜:同潤会住宅から51C住宅及び戦後の建築家による小住宅の事例の説明
公共住宅の歴史的な概要の把握と、公共住宅の計画手法の基礎的な技術の習得できるようにする。
4週 集合住宅計画論:集合住宅を取り巻く社会的な背景の理解、集合住宅に関する制度、単位空間、住宅形式などの概要説明 集合住宅における計画手法の理解。企画立案、動線計画などの計画手法の技術の習得できるようにする。
5週 学ぶ場としての学校:明治期以降の教育施設の変遷、教育施設の制度の推移、国内外の教育施設の説明、教育施設計画の単位計画・教育システムとの関連、国内外の教育施設の実践例などを説明する。 教育施設における類似施設の計画について説明でき、かつ基礎的な計画手法について説明できるようにする。
6週 癒しの場としての医療施設:明治期以降の医療施設の変遷、医療施設の制度の推移、国内外の医療施設の説明、医療施設計画の単位計画・医療システムとの関連、国内外の医療施設の実践例などを説明する。 医療施設における類似施設の計画について説明でき、かつ基礎的な計画手法について説明できるようにする。
7週 地域を主体とした福祉施設:明治期以降の高齢者福祉施設の変遷、高齢者福祉施設の制度の推移、国内外の高齢者福祉施設の説明、単位計画・福祉サービスとの関連、国内外の福祉(児童・高齢者)施設の実践例などを説明する。 福祉施設全般における類似施設の計画について説明でき、かつ基礎的な計画手法について説明できるようにする。
8週 都市創造と舞台芸術施設:歴史的な舞台芸術施設の変遷、舞台芸術施設の制度の推移、国内外の舞台芸術施設の説明、施設計画の単位計画・鑑賞行為及び創造行為との関連、国内外の創造都市と文化施設の関連性と実践例などを説明する。 舞台芸術施設全般における類似施設の計画について説明でき、かつ基礎的な計画手法について説明できるようにする。
2ndQ
9週 メディアの集積としての図書館:歴史的な図書館の変遷、図書館の制度の推移、国内外の図書館の説明、施設計画の単位計画・国内外の社会教育施設の関連性と実践例などを説明する。 図書館全般における類似施設の計画について説明でき、かつ基礎的な計画手法について説明できるようにする。
10週 安全計画:様々な災害に対する計画上の被害及び課題の概要を説明する。次に主に火災の被害、都市災害、日常災害の三点から具体的な事例に基づきながら災害対策の指針と計画上の留意点を説明。更にハード・ソフト両面からの連動した計画上の課題の理解を目指す。 公共施設の計画における安全計画及び災害対策に対して、必要な動線計画、ゾーニング、設備機器の配置などが理解し、説明できるようにする。
11週 公共施設のマネジメント01:良質な公共施設を調達するための発注方法、発注システム、発注プロセスの留意点、住民参加の重要性とプロセスなどの説明する。 公共施設のマネジメントにおける基礎的な考え方、発注手法、住民参加手法などを理解し、説明できるようにする。
12週 公共施設のマネジメント02:良質な公共施設の主にソフト面(施設運営)における概要、運営の基礎的な考え方、運営手法、運営事例、施設の長寿命化を目指した施設のあり方などを説明する。 公共施設運営の社会的な背景、施設運営手法、施設運営手法と施設計画の関連性を理解し、説明できるようにする。
13週 東日本大震災における公共施設の被害と復興:東日本大震災における公共施設の被害の概要(用途別、地域別)と復旧の事例を説明する。 東日本大震災における公共施設の被害の概要と復旧の概要について、理解し説明できるようにする。
14週 公共施設計画の実践プロセス01:
具体的な公共施設計画のプロセスを詳細に解説し、そこで議論となった課題や議論のプロセス、判断ななどを検討材料に、計画条件の重要性と公共施設計画計画・設計プロセスの必要な知識・技術など説明する。
公共施設計画の計画条件の検討・策定及び設計プロセスの必要な技術などを習得する。
15週 公共施設計画の実践プロセス02:
主に地域及び都市との関連の中で地域計画、都市政策との関連の中で具体的な公共施設計画の計画プロセスの課題と、実際に完成後の使い方などの重要性を理解する。
公共施設計画における地域・都市との関係の重要性を、地域計画、都市政策との関連の中で、具体的な課題、事例などについて、理解し、説明できる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建築系分野計画・歴史モデュールについて説明できる。3
建築設計に関わる基本的な家具をはじめとする住設備機器などの寸法を知っている。3
居住系施設(例えば、独立住宅、集合住宅など)の計画について説明できる。3
教育や福祉系の施設(例えば、小学校、保育所、幼稚園、中・高・大学など)あるいは類似施設の計画について説明できる。3
文化・交流系の施設(例えば、美術館、博物館、図書館など)あるいは類似施設の計画について説明できる。3
医療・業務系の施設(例えば、オフィスビル、病院、オーディトリアム、宿泊施設等)あるいは類似施設の計画について説明できる。3
建築計画・設計の手法一般について説明できる。3
計画の立案ができる。3
企画の手法について理解できる。3
動線について説明できる。3
ゾーニングについて説明できる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力500000050
専門的能力400000040
分野横断的能力100000010
0000000