ネットワーキング基礎

科目基礎情報

学校 仙台高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 ネットワーキング基礎
科目番号 0050 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 4
開設学科 情報ネットワーク工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 1週間でCCNAの基礎が学べる本【第2版】:インプレス、ルーティング&スイッチング標準ハンドブック:SBクリエイティブ
担当教員 脇山 俊一郎,速水 健一

到達目標

・ プロトコルの階層化の概念を理解し、それを具現化しているプロトコル体系の一つであるインターネットプロトコルスイートを取り上げ、これに関わる具体的かつ標準的な技術を理解していること。 
・TCP/IPプロトコルスタックにおける各層の役割やカプセル化の概念を理解するとともに、小規模なネットワークの物理設計・論理設計と、実際のルータ・スイッチ等のネットワーク機器を用いた構築ができるようになること。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1OSI参照モデルをもとにネットワーキングの技術要素やキーワードを分類、説明できる。ネットワーク技術の基本的なキーワードをOSI参照モデルと照らし合わせて分類できる。OSI参照モデルの理解が不十分である。
評価項目2IPアドレスのサブネット設計など、ネットワークの論理設計を確実にできる。IPアドレスのサブネット設計など、ネットワークの論理設計が概ねできる。IPアドレスに関する理解が不十分で、ネットワークの論理設計が十分できない。
評価項目3コマンドラインインタフェースを用いてのルータの設定を確実にできる。コマンドラインインタフェースを用いてのルータの設定が概ねできる。コマンドに関する理解が不十分で、ルータの設定が十分できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 2 コンピュータネットワークを設計・構築・運用できる知識と技術の習得

教育方法等

概要:
1学年の「コンピュータリテラシ」、「創造工学」、2学年の「プロジェクト実習」をベースに、ネットワーク技術の基礎やインターネットで用いられるTCP/IP技術の基本を学習する。
授業の進め方・方法:
座学での授業を中心にグループ学習や演習を取り入れる。シミュレータやルータ実機等を用いた演習については、本科目の進度に合わせて通信工学基礎実験の授業にて実施し、両科目合わせて実践的なネットワーキング技術の修得を目指す。
注意点:
講義では授業資料をプロジェクタ投影しながら板書も併用して詳しい解説を行う。投影資料のハンドアウトを配布するが、板書する内容も多いのでしっかりノートをとること。また資料は必ずファイリングしておくこと。不明な点は担当教員に質問するなど、積極的な学習を心がけてもらいたい。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 科目ガイダンス
ビデオ教材を視聴し、この科目での学習内容を概観する。
この科目のシラバスを把握する。
2週 ネットワークの役割と分類を理解する。
LAN,WANの違い、代表的なネットワークトポロジを説明できる。。
3週 通信プロトコルとプロトコルの階層化について理解する。 通信プロトコルが必要な理由、複数のプロトコルを階層化して整理する意味を説明できる。
4週 OSI参照モデルについて理解する。
OSI参照モデルのそれぞれの層の役割を説明できる。
5週 OSI参照モデルについて理解する。
OSI参照モデルのそれぞれの層の役割を説明できる。
6週 OSI参照モデルについて理解する。カプセル化の概念を理解する。学習 OSI参照モデルのそれぞれの層の役割を説明できる。
カプセル化の概念を説明できる。
コリジョンドメイン、ブロードキャストドメインを説明できる。
7週 物理層の役割について理解する。 物理メディアの種類と規格を説明できる。
8週 データリンク層の役割について理解する。 EthernetでのCSMA/CDの仕組みを説明できる。MACアドレスの構成について説明できる。
2ndQ
9週 中間試験
10週 中間試験解説
11週 ネットワーク層の役割について理解する。 ネットワーク層の役割を説明できる。ICMPを用いたPingによる疎通確認のしくみを説明できる。
12週 IPアドレスの基礎を理解する。 ネットワーク部とホスト部、クラスA~Cについて説明できる。サブネットマスクの役割を説明できる。
13週 ルーティングの基礎を理解する。 ルータの役割を説明できる。ルーティングテーブルの見方が分かる。
14週 トランスポート層とアプリケーション層の役割について理解する。 トランスポート層・アプリケーション層の役割を説明できる。
TCPとUDPの違いを説明できる。主要なアプリケーションプロトコルのポート番号が分かる。
15週 期末試験
16週 期末試験解説
後期
3rdQ
1週 TCPプロトコルの動作概要について理解する。
スリーウェイハンドシェーク、確認応答などのTCPの動作を具体的に説明できる。
2週 TCP/IP通信の流れ
ARPによるIPアドレス取得、ルータでのパケット中継、ポート番号でのアプリケーションへのデータ受け渡しといった一連の動作の概要を説明できる。
3週 IPアドレスのサブネットについて理解する。
サブネットが必要な理由を説明できる。
サブネット化の概念を説明できる。
4週 IPアドレスのサブネット設計法を演習を通じて理解する。 様々な条件のもとでサブネットを設計できる。
5週 IPアドレスのサブネット設計法を演習を通じて理解する。 様々な条件のもとでサブネットを設計できる。
6週 ルータの内部構成とコマンド体系を理解する。 ルータで使用されているメモリの種類とそこに格納されるデータを分類できる。
ルータのコマンドラインインタフェースでの動作モードの違い等を説明できる。
7週 TCP/IP技術についての学習内容を振り返える(中間まとめ学習)。 TCP/IP技術についての学習を振り返える
8週 中間試験
4thQ
9週 中間試験解説
10週 ルーティング方式(スタティック)について理解する。 スタティックルーティングによる経路制御方法を説明できる。
11週 ルーティング方式(ダイナミック)について理解する。 ダイナミックルーティングによる経路制御の方法をRIPを例に説明できる。
12週 ルータでのルーティング設定方法を習得する。 ルータでのスタティックルーティングおよびダイナミックルーティング(RIP)の設定・動作確認ができる。
13週 トラブルシューティング技法を習得する。 OSI階層モデルに基づいたトラブルシューティング技法を説明できる。
14週 アドレス変換技術とIPv6の概要を理解する。 NAT/NAPTの動作概要を説明できる。IPv6のIPアドレスについて説明できる。
15週 期末試験
16週 期末試験解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎情報リテラシー情報リテラシー情報伝達システムやインターネットの基本的な仕組みを把握している。3前2
専門的能力分野別の専門工学情報系分野計算機工学整数・小数をコンピュータのメモリ上でディジタル表現する方法を説明できる。1
基数が異なる数の間で相互に変換できる。3
基本的な論理演算を行うことができる。3
コンピュータを構成する基本的な要素の役割とこれらの間でのデータの流れを説明できる。2
システムプログラムコンピュータシステムにおけるオペレーティングシステムの位置づけを説明できる。2
情報通信ネットワークプロトコルの概念を説明できる。4前3,前4,前5,前6
プロトコルの階層化の概念や利点を説明できる。4前3,前4,前5,前6
ローカルエリアネットワークの概念を説明できる。3前2
インターネットの概念を説明できる。4前2
TCP/IPの4階層について、各層の役割を説明でき、各層に関係する具体的かつ標準的な規約や技術を説明できる。4前4,前5,前6,前7,前8,前11,前12,前13,前14,後2,後3,後4,後5
ネットワークを構成するコンポーネントの基本的な設定内容について説明できる。3後6
有線通信の仕組みと規格について説明できる。3前7,前8
基本的なルーティング技術について説明できる。4前13,後10,後11,後12
その他の学習内容コンピュータウィルスやフィッシングなど、コンピュータを扱っている際に遭遇しうる代表的な脅威について説明できる。2
コンピュータを扱っている際に遭遇しうる脅威に対する対策例について説明できる。2

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力500000050
専門的能力500000050
分野横断的能力0000000