電磁波工学Ⅰ

科目基礎情報

学校 仙台高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 電磁波工学Ⅰ
科目番号 0052 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 情報ネットワーク工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 「電波工学」 安達三郎/佐藤太一 著 (森北出版)
担当教員 鈴木 哲

到達目標

【学習・教育目標】
 (C)情報工学あるいは電子工学の分野で,人間性豊かなエンジニアとして活躍するための知識を獲得すること。

電流による磁界を説明でき,各種法則を用いて磁界の計算ができる。
導体,誘電体,磁性体を説明できる。
静電容量及びインダクタンスを説明でき,それらを計算できる。
電磁誘導を説明でき,誘導起電力,自己誘導,相互誘導についての計算ができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1波動方程式とその解を導出できる。平面波の境界条件と,反射・透過の特性を理解できる。波動方程式とその解の意味を理解できる。平面波の反射・透過の特性を理解できる。波動を表す式の物理的意味が理解できない。平面波の反射・透過の意味を理解できない。
評価項目2マクスウエルの4つの方程式を理解できる。マクスウエルの4つの方程式を書くことができる。マクスウエルの4つの方程式を書くことができない。
評価項目3ダイポールアンテナの電磁界と、指向性を理解できる。ダイポールアンテナの指向性を理解できる。ダイポールアンテナの電磁界と、指向性を理解できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 3 無線設備の構築・運用ができる知識と技術の習得
JABEE d 当該分野で必要な知識と応用能力

教育方法等

概要:
情報通信の分野で広く使われている電磁波の基本的な性質を理解する。具体的な内容として,
伝送路における波動的振る舞いや電磁波の振る舞いを学ぶ。
この科目は一陸特・無線従事者養成課程(長期型)の対象になる科目である。
授業の進め方・方法:
電磁界および波動方程式を理解する上で必要なマックスウェルの方程式,それらを実際に適用する際の種々の条件等について、繰り返し解説しながら授業を行う。

 
注意点:
微分・積分,ベクトル,三角関数,指数関数,体積,表面積,密度,力の合成と分解,エネル
ギー等の数学的及び物理的知識は必須である。それらの欠如は,電磁波工学Ⅰを学習する上で支障をきたすことになるので十分留意すること。

自学の際の留意点は,多くの練習問題にあたる事である。その際,ベクトル解析と複素数の基礎的理解が不可欠で,基礎的な問題を多く解きながら学習することが重要である。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 伝送線路  伝送線路について、波動方程式とその解の物理的な意味を理解できる。
2週 静電界と電流磁界 電荷と電気力線及び電界の関係を理解できる。電流と磁界の関係を理解できる。
3週 電磁誘導 アンペールの法則を理解できる。ファラデーの電磁誘導の法則を理解できる。
4週 マクスウェル方程式 マクスウェルの4つの方程式の物理的意味を理解できる。
5週 マクスウェル方程式 波動方程式とそれを導出する過程を理解できる。
6週 分布定数線路 分布定数線路および真空中の電磁波について、波動方程式を導出する過程を理解できる。
7週 反射と透過 進行波、反射波、透過波のふるまい、および特性インピーダンスと負荷インピーダンスの関係を理解し、インオピーダンス整合の重要性を理解する。
8週 スミスチャートの原理と応用 反射係数、定在波比の関係を理解し、スミスチャート上にプロットできる。
4thQ
9週 真空中の平面波 真空中の平面波の伝搬と誘電体などとの境界がある場合について、境界条件と反射・透過の特性について理解する。
10週 誘電体中の平面波 真空から誘電体に入射する際の反射と透過の現象を理解できる。
11週 同軸線路と方形導波路 同軸線路や方形導波管などについて、具体的な伝送線路を例に挙げ、その性質や伝送特性について理解する。
12週 導波管の遮断波長と遮断周波数 同軸線路および導波管について、伝送モード、伝搬定数、位相速度、特性インピーダンス等の物理的な意味を理解できる。
13週 マイクロストリップ線路 マイクロストリップ線路の電磁界と、特性インピーダンス、位相速度について理解できる。
14週 ダイポールアンテナの電磁界と放射指向性 ダイポールアンテナの電磁界と、指向性、放射抵抗などを理解できる。
15週 期末試験
16週 答案の返却と解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学累乗根の意味を理解し、指数法則を拡張し、計算に利用することができる。3後1
指数関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3後1
指数関数を含む簡単な方程式を解くことができる。3後1
角を弧度法で表現することができる。3後1
三角関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3後1
加法定理および加法定理から導出される公式等を使うことができる。3後1
三角関数を含む簡単な方程式を解くことができる。3後1
三角比を理解し、簡単な場合について、三角比を求めることができる。3後1
一般角の三角関数の値を求めることができる。3後1
簡単な場合について、関数の極限を求めることができる。3後1
微分係数の意味や、導関数の定義を理解し、導関数を求めることができる。3後1
積・商の導関数の公式を用いて、導関数を求めることがができる。3後1
合成関数の導関数を求めることができる。3後1
三角関数・指数関数・対数関数の導関数を求めることができる。3後1
逆三角関数を理解し、逆三角関数の導関数を求めることができる。3後1
不定積分の定義を理解し、簡単な不定積分を求めることができる。3後1
置換積分および部分積分を用いて、不定積分や定積分を求めることができる。3後1
定積分の定義と微積分の基本定理を理解し、簡単な定積分を求めることができる。3後1
分数関数・無理関数・三角関数・指数関数・対数関数の不定積分・定積分を求めることができる。3後1
自然科学物理力学物体に作用する力を図示することができる。3後2
力の合成と分解をすることができる。3後2
仕事と仕事率に関する計算ができる。3後2
物体の運動エネルギーに関する計算ができる。3後2
重力による位置エネルギーに関する計算ができる。3後2
弾性力による位置エネルギーに関する計算ができる。3後2
力学的エネルギー保存則を様々な物理量の計算に利用できる。3後2
電気導体と不導体の違いについて、自由電子と関連させて説明できる。4後2
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電気回路電荷と電流、電圧を説明できる。2
電力量と電力を説明し、これらを計算できる。2
正弦波交流の特徴を説明し、周波数や位相などを計算できる。4
平均値と実効値を説明し、これらを計算できる。4
直列共振回路と並列共振回路の計算ができる。4
相互誘導を説明し、相互誘導回路の計算ができる。3
理想変成器を説明できる。3
交流電力と力率を説明し、これらを計算できる。4
電磁気電界、電位、電気力線、電束を説明でき、これらを用いた計算ができる。4後2
静電容量を説明でき、平行平板コンデンサ等の静電容量を計算できる。4後2
コンデンサの直列接続、並列接続を説明し、その合成静電容量を計算できる。4後2
静電エネルギーを説明できる。4後2
電流が作る磁界をアンペールの法則を用いて計算できる。4後3
電磁誘導を説明でき、誘導起電力を計算できる。4後3
計測SI単位系における基本単位と組立単位について説明できる。3
計測標準とトレーサビリティの関係について説明できる。3
指示計器について、その動作原理を理解し、電圧・電流測定に使用する方法を説明できる。2
倍率器・分流器を用いた電圧・電流の測定範囲の拡大手法について説明できる。2
A/D変換を用いたディジタル計器の原理について説明できる。2

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合603010000100
基礎的能力40201000070
専門的能力2010000030
分野横断的能力0000000