通信工学実験

科目基礎情報

学校 仙台高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 通信工学実験
科目番号 0055 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 情報ネットワーク工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 必要に応じて配布する。
担当教員 今井 裕司,岩井 克全,衣川 昌宏,鈴木 哲,千葉 慎二,速水 健一

到達目標

(1) 自主的・自律的に行動し,グループで共同しながら実習を計画的に進めることができる。
(2) 電気回路,電子回路,電磁波工学,ネットワーキング技術の学習内容をもとに,応用的知識や技術を身につけることができる。
(3) 簡潔で視覚的表現も考慮したプレゼンテーション資料を作成することができる。
(4) 論理的で説得力のあるプレゼンテーションを行うことができる。
(5) 正しい日本語で論理的にまとめられた報告書を作成できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1自主的・自律的に行動し,電気回路,電子回路,電磁波工学,ネットワーキング技術の学習内容をもとに,応用的知識や技術を身につけることができる教員の指導を受けながら,電気回路,電子回路,電磁波工学,ネットワーキング技術の学習内容をもとに,応用的知識や技術を身につけることができる電気回路,電子回路,電磁波工学,ネットワーキング技術の学習内容をもとに,応用的知識や技術を身につけることができない
評価項目2簡潔で視覚的表現も考慮したプレゼンテーション資料を作成し,論理的で説得力のあるプレゼンテーションを行うことができる実習結果をまとめたプレゼンテーション資料を作成し,論理的なプレゼンテーションを行うことができる実習結果をまとめたプレゼンテーション資料を作成できず,プレゼンテーションを行うことができない
評価項目3正しい日本語で論理的にまとめられた報告書を作成できる実習結果をまとめた報告書を作成できる実習結果をまとめた報告書を作成できない

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 1 通信機器や情報通信システム構築に必要なハードウェア・ソフトウェアの知識と技術の習得
学習・教育到達度目標 2 コンピュータネットワークを設計・構築・運用できる知識と技術の習得
学習・教育到達度目標 3 無線設備の構築・運用ができる知識と技術の習得

教育方法等

概要:
3年次までに,電気回路学,電子回路基礎やネットワーキング基礎などの各教科で学習してきた知識や経験をもとに,卒業研究につながる応用的技術についての知識と技術を習得する。学生が自ら積極的に実習に取り組むことで自主性・計画性を身に付ける。
授業の進め方・方法:
クラスを2つのグループに分け,それぞれの実習テーマについて隔週ごとに取り組んでいく。学期末には実習に関するプレゼンテーションを行い,論理的にまとまった報告書を提出する。座学として学んだ専門科目全般の学習を基礎に,自主性,自律性,計画性を発揮して,課題に取り組む。指導教員やグループのメンバーとのコミュニケーションを絶やさぬようにし,自らに課せられた責任を果たすよう努力する。
注意点:
座学として学んだ専門科目全般の学習を基礎に,自主性,自律性,計画性を発揮して,課題に取り組んで欲しい。
指導教員やグループのメンバーとのコミュニケーションを絶やさぬようにし,自らに課せられた責任を果たすよう努力してもらいたい。
通信工学実験ではこれまで学んだ座学の実践的な技術の習得を主とするが,情報ネットワーク基礎実験では,本学科の「電気通信技術」,「ネットワーキング技術」,「ネットワークシステム技術」の3本柱について,より深い実習を行う。両科目を関連付けて,実習に取り組んでもらいたい。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス 実験・実習に関する動機づけが行われ,関係する内容の調査を自ら行える
2週 電子回路(1) オペアンプを用いた非反転増幅回路,反転増幅回路,加減算回路の波形観測と特性測定を行うことができる
3週 電子回路(2)
4週 電子回路(3)
5週 電子回路(4) オペアンプを用いたフィルタ回路,微分積分回路,発振回路,シュミット回路の波形観測と特性測定を行うことができる
6週 電子回路(5)
7週 電子回路(6)
8週 電子回路(7) 実習についてのまとめと適切なプレゼンテーションを行うことができる
2ndQ
9週 ネットワーキング技術Ⅰ(1)
アドレッシング構造の計画
サブネット,VLSMによるIPアドレスの計画を行うことができる
10週 ネットワーキング技術Ⅰ(2)
ネットワークデバイスの設定
ルータとスイッチの基本的な設定について,実機を用いて行うことができる
11週 ネットワーキング技術Ⅰ(3)
ルーティング
RIPについて理解し,ルーティングの設定を行うことができる
12週 ネットワーキング技術Ⅰ(4)
トラブルシューティング
ネットワーク各層でのトラブルシューティングについて理解することができる
13週 ネットワーキング技術Ⅰ(5)
中規模ネットワークの設計
中規模ネットワークの設計を行うことができる
14週 ネットワーキング技術Ⅰ(6)
中規模ネットワークの構築
実機を用いて,中規模ネットワークを構築することができる
15週 ネットワーキング技術Ⅰ(7)
まとめ,発表会
実習についての適切なプレゼンテーションが行える
16週 ふり返り ふり返りを行い,今後の実験・卒業研究などへの取り組みに活かすことができる
後期
3rdQ
1週 ガイダンス 実験・実習に関する動機づけが行われ,関係する内容の調査が自ら行える
2週 電磁波工学Ⅰ(1)
マイクロストリップライン上の定在波観測
伝送線路の終端条件により定在波および定在波比が変化することを理解できる。
3週 電磁波工学Ⅰ(2) 伝送線路について、波長,伝搬速度,実効誘電率の関係を理解できる。
4週 電磁波工学Ⅰ(3) スミスチャート上でのインピーダンスの変化,インピーダンス整合について理解できる。
5週 高周波回路(1)
高周波増幅器と発振器の製作
単一同調増幅器を作製し,その周波数特性を理解できる。
6週 高周波回路(2)
発振波形と発振スペクトラムの観測
コルピッツ発振器を作製し、発振波形と発振スペクトラムの観測を行うことができる。
7週 高周波回路(3) スペクトラムアナライザの使用方法および周波数スペクトラムの意味を理解できる。
8週 電磁波工学Ⅰ,高周波回路(4) 実習についてのまとめと適切なプレゼンテーションが行える
4thQ
9週 ネットワーキング技術Ⅱ(1)
VLAN間ルーティングの利用
実機を用いて,レイヤ3スイッチとルータによるVLAN(仮想LAN)間ルーティングを利用できる
10週 ネットワーキング技術Ⅱ(2)
ACLの設定
標準ACL(アクセス制御リスト)と拡張ACLの設計と設定を行うことができる
11週 ネットワーキング技術Ⅱ(3)
名前付きACLの設定
標準ACLと拡張ACLの設計と設定を行うことができる
12週 ネットワーキング技術Ⅱ(4)
VLAN間ACLの設定
VLAN間トラフィックのアクセス制御の設定を行うことができる
13週 ネットワーキング技術Ⅱ(5)
OSPFルーティングの利用
OSPFのルータIDの決定と,代表ルータ(DR)とバックアップ代表ルータ(BDR)の決定を確認することができる
14週 ネットワーキング技術Ⅱ(6)
マルチエリアOSPFルーティングの利用
OSPFのデフォルトルートの設定と集約の設定を行うことができる
15週 ネットワーキング技術Ⅱ(7)
まとめ,発表会
実習についてのまとめと適切なプレゼンテーションが行える
16週 ふり返り ふり返りを行い,今後の実験・卒業研究などへの取り組みに活かすことができる

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理実験物理実験波に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。4後5,後6,後7,後8
電磁気に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。4後2,後3,後4,後8
電子・原子に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。4前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8
工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。4前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前10,前11,前12,前14,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。4前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前10,前11,前12,前14,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。4前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。4前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前15,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後15
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。4前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前15,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後15
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。4前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前10,前11,前12,前14,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。4前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前10,前11,前12,前14,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。4前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前10,前11,前12,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14
専門的能力分野別の専門工学情報系分野情報通信ネットワークネットワークを構成するコンポーネントの基本的な設定内容について説明できる。4前9,前10,前12,前13,前14,後9,後10,後11,後12,後13,後14
基本的なルーティング技術について説明できる。4前11,前12,前13,前14,後9,後12,後13,後14
基本的なフィルタリング技術について説明できる。4後10,後11,後12
その他の学習内容少なくとも一つの具体的なコンピュータシステムについて、起動・終了やファイル操作など、基本的操作が行える。4前8,前15,後8,後15
少なくとも一つの具体的なオフィススイート等を使って、文書作成や図表作成ができ、報告書やプレゼンテーション資料を作成できる。4前8,前15,後8,後15
分野別の工学実験・実習能力電気・電子系分野【実験・実習能力】電気・電子系【実験実習】増幅回路等(トランジスタ、オペアンプ)の動作に関する実験結果を考察できる。4前2,前3,前4,前5,前6,前7
論理回路の動作について実験結果を考察できる。4前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8
ダイオードの電気的特性の測定法を習得し、その実験結果を考察できる。4前2,前3,前4
トランジスタの電気的特性の測定法を習得し、その実験結果を考察できる。4前2,前3,前4
ディジタルICの使用方法を習得する。4前2,前3,前4,前5,前6,前7
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能グループワーク、ワークショップ等の特定の合意形成の方法を実践できる。4前2,前3,前4,前5,前6,前7,前10,前11,前12,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14
目的や対象者に応じて適切なツールや手法を用いて正しく情報発信(プレゼンテーション)できる。4前8,前15,後8,後15
あるべき姿と現状との差異(課題)を認識するための情報収集ができる4前12
課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。4前12
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。4前12,前16,後16
態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。4前2,前3,前4,前5,前6,前7,前10,前11,前12,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。4前2,前3,前4,前5,前6,前7,前10,前11,前12,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14
チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。4前2,前3,前4,前5,前6,前7,前10,前11,前12,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。4前2,前3,前4,前5,前6,前7,前10,前11,前12,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。4前2,前3,前4,前5,前6,前7,前10,前12,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。4前2,前3,前4,前5,前6,前7,前10,前12,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14

評価割合

(前期 電子回路)プレゼン・報告書(前期 ネットワーキング技術Ⅰ)プレゼン・報告書(後期 電磁波工学,高周波回路)プレゼン・報告書(後期 ネットワーキング技術Ⅱ)プレゼン・報告書合計
総合評価割合25252525100
基礎的能力1010101040
専門的能力1010101040
分野横断的能力555520