電磁気学

科目基礎情報

学校 仙台高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 電磁気学
科目番号 0056 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 情報ネットワーク工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 「電磁気学」, 著者名 宇野亨,白井宏 (共著), 発行所 コロナ社
担当教員 岩井 克全

到達目標

電磁気学にかかわる物理量の定義及び法則を正しく理解し,電磁気現象を正しく把握できる。それに基づき電磁気の問題を解決でき,さらにそれを簡単な問題に応用できるようにする。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1電磁気の基礎問題を本および授業ノートを参照しないで解決することができる。電磁気の基礎問題を本および授業ノートを参照することで解決することができる。電磁気の基礎問題を本および授業ノートを見ても解決することができない。
評価項目2
評価項目3

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
本講義ではまず電磁気学で重要な役割を担うベクトル解析,線・面・体積積分,微分方程式と波動論など数学的な計算力を簡潔に解説する。それから目に見えない電界と磁界の概念を導入し,ベクトル解析など数学知識に基づき電磁気学の重要な概念,法則,現象などの定性的かつ定量的に理解する。そこで,クーロンの法則に基づく静電界と力,ガウスの法則に基づく電界,電位等,アンペアの法則とビオ・サバールの法則に基づく磁界,磁界中の電流(電荷)に作用する力等について学習し,電磁気学の「静電気」と「静磁気」における諸現象の理論的な理解を深める。また,時間的に変化する磁界と電界の振る舞いを学び,変位電流と物質中のマクスウェルの方程式を導出し,電磁波伝搬などの電磁界現象を説明する。
授業の進め方・方法:
・座学と練習で組み合わせで進み、また小テストで理解度を確認する。
・この科目は学修単位科目のため、事前・事後学習としてレポートを実施する。
注意点:
・3学年の物理IIの内容は既知とする。
・ベクトル解析,線・面・体積積分,微分方程式と波動論を予習または復習すること。
・テキストを自分でしっかり読んで予習・復習する習慣を養うこと。
・数式を暗記するのではなく,その意味を視覚的にとらえることにより確実に理解し,物理現象との対応を確認する習慣をつけること。
・電磁気学に関する概略を理解できるように努めること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ベクトル解析の基礎・ベクトルの表示・ベクトルの加減 ベクトルの表示・ベクトルの加減ができる。
2週 ベクトル解析の基礎・ベクトルの積 ベクトルの積を求めることができる。
3週 勾配 (gradient) 勾配について理解する。
4週 電界の強さと電位の関係 クーロンの法則を理解する。電位の定義を理解する。
5週 発散 (divergence) 発散について理解する。
6週 回転 (rotation) 回転について理解する。
7週 ストークスの定理・ガウスの法則 ストークスの定理とガウスの法則を理解する。
8週 ファラデーの電磁誘導の法則
ファラデーの電磁誘導の法則を理解する。
2ndQ
9週 ビオ・サバールの法則 ビオ・サバールの法則を理解する。
10週 インダクタンス 自己誘導と自己インダクタンス・相互誘導と相互インダクタンスについて理解する。
11週 インダクタンスの接続 インダクタンスを直列および並列に接続したときの合成インピーダンスを計算できる。
12週 アンペアの周回積分の法則・変位電流 アンペアの周回積分の法則と変位電流について理解する。
13週 マクスウェルの方程式 マクスウェルの方程式の基本的な意味を理解する。
14週 電磁波 電磁波の伝搬の基礎について理解する。
15週 期末試験
16週 期末試験のテスト返却と解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学ベクトルの定義を理解し、ベクトルの基本的な計算(和・差・定数倍)ができ、大きさを求めることができる。3前1
平面および空間ベクトルの成分表示ができ、成分表示を利用して簡単な計算ができる。3前1,前2
平面および空間ベクトルの内積を求めることができる。3前2
問題を解くために、ベクトルの平行・垂直条件を利用することができる。3前2
自然科学物理力学速度と加速度の概念を説明できる。3前1
直線および平面運動において、2物体の相対速度、合成速度を求めることができる。3前1
等加速度直線運動の公式を用いて、物体の座標、時間、速度に関する計算ができる。3前1
平面内を移動する質点の運動を位置ベクトルの変化として扱うことができる。3前4
物体の変位、速度、加速度を微分・積分を用いて相互に計算することができる。3前1
平均の速度、平均の加速度を計算することができる。3前1
自由落下、及び鉛直投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。3前1
水平投射、及び斜方投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。3前1
物体に作用する力を図示することができる。3前1
力の合成と分解をすることができる。3前1
重力、抗力、張力、圧力について説明できる。3前1
フックの法則を用いて、弾性力の大きさを求めることができる。3前1
質点にはたらく力のつりあいの問題を解くことができる。3前1
慣性の法則について説明できる。3前1
作用と反作用の関係について、具体例を挙げて説明できる。3前1
運動方程式を用いた計算ができる。3前4
簡単な運動について微分方程式の形で運動方程式を立て、初期値問題として解くことができる。3前1
運動の法則について説明できる。3前1
静止摩擦力がはたらいている場合の力のつりあいについて説明できる。3前1
最大摩擦力に関する計算ができる。3前1
動摩擦力に関する計算ができる。3前1
仕事と仕事率に関する計算ができる。3前4
物体の運動エネルギーに関する計算ができる。3前4
重力による位置エネルギーに関する計算ができる。3前4
弾性力による位置エネルギーに関する計算ができる。3前4
力学的エネルギー保存則を様々な物理量の計算に利用できる。3前4
物体の質量と速度から運動量を求めることができる。3前1
運動量の差が力積に等しいことを利用して、様々な物理量の計算ができる。3前1
運動量保存則を様々な物理量の計算に利用できる。3前1
周期、振動数など単振動を特徴づける諸量を求めることができる。3前1
単振動における変位、速度、加速度、力の関係を説明できる。3前1
等速円運動をする物体の速度、角速度、加速度、向心力に関する計算ができる。3前1
万有引力の法則から物体間にはたらく万有引力を求めることができる.3前4
万有引力による位置エネルギーに関する計算ができる。3前4
力のモーメントを求めることができる。3前1
角運動量を求めることができる。3前1
角運動量保存則について具体的な例を挙げて説明できる。3前1
剛体における力のつり合いに関する計算ができる。3前1
重心に関する計算ができる。3前1
一様な棒などの簡単な形状に対する慣性モーメントを求めることができる。3前1
剛体の回転運動について、回転の運動方程式を立てて解くことができる。3前1
波動波の振幅、波長、周期、振動数、速さについて説明できる。3前14
電気電場・電位について説明できる。4前4
クーロンの法則が説明できる。4前4
クーロンの法則から、点電荷の間にはたらく静電気力を求めることができる。4前4
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電磁気電荷及びクーロンの法則を説明でき、点電荷に働く力等を計算できる。4前4
電界、電位、電気力線、電束を説明でき、これらを用いた計算ができる。4前4
ガウスの法則を説明でき、電界の計算に用いることができる。4前7
導体の性質を説明でき、導体表面の電荷密度や電界などを計算できる。4前4
誘電体と分極及び電束密度を説明できる。4前5
静電容量を説明でき、平行平板コンデンサ等の静電容量を計算できる。4前7
コンデンサの直列接続、並列接続を説明し、その合成静電容量を計算できる。4前7
静電エネルギーを説明できる。4前7
磁性体と磁化及び磁束密度を説明できる。4前8
電流が作る磁界をビオ・サバールの法則を用いて計算できる。4前9
電流が作る磁界をアンペールの法則を用いて計算できる。4前12
磁界中の電流に作用する力を説明できる。4前11
ローレンツ力を説明できる。4前11
磁気エネルギーを説明できる。4前11
電磁誘導を説明でき、誘導起電力を計算できる。4前8
自己誘導と相互誘導を説明できる。4前10
自己インダクタンス及び相互インダクタンスを求めることができる。4前10

評価割合

試験レポート小テスト合計
総合評価割合404020100
基礎的能力002020
専門的能力4040080