情報ネットワーク基礎実験

科目基礎情報

学校 仙台高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 情報ネットワーク基礎実験
科目番号 0059 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 情報ネットワーク工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 4
教科書/教材 必要に応じて配布する。
担当教員 今井 裕司,岩井 克全,袁 巧微,奥村 俊昭,衣川 昌宏,佐藤 公男,鈴木 哲,千葉 慎二,速水 健一,平塚 眞彦,藤原 和彦,矢島 邦昭,脇山 俊一郎

到達目標

(1) 自主的・自律的に行動し,実習を計画的に進められる。
(2) これまでの学習内容をもとに,応用的技術に関する知識や技術を身につける。
(3) 簡潔で視覚的表現も考慮したプレゼンテーション資料を作成することができる。
(4) 論理的で説得力のあるプレゼンテーションを行うことができる。
(5) 正しい日本語で論理的にまとめられた報告書を作成できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
自主性と計画性自主的・自律的に行動し,与えられたテーマに基づき学習・実習を計画的に進めることができる。自主的・自律的・計画的な行動・実習ができる。自主的・自律的・計画的な行動・実習ができない。
プレゼンテーション簡潔かつ視覚的表現を考慮したプレゼンテーション資料を作成でき,論理的で説得力のあるプレゼンテーションを行うとともに,適切な質疑応答をすることができる。簡潔かつ視覚的表現を考慮したプレゼンテーション資料を作成でき,論理的で説得力のあるプレゼンテーションを行うことができる。簡潔かつ視覚的表現を考慮したプレゼンテーション資料を作成できない,あるいは論理的で説得力のあるプレゼンテーションを行うことができない。
報告書正しい日本語で論理的にまとめられ,わかりやすい報告書を作成できる。正しい日本語で論理的にまとめられた報告書を作成できる。正しい日本語で論理的にまとめられた報告書を作成できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 1 通信機器や情報通信システム構築に必要なハードウェア・ソフトウェアの知識と技術の習得
学習・教育到達度目標 2 コンピュータネットワークを設計・構築・運用できる知識と技術の習得
学習・教育到達度目標 3 無線設備の構築・運用ができる知識と技術の習得

教育方法等

概要:
これまでの各教科で学習してきた知識や経験をもとに,卒業研究につながる応用的技術についての知識と技術を習得する。学生が自ら積極的に実習に取り組むことで自主性・計画性を身に付ける。
授業の進め方・方法:
クラスを3つのグループに分け,それぞれの実習テーマについて4週ずつ取り組んでいく。それぞれの実習テーマの最後には実習に関するプレゼンテーションを行い,論理的にまとまった報告書を提出する。
注意点:
座学として学んだ専門科目全般の学習を基礎に,自主性,自律性,計画性を発揮して,課題に取り組んで欲しい。
指導教員やグループのメンバーとのコミュニケーションを絶やさぬようにし,自らに課せられた責任を果たすよう努力してもらいたい。
通信工学実験ではこれまで学んだ座学の実践的な技術の習得を主とするが,情報ネットワーク基礎実験では,本学科の「電気通信技術」,「ネットワーキング技術」,「ネットワークシステム技術」の3本柱について,より深い実習を行う。関連した研究室ごとで班編成して実習を行い,卒業研究に直結するような技術の習得を目指す。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
※以降,3グループで,下記テーマA,B,Cを回す。
実験・実習に関する動機づけが行われ,関係する内容の調査が自ら行える。
2週 実習 第1期(1)
テーマA: 通信回路製作実験
オペアンプなどの増幅回路や通信回路に関する基礎的な動作原理を理解し,回路設計のための予備調査ができる。
3週 実習 第1期(2)
テーマA: 通信回路製作実験
予備調査を通じて独自に考案した通信回路の設計と構築ができる。
4週 実習 第1期(3)
テーマA: 通信回路製作実験
通信回路を構築し,デバックや増幅・通信に関する特性を評価することができる。
5週 実習 第1期(4)
テーマA: 通信回路製作実験
作製した通信回路に関する結果を考察し,レポート作成と発表の準備ができる。
6週 テーマA: 通信回路製作実験
実習発表
実習についての適切なプレゼンテーションが行える。
7週 実習 第2期(1)
テーマB: ネットワークサービス構築実験 (1)実験ネットワーク構築
3年次に学習したTCP/IP技術とルータ設定方法をもとに、実験用ネットワークを構築することができる。
8週 実習 第2期(2)
テーマB: ネットワークサービス構築実験 (2)仮想サーバプラットフォーム構築
手順書に従って、実験用ネットワーク上に仮想サーバ構築のプラットフォーム環境を構築できる。
2ndQ
9週 実習 第2期(3)
テーマB: ネットワークサービス構築実験 (3)Webサービスの実現
自分たちで調査した手順に従って、提示された要件を満たすWebサービス環境を構築できる。
10週 実習 第2期(4)
テーマB: ネットワークサービス構築実験 (4)DNSサービスの実現
自分たちで調査した手順に従って、提示された要件を満たすDNSサービス環境を構築できる。
11週 テーマB: ネットワークサービス構築実験
実習発表
構築したシステムおよびサービスに関して、構築手順や構築時のトラブルシュートによって得られた知見を資料としてまとめ、発表することができる。
12週 実習 第3期(1)
テーマC: ソフトウェア基礎実験
画像データの仕組みを理解し,画像ファイルの読み書き,画面への表示を行うことができる。
13週 実習 第3期(2)
テーマC: ソフトウェア基礎実験
画像データへのフーリエ変換の適用方法を理解し,処理結果の意味を説明できる。
14週 実習 第3期(3)
テーマC: ソフトウェア基礎実験
フーリエ変換を用いた画像平滑化処理を実現できる。
15週 実習 第3期(4)
テーマC: ソフトウェア基礎実験
フーリエ変換を用いた画像鮮鋭化処理を実現できる。
16週 テーマC: ソフトウェア基礎実験
実習発表
実習についての適切なプレゼンテーションが行える。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。4
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。4
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。4
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。4
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。4
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。4
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。4
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。4前2,前3,前4,前5,前7,前8,前9,前10,前12,前13,前14,前15
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。4前2,前3,前4,前5,前7,前8,前9,前10,前12,前13,前14,前15
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。4前2,前3,前4,前5,前7,前8,前9,前10,前12,前13,前14,前15
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。4
情報リテラシー情報リテラシー情報を適切に収集・処理・発信するための基礎的な知識を活用できる。4前6,前11,前16
情報伝達システムやインターネットの基本的な仕組みを把握している。4前7,前8,前9,前10
情報セキュリティの必要性および守るべき情報を認識している。4前7,前8,前9,前10
インターネット(SNSを含む)やコンピュータの利用における様々な脅威を認識している4前7,前8,前9,前10
インターネット(SNSを含む)やコンピュータの利用における様々な脅威に対して実践すべき対策を説明できる。4前7,前8,前9,前10
専門的能力分野別の専門工学情報系分野情報通信ネットワーク主要なサーバの構築方法を説明できる。4前7,前8,前9,前10
無線通信の仕組みと規格について説明できる。4前7,前8,前9,前10
その他の学習内容少なくとも一つの具体的なコンピュータシステムについて、起動・終了やファイル操作など、基本的操作が行える。4前2,前3,前4,前5,前7,前8,前9,前10,前12,前13,前14,前15
少なくとも一つの具体的なオフィススイート等を使って、文書作成や図表作成ができ、報告書やプレゼンテーション資料を作成できる。4前2,前3,前4,前5,前7,前8,前9,前10,前12,前13,前14,前15
少なくとも一つのメールツールとWebブラウザを使って、メールの送受信とWebブラウジングを行うことができる。4前2,前3,前4,前5,前7,前8,前9,前10,前12,前13,前14,前15
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能日本語と特定の外国語の文章を読み、その内容を把握できる。4前2,前3,前4,前5,前8,前9,前10,前12,前13,前14,前15
グループワーク、ワークショップ等の特定の合意形成の方法を実践できる。4前2,前3,前4,前5,前8,前9,前10,前12,前13,前14,前15
書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。4前2,前3,前4,前5,前7,前8,前9,前10,前12,前13,前14,前15
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。4前2,前3,前4,前5,前7,前8,前9,前10,前12,前13,前14,前15
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。4前2,前3,前4,前5,前7,前8,前9,前10,前12,前13,前14,前15
目的や対象者に応じて適切なツールや手法を用いて正しく情報発信(プレゼンテーション)できる。4前6,前11,前16
あるべき姿と現状との差異(課題)を認識するための情報収集ができる4前2,前3,前4,前5,前7,前8,前9,前10,前12,前13,前14,前15
課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。4前2,前3,前4,前5,前7,前8,前9,前10,前12,前13,前14,前15
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。4前2,前3,前4,前5,前7,前8,前9,前10,前12,前13,前14,前15
態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。4前2,前3,前4,前5,前7,前8,前9,前10,前12,前13,前14,前15
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。4前2,前3,前4,前5,前7,前8,前9,前10,前12,前13,前14,前15
目標の実現に向けて計画ができる。4前2,前3,前4,前5,前7,前8,前9,前10,前12,前13,前14,前15
目標の実現に向けて自らを律して行動できる。4前2,前3,前4,前5,前7,前8,前9,前10,前12,前13,前14,前15
チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。4前2,前3,前4,前5,前7,前8,前9,前10,前12,前13,前14,前15
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。4前2,前3,前4,前5,前7,前8,前9,前10,前12,前13,前14,前15
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。4前2,前3,前4,前5,前7,前8,前9,前10,前12,前13,前14,前15
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。4前2,前3,前4,前5,前7,前8,前9,前10,前12,前13,前14,前15
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業等でどのように活用・応用されているかを認識できる。4前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,前16
企業人として活躍するために自身に必要な能力を考えることができる。4前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,前16
コミュニケーション能力や主体性等の「社会人として備えるべき能力」の必要性を認識している。4前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,前16

評価割合

(第1期)プレゼン・報告書(第2期)プレゼン・報告書(第3期)プレゼン・報告書合計
総合評価割合343333100
基礎的能力11111133
専門的能力11111133
分野横断的能力12111134