概要:
情報通信に関する諸法令の概要を学び、法令に基づいた運用管理の基本を理解するとともに、情報通信技術者としての社会的規範や倫理観を身に付ける。
具体的には、電波法を主に取り上げ、「電波の公平、かつ能率的な利用を確保することによって、公共の福祉を増進する」という目的のもと、どのように法律が組み立てられているかを概観するとともに、主要な条文について、その背景や内容について解説する。また、有線電気通信法と電気通信事業法および情報ネットワークに関する基本法とその関連法の概要についても合わせて取り扱う。
授業の進め方・方法:
基本的には講義ベースで行う。必要に応じてレポート課題を課す。
注意点:
本科目は電波法を始めとする情報通信関連の法律について学習するものであるが、その理解には電磁波工学Ⅰ~Ⅲ、無線通信システム、通信計測などの専門科目で学習してきた情報通信関連技術についての知識・理解が不可欠である。また法律は暗記ものの側面もたしかにあるが、法全体の理解にはこれまでに専門科目の学習で培われてきた論理的な思考が大事である。技術者視点・技術者思考で通信法規の学習に当たってもらいたい。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
電気通信と法令 国際電気通信連合憲章および条約、電波法および有線電気通信法を基本法とする国内法など、電気通信に関わる各種法令とその体系の概要について学習する。
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国際法および国内法の定義とその効力を体系的に整理するとともに、主たる電気通信サービスとそれに関わる法律・資格等について説明できる。
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2週 |
電気通信と法令 国際電気通信連合憲章および条約、電波法および有線電気通信法を基本法とする国内法など、電気通信に関わる各種法令とその体系の概要について学習する。
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国際法および国内法の定義とその効力を体系的に整理するとともに、主たる電気通信サービスとそれに関わる法律・資格等について説明できる。
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3週 |
電波法の目的と構成 電波法の目的と電波法令の概要および用語の定義について学習する。 |
電波法の目的・構成・基本的用語の定義を示すことができる。
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4週 |
無線局の免許 無線局の免許制度およびその手続きについて学習する。 |
無線局の免許制度の概要および各種手続きについて説明できる。
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5週 |
無線設備 電波法における無線設備の構成とそれらに要求される技術的要件について学習する。 |
電波の質、電波の形式とその表記、安全確保の技術的要件を示すことができる。
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6週 |
無線設備 電波法における無線設備の構成とそれらに要求される技術的要件について学習する。 |
電波の質、電波の形式とその表記、安全確保の技術的要件を示すことができる。
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7週 |
中間試験 |
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8週 |
無線従事者 無線従事者の資格制度および無線設備の操作・監督の範囲等について学習する。 |
無線従事者の資格の区分とそれらの操作・監督の範囲、無線従事者の免許の要件や免許証の取り扱いについて示すことができる。
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2ndQ |
9週 |
無線従事者 無線従事者の資格制度および無線設備の操作・監督の範囲等について学習する。 |
無線従事者の資格の区分とそれらの操作・監督の範囲、無線従事者の免許の要件や免許証の取り扱いについて示すことができる。
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10週 |
運用 無線局の運用に関する規則および一般通信方法ならびに非常通信について学習する。 |
無線局の運用に際し遵守すべき事項、一般的な通信方法の手順、非常通信の定義とその取扱いについて示すことができる。
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11週 |
運用 無線局の運用に関する規則および一般通信方法ならびに非常通信について学習する。 |
無線局の運用に際し遵守すべき事項、一般的な通信方法の手順、非常通信の定義とその取扱いについて示すことができる。
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12週 |
監督 電波の利用秩序の維持や公益上の必要のため、無線局の免許人や無線従事者に対して行われる行政上の命令等について学習する。 |
電波の発射の停止、無線局の検査、無線局および無線従事者の免許の取り消し等について説明できる。
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13週 |
有線電気通信法と電気通信事業法 電気通信主任技術者資格で必要となる有線電気通信法と電気通信事業法の概要について学習する。 |
2つの法律の目的と用語の定義を示すことができる。
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14週 |
IT基本法と関連法 情報ネットワークに関する基本法とその関連法の概要について学習する。 |
法律の目的と概要を示すことができる。
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15週 |
期末試験 |
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16週 |
期末試験の返却 |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 工学基礎 | 技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史 | 技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史 | 技術者の社会的責任、社会規範や法令を守ること、企業内の法令順守(コンプライアンス)の重要性について説明できる。 | 4 | 前10,前11 |
技術者を目指す者として、諸外国の文化・慣習などを尊重し、それぞれの国や地域に適用される関係法令を守ることの重要性を把握している。 | 4 | 前1,前2 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 電気・電子系分野 | 計測 | SI単位系における基本単位と組立単位について説明できる。 | 3 | |
情報系分野 | 情報通信ネットワーク | 無線通信の仕組みと規格について説明できる。 | 4 | 前1,前2,前3,前4,前5,前6,前8,前9,前10,前11,前12,前14 |
有線通信の仕組みと規格について説明できる。 | 4 | 前13,前14 |
分野横断的能力 | 態度・志向性(人間力) | 態度・志向性 | 態度・志向性 | 法令やルールを遵守した行動をとれる。 | 4 | 前1,前2,前3,前4,前5,前6,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14 |
技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を認識し、技術者が社会に負っている責任を挙げることができる。 | 4 | 前8,前9 |