マイクロコンピュータ基礎

科目基礎情報

学校 仙台高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 マイクロコンピュータ基礎
科目番号 0209 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 情報ネットワーク工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 Webテキストおよび資料配布
担当教員 今井 裕司,千葉 慎二

到達目標

・コンピュータアーキテクチャを理解し,動作の仕組みを説明できるようになる。
・コンパイラの仕組みを理解し,アセンブリ言語,機械語のそれぞれについて説明できるようになる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
アセンブラによるマイクロコンピュータの動作の理解アセンブラによる簡単なプログラムを設計し,実機での動作確認ができている.アセンブラプログラムの処理の流れを,シミュレーションによって概ね説明ができている.マイクロコンピュータの基本構成,数値表現,論理演算を理解できていない.
C言語によるプログラミングの理解課題に対して適切なマイコンの機能を使用したプログラムの設計が概ねて来ている.GPIO,割込み,タイマを使った簡単なプログラムの設計が概ねできている.論理演算子を用いたビット処理,レジスタの概念が理解できていない.
センサ計測システムの設計に関する理解複数センサを用いた計測システムのプログラムを設計し,実機での動作確認が概ねできている.ADCやシリアル通信を用いてマイクロコンピュータと他機器と連携したシステムプログラムの設計が概ねできている.AD変換の仕組み,センサの動作原理について理解できていない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
マイクロコンピュータの構成と基本動作,数値の表現を学習する。また,データの移動,数値演算,論理演算,入出力などの命令の動作および処理手順についてアセンブリ言語を用いて学習する。C言語と汎用マイコンボードを用いた実習を通じて,様々なシステムへのマイコンの応用に必要な基本機能(GPIO,割込み,タイマ)を学習する。更にセンサ計測,通信へのマイコンの応用についても実習を通して学習する。
授業の進め方・方法:
定期試験の成績とレポートをおよそ3:2 の割合で評価する。ただし,合格にはすべての課題終了を条件とする。
注意点:
本科目は,プログラム基礎,ディジタル技術基礎,組み込みシステムと関連する。
一般的なコンピュータの仕組みに関する知識を学習し,計測・制御するすべを習得する授業のため,他の情報処理に関する科目に通ずる授業であり重要である。前半はアセンブリ言語によるプログラミングを通してマイコンのハードウェアとソフトウェアの関係について理解し,C言語によるプログラミングを用いたマイコンの基本的な使用方法について学習する。後半はマイコンによる計測,制御,通信を行うプログラムについて学習をする。本科目では前年度に学習したC言語の理解が必要となるので,プログラミング基礎の知識を復習しておくこと。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
マイクロコンピュータの概要
AVRマイクロプロセッサの構成
マイクロコンピュータの基本構成を理解できる。
ALU,アドレスデコーダなどの動作が説明できる。
AVRの構成を理解できる。
AVRの持つ機能を説明できる。
2週 計算機上での数の表現
アセンブラによるプログラミング基礎
計算機上で用いられる数値表現を理解できる。
補数表現などの数値表現を計算できる。
アセンブラによる基礎的なプログラムを理解できる。
3週 シミュレータによるプログラム動作の確認 シミュレータの使い方,結果の確認方法について理解できる。
4週 カメレオンボードの使い方
C言語によるプログラミング開発環境の理解
カメレオンボードにソフトウェア情報を書き込める。
カメレオンボードで動作可能なC言語プログラムの開発環境を利用できる。
5週 GPIO GPIOによるディジタル信号の入出力の記述ができる。
6週 割込み プログラムに割込み処理を記述できる。
7週 タイマ プログラムにタイマ処理を記述できる。
8週 ADC プログラムにADC処理を記述できる。
2ndQ
9週 センサ回路 様々なセンサの特徴と計測回路を理解できる。
10週 センサ計測プログラム実習1 センサによる計測プログラムを記述できる。
11週 センサ計測プログラム実習2 センサによる計測プログラムを記述できる。
12週 シリアル通信 シリアル通信のプログラムを記述でき,他の通信デバイスとの情報交換ができる。
13週 総合実習I
センサ計測,モーター制御,シリアル通信を組み合わせたシステムのプログラムを記述できる。
14週 総合実習II センサ計測,モーター制御,シリアル通信を組み合わせたシステムのプログラムを記述できる。
15週 総合実習III センサ計測,モーター制御,シリアル通信を組み合わせたシステムのプログラムを記述できる。
16週
後期
3rdQ
1週
2週
3週
4週
5週
6週
7週
8週
4thQ
9週
10週
11週
12週
13週
14週
15週
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学情報系分野プログラミング変数とデータ型の概念を説明できる。4前4
代入や演算子の概念を理解し、式を記述できる。4前4
制御構造の概念を理解し、条件分岐や反復処理を記述できる。4前4
プロシージャ(または、関数、サブルーチンなど)の概念を理解し、これらを含むプログラムを記述できる。4前4
与えられた問題に対して、それを解決するためのソースプログラムを記述できる。4前5
ソフトウェア生成に必要なツールを使い、ソースプログラムをロードモジュールに変換して実行できる。4前5
主要な言語処理プロセッサの種類と特徴を説明できる。2前1
ソフトウェア開発に利用する標準的なツールの種類と機能を説明できる。3前5
要求仕様に従って、標準的な手法により実行効率を考慮したプログラムを設計できる。3前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15
ソフトウェアアルゴリズムの概念を説明できる。3前5
与えられたアルゴリズムが問題を解決していく過程を説明できる。3前5
同一の問題に対し、それを解決できる複数のアルゴリズムが存在しうることを説明できる。3前6
コンピュータ内部でデータを表現する方法(データ構造)にはバリエーションがあることを説明できる。3前3
同一の問題に対し、選択したデータ構造によってアルゴリズムが変化しうることを説明できる。3前3
リスト構造、スタック、キュー、木構造などの基本的なデータ構造の概念と操作を説明できる。3前3
ソフトウェアを中心としたシステム開発のプロセスを説明できる。2前9
計算機工学整数・小数を2進数、10進数、16進数で表現できる。4前2
整数・小数をコンピュータのメモリ上でディジタル表現する方法を説明できる。1前2
基数が異なる数の間で相互に変換できる。4前2
基本的な論理演算を行うことができる。3前2
基本的な論理演算を組合わせて、論理関数を論理式として表現できる。3前2
論理式の簡単化の概念を説明できる。3前2
レジスタやカウンタなどの基本的な順序回路の動作について説明できる。3前3,前7
コンピュータを構成する基本的な要素の役割とこれらの間でのデータの流れを説明できる。3前3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合602000020100
基礎的能力35100001055
専門的能力25100001045
分野横断的能力0000000