電子回路基礎

科目基礎情報

学校 仙台高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 電子回路基礎
科目番号 0210 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 情報ネットワーク工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 「入門電子回路」 家村道雄 監修(オーム社)
担当教員 鈴木 哲

到達目標

・ ダイオード,トランジスタの基本動作を理解し,等価回路等を説明できる。
・ 増幅回路の基礎を理解し,動作量等を計算できる。
・ エミッタ接地増幅回路の動作点を求め、増幅度を計算できる。
・ エミッタホロアの特徴、利点を理解できる。
・ CR結合2段増幅回路の動作点、増幅度を求めることができる。
・ 直接結合2段増幅回路の動作点、増幅度を求めることができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1非線形性、周波数特性などを十分に理解して、増幅特性を説明できる。トランジスタの基本動作、動作特性、等価回路が理解できる。トランジスタの基本動作が理解できていない。
評価項目2エミッタ接地増幅回路の動作点を求め、増幅度を計算できる。エミッタ接地増幅回路の動作点を求めることができる。エミッタ接地増幅回路の動作点を求めることができない。
評価項目3CR結合、および直接結合2段増幅回路の動作点、増幅度を求めることができる。CR結合2段増幅回路の動作点、増幅度を求めることができる。CR結合2段増幅回路の動作点、増幅度を求めることができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
電子回路の基礎として,非線形性を有する半導体素子の動作原理,ダイオードを含む回路の動作,トランジスタによる増幅回路の電圧・電流増幅度,hパラメータを用いた等価回路の電圧・電流増幅度・入出力抵抗の計算法,増幅度と利得の関係,低周波小信号増幅回路などについて学習する。
授業の進め方・方法:
2年時の電気回路で学んだ回路解析手法をベースにして講義をすすめる。必要に応じて繰り返し演習や復習をしながら学習を進める。電流が流れる直,並列回路について,電流,電圧とインピーダンスの関係をしっかり理解出来るように丁寧に解説する。
注意点:
pn接合ダイオードやバイポーラトランジスタは非線形素子であるため,回路をモデル化するとともに,その動作を物理的に理解するよう心がけることが大切である。
回路の解析においては,直流と交流信号とで分けて考える事,周波数で分けて考える事,等価回路を適切に用いて考える事など,演習問題を通して,十分に理解するように心がけて欲しい。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 半導体の性質 原子構造と半導体の関係を理解できる 。
2週 pn接合ダイオードとその特性 、pn接合ダイオードとその電圧電流特性 n型とp型半導体のついて理解できる。
3週 簡単なダイオード回路 pn接合ダイオードの電圧電流特性を理解できる。
4週 定電圧ダイオードと発光ダイオード ダイオードを含む回路の電圧電流特性を理解できる。
5週 トランジスタの基本回路 トランジスタの基本的性質について理解できる。
6週 トランジスタの種類と動作原理 トランジスタ内部のキャリアの動作が理解できる。
7週 中間試験
8週 答案返却と解説
2ndQ
9週 トランジスタ回路の接地方式 トランジスタの基本回路において,各端子と電圧−電流の関係を理解できる。
10週 トランジスタの静特性とhパラメータ トランジスタの静特性について理解できる。
11週 トランジスタの増幅作用 hパラメータについて理解できる。
12週 直流回路の特性 トランジスタの増幅原理について理解できる。
13週 正弦波交流の周波数と位相
交流信号の周波数,位相の概念を理解できる。
14週 バイアス電圧と増幅特性 直流バイアスと動作点、および増幅特性を理解できる。
15週 期末試験
16週 答案返却と解説
後期
3rdQ
1週 電流増幅作用と電圧増幅作用 電流増幅率、電圧増幅率が理解できる。
2週 等価回路 hパラメータを用いた等価回路をかける。
3週 トランジスタのバイアス回路 ベースに直流バイアスが無いとコレクタ電流が流れない事が理解できる。
4週 固定バイアス回路と自己バイアス回路
バイアスの方法を理解できる。
5週 電流帰還バイアス回路
帰還によってバイアスが安定することを理解できる。
6週 直流負荷線と交流負荷線 負荷線の概念と動作点の関係を理解できる。
7週 後期中間試験
8週 答案返却と解説
4thQ
9週 トランジスタ増幅回路の等価回路 等価回路を用いて、増幅度を求められる。
10週 hパラメータと等価回路 hパラメータを用いて等価回路がかける。
11週 CR結合増幅回路 結合コンデンサ、バイパスコンデンサの役割を理解できる。
12週 2段CR結合増幅回路 2段増幅器の電圧増幅度の計算ができる。
13週 直接結合増幅回路 直接結合回路の直流バイアスを理解し、動作点を求められる。
14週 差動増幅回路 差動増幅器の特徴と、増幅動作を理解できる。
15週 期末試験
16週 答案返却と解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電気回路電荷と電流、電圧を説明できる。2
オームの法則を説明し、電流・電圧・抵抗の計算ができる。3
キルヒホッフの法則を用いて、直流回路の計算ができる。2
合成抵抗や分圧・分流の考え方を用いて、直流回路の計算ができる。3
重ねの理を説明し、直流回路の計算に用いることができる。3
ブリッジ回路を計算し、平衡条件を求められる。3
電力量と電力を説明し、これらを計算できる。3
正弦波交流の特徴を説明し、周波数や位相などを計算できる。2
平均値と実効値を説明し、これらを計算できる。2
正弦波交流のフェーザ表示を説明できる。2
R、L、C素子における正弦波電圧と電流の関係を説明できる。2
瞬時値を用いて、簡単な交流回路の計算ができる。3
フェーザを用いて、簡単な交流回路の計算ができる。3
インピーダンスとアドミタンスを説明し、これらを計算できる。3
正弦波交流の複素表示を説明し、これを交流回路の計算に用いることができる。3
キルヒホッフの法則を用いて、交流回路の計算ができる。3
合成インピーダンスや分圧・分流の考え方を用いて、交流回路の計算ができる。3
重ねの理やテブナンの定理等を説明し、これらを交流回路の計算に用いることができる。3
直列共振回路と並列共振回路の計算ができる。3
理想変成器を説明できる。3
電子回路ダイオードの特徴を説明できる。2
バイポーラトランジスタの特徴と等価回路を説明できる。2
FETの特徴と等価回路を説明できる。2
利得、周波数帯域、入力・出力インピーダンス等の増幅回路の基礎事項を説明できる。2
トランジスタ増幅器のバイアス供給方法を説明できる。2

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合603010000100
基礎的能力40201000070
専門的能力2010000030
分野横断的能力0000000