ICTシステム

科目基礎情報

学校 仙台高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 ICTシステム
科目番号 0250 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 情報ネットワーク工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 webテキストを用いる
担当教員 千葉 慎二

到達目標

 組込みシステムの概要を理解し、ネットワークへの応用による機能拡張について理解する。Androidアプリケーション開発やクラウドの利用について理解し、簡単なセンサーネットワークシステムの設計・実装が行えるようになることを目指す。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
Javaプログラミングの理解適切なクラスを設計し,オブジェクト指向プログラミングが概ねできている.簡単なクラスのプログラムが記述できている.クラス,オブジェクト,アクセシビリティ等のオブジェクト指向プログラムの基礎概念が理解できていない.
Androidプログラミングの理解インテントやサービスを活用したアプリケーション開発が概ねできている.単一アクティビティのシンプルなアプリケーションの開発は概ねできている.アクティビティ,インテント,サービス等のAndroidプログラミングの基礎概念が理解できていない.
センサネットワークシステム開発の理解センサネットワークに関する課題解決をグループの一員として取り組み,システムの改良を実施することが概ねできている.Bluetoothによるセンサデバイスとの通信,クラウドシステムとの連携のためのプログラミングについて理解し,ある程度の設計ができている.対象とするセンサネットワークシステムの構成や仕組みについて理解できていない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 1 通信機器や情報通信システム構築に必要なハードウェア・ソフトウェアの知識と技術の習得

教育方法等

概要:
3学年の「マイクロコンピュータ基礎」、「ディジタルシステム技術」、4学年前期の「電子回路B」をベースに、組込みシステムの概要を理解し、ネットワークを活用した場合の機能の広がりについて理解する。さらに,センサ計測の原理、Androidアプリケーション開発手法、クラウドアプリケーション開発手法を学習し、組込みシステム、Android機器、クラウドを組み合わせた簡易的なセンサーネットワークを設計・実装できることを目指す。
授業の進め方・方法:
授業内で実施する演習・実習(50%)と期末試験(50%)で評価する。
注意点:
本授業は座学での講義とそれに関連する演習・実習を適時併用しながら進めていく。組込みシステムはソフトウェアとハードウェアの関連性を理解することが重要なので、これまでに学習してきたプログラミング、電気・電子回路、ディジタル回路の内容を復習するなどして授業に臨むこと。本授業では組込みシステムの中でもネットワークと関連する技術に焦点をあてているので、ネットワーク技術を取り入れやすいAndroidを授業に取り入れている。またクラウドについてもアプリケーションでの利用方法について学習をする。本授業で使用する開発ツールは無償で準備できるので、自宅等で開発環境を用意できる者は予習復習に開発ツールを活用することが望ましい。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 組込みシステムとネットワーク 組込みシステムの概要とネットワークの利用を理解できる。
2週 Javaプログラミング基礎 ・クラス,オブジェクトについて理解できる。
・アクセシビリティについて理解できる。
3週 Javaプログラミング基礎 ・継承,汎化について理解できる。
・インターフェイスについて理解できる。
4週 Javaプログラミング基礎 ・Javaによるオブジェクト指向プログラミングができる。
5週 Androidアプリケーション開発 ・Androidのアーキテクチャの概要を理解できる。
6週 Androidアプリケーション開発 ・Androidアプリケーションの構成要素(アクティビティ,サービス,ブロードキャスト,コンテントプロバイダ,インテント)の概念を理解できる。
7週 Androidアプリケーション開発 ・単一画面のアプリケーション開発ができる。
8週 クラウドを活用したプログラミング ・クラウドの概要を理解できる。
4thQ
9週 クラウドを活用したプログラミング ・WebAPIの使い方を理解できる。
10週 クラウドを活用したプログラミング ・WebAPIを活用したAndroidアプリケーションが開発できる。
11週 センサーネットワーク開発実習 ・組込みボードによるセンサ測定の概要を理解できる。
12週 センサーネットワーク開発実習 ・Android機器と組込みボードのインターフェイスの仕組みを理解できる。
13週 センサーネットワーク開発実習 ・組込みボード,Android機器,クラウドを組み合わせたセンサネットワークシステムの原理を理解し,応用システムの開発を行うことができる。
14週 センサーネットワーク開発実習 ・組込みボード,Android機器,クラウドを組み合わせたセンサネットワークシステムの原理を理解し,応用システムの開発を行うことができる。
15週 センサーネットワーク開発実習 ・組込みボード,Android機器,クラウドを組み合わせたセンサネットワークシステムの原理を理解し,応用システムの開発を行うことができる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学情報系分野プログラミングソフトウェア開発に利用する標準的なツールの種類と機能を説明できる。4後9
要求仕様に従って、いずれかの手法により動作するプログラムを設計することができる。4後4,後7
要求仕様に従って、いずれかの手法により動作するプログラムを実装することができる。4後4,後7
ソフトウェアアルゴリズムの概念を説明できる。3
与えられたアルゴリズムが問題を解決していく過程を説明できる。3
同一の問題に対し、それを解決できる複数のアルゴリズムが存在しうることを説明できる。3
整列、探索など、基本的なアルゴリズムについて説明できる。3
コンピュータ内部でデータを表現する方法(データ構造)にはバリエーションがあることを説明できる。4
同一の問題に対し、選択したデータ構造によってアルゴリズムが変化しうることを説明できる。4
リスト構造、スタック、キュー、木構造などの基本的なデータ構造の概念と操作を説明できる。3
ソフトウェアを中心としたシステム開発のプロセスを説明できる。4
計算機工学要求仕様に従って、標準的なプログラマブルデバイスやマイコンを用いたシステムを構成することができる。4後13,後14,後15
コンピュータシステムネットワークコンピューティングや組込みシステムなど、実用に供せられているコンピュータシステムの利用形態について説明できる。4後12
システムプログラムコンピュータシステムにおけるオペレーティングシステムの位置づけを説明できる。3
プロセス管理やスケジューリングなどCPUの仮想化について説明できる。3
分野別の工学実験・実習能力情報系分野【実験・実習能力】情報系【実験・実習】論理回路などハードウェアを制御するのに最低限必要な電気電子測定ができる。4後13,後14,後15
要求仕様に従って標準的な手法によりプログラムを設計し、適切な実行結果を得ることができる。4後7,後10

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合503000020100
基礎的能力405000550
専門的能力10200001040
分野横断的能力05000510