到達目標
・実用に供せられているものを中心に,コンピュータシステムの各種形態を理解していること
・オペレーティングシステムの目的について説明できる
・CPUの仮想化,プロセス,主記憶管理,ファイルシステムについて説明できる
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
コンピュータシステム | 実用に供せられているものを中心に,コンピュータシステムの各種形態を理解し,その応用について説明できる | 実用に供せられているものを中心に,コンピュータシステムの各種形態を理解している
| 実用に供せられているものを中心に,コンピュータシステムの各種形態を理解できない |
オペレーティングシステム | オペレーティングシステムの目的について説明でき,オペレーティングシステムを効率よく運用する手段について説明できる | オペレーティングシステムの目的について説明できる | オペレーティングシステムの目的について説明できない |
要素技術 | CPUの仮想化,プロセス,主記憶管理,ファイルシステムについて説明でき,その応用についても説明できる | CPUの仮想化,プロセス,主記憶管理,ファイルシステムについて説明できる | CPUの仮想化,プロセス,主記憶管理,ファイルシステムについて説明できない |
学科の到達目標項目との関係
学習・教育到達度目標 1 通信機器や情報通信システム構築に必要なハードウェア・ソフトウェアの知識と技術の習得
教育方法等
概要:
オペレーティングシステムの役割と基本構成,カーネル,プロセススケジューリング,仮想メモリ・実メモリの管理,ファイル管理,入出力管理などをコンピュータアーキテクチャとともに学習する。
コンピュータシステムの基本動作を制御するソフトウェアであるオペレーティングシステムの機能と仕組みについて理解する。
授業の進め方・方法:
教科書:松尾啓志 著,「オペレーティングシステム」,森北出版
授業中に適宜資料を配布する
適宜,演習課題を課す(個人あるいはグループで行う)。課題はA4レポート用紙にて提出するものとする。グループ課題の場合は,発表を行うこともある。課題は必ず全て提出すること。期限までにどうしても完成しない場合は,どこで引っかかっているか科目担当教員へ事前に(期限前に)相談に行き,適切なアドバイスを受けること。授業中のディスカッションやワークも評価に含まれる。
注意点:
情報端末等の発達により,近年では様々なメディアを用いて情報のやり取りが行われている。この科目では何気なしに日常的に使っているコンピュータシステムのOSについて学習する。したがって,自分がよく使うOSに対して常に興味や関心を持つことが大切であり,それらはどのような技術が応用されて製品化や規格化されているかを自学自習として調査すること。
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
ガイダンス、ディスカッション |
OSとは何か説明できる OSがなぜ必要なのか説明できる
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2週 |
オペレーティングシステム序論 |
OSの目的,プロセスとジョブの意味を説明できる 処理形態の面でコンピュータシステムの分類である集中処理システムと分散処理システムについて,それぞれの特徴と代表的な例を説明できる
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3週 |
CPUの仮想化:プロセス |
プロセスの三つの状態を説明できる.割り込み処理について理解する
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4週 |
CPUの仮想化:スケジューリング |
プロセスのスケジューリング方式について説明できる
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5週 |
並行プロセス:排他制御基礎 |
リソースの競合,排他制御の基本的な手法について理解する
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6週 |
並行プロセス:セマフォア |
基本的なプロセス協調問題について理解する
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7週 |
並行プロセス:モニタ |
オブジェクト指向の考え方を排他制御に適用することを理解する
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8週 |
主記憶管理:主記憶管理基礎 |
仮想アドレス空間について説明できる
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2ndQ |
9週 |
中間試験 |
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10週 |
主記憶管理:主記憶割り当て |
マルチプログラミング環境,メモリ割り当て方式について説明できる
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11週 |
主記憶管理:ページング |
ページングシステム,メモリフラグメンテーション問題について説明できる
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12週 |
主記憶管理:セグメンテーション,ページ化セグメンテーション |
メモリのセグメンテーションについて説明できる
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13週 |
主記憶管理:仮想記憶 |
仮想記憶方式について説明できる
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14週 |
主記憶管理:ページ置き換え方式 |
静的ページ置き換えと動的ページ置き換えについて理解する
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15週 |
ファイル:ファイル基礎 ファイル:より進んだファイルシステム |
2次記憶方式について説明できる ディスクキャッシュについて説明できる ネットワークコンピューティングや組込みシステムなど,実用に供せられているコンピュータシステムの利用形態について説明できる
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16週 |
まとめ |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 情報系分野 | 計算機工学 | プロセッサを実現するために考案された主要な技術を説明できる。 | 4 | 前3,前4 |
メモリシステムを実現するために考案された主要な技術を説明できる。 | 4 | 前8,前10,前11,前12,前13,前14 |
コンピュータシステム | 処理形態の面でのコンピュータシステムの分類である集中処理システムと分散処理システムについて、それぞれの特徴と代表的な例を説明できる。 | 3 | |
集中処理システムについて、それぞれの特徴と代表的な例を説明できる。 | 4 | 前2 |
分散処理システムについて、特徴と代表的な例を説明できる。 | 4 | 前2 |
ネットワークコンピューティングや組込みシステムなど、実用に供せられているコンピュータシステムの利用形態について説明できる。 | 4 | 前15 |
デュアルシステムやマルチプロセッサシステムなど、コンピュータシステムの信頼性や機能を向上させるための代表的なシステム構成について説明できる。 | 4 | 前10 |
システムプログラム | コンピュータシステムにおけるオペレーティングシステムの位置づけを説明できる。 | 4 | 前1 |
プロセス管理やスケジューリングなどCPUの仮想化について説明できる。 | 4 | 前3,前4 |
排他制御の基本的な考え方について説明できる。 | 4 | 前5 |
記憶管理の基本的な考え方について説明できる。 | 4 | 前8 |
評価割合
| 試験 | 発表 | 相互評価 | 態度 | ポートフォリオ | 課題・その他 | 合計 |
総合評価割合 | 50 | 10 | 0 | 0 | 0 | 40 | 100 |
基礎的能力 | 20 | 5 | 0 | 0 | 0 | 15 | 40 |
専門的能力 | 20 | 0 | 0 | 0 | 0 | 15 | 35 |
分野横断的能力 | 10 | 5 | 0 | 0 | 0 | 10 | 25 |