複素関数論

科目基礎情報

学校 仙台高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 複素関数論
科目番号 0319 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 情報ネットワーク工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 【複素関数】「新応用数学」高遠節夫 他(大日本図書)
担当教員 袁 巧微

到達目標

工学の基本的問題を解決するために必要な数学の知識、計算技術および応用能力を修得させ、この知識および技術等を工学における現象面と関連づけて活用する能力を養う。具体的には複素関数に於いては,複素関数の基本的性質を理解し,複素積分を行うことができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
複素解析複素関数の基本的性質を理解し,抽象的な複素積分の計算ができる。具体的な複素積分の計算ができる。複素積分の計算ができない。

学科の到達目標項目との関係

JABEE c 数学,自然科学の知識と応用能力

教育方法等

概要:
複素関数は回路の問題や信号処理に用いられるラプラス変換の逆変換を初めとし,電磁気学,電気回路,量子力学などの物理的,工学的問題の解法に欠かせない数学的手段である。学生が将来技術者となったときに数学を理工学の道具として使えることを目的とし,第3学年までに学んできた実数上の概念を拡張し,複素関数の基本的性質の理解とその取り扱いに習熟するとともに,理工学分野への応用という観点からの理解を深めさせる。
授業の進め方・方法:
講義形式の授業(反転授業形式)である。理解を深めるために演習問題を解く機会を出来るだけ多く取るので,積極的に取り組むこと。
注意点:
本科目の学習内容は,物理学,工学分野への応用に欠かせない。第3学年までに学習したベクトル,行列,数列,級数,極限などの数学的基礎を理解し,行列式の計算,三角関数や実関数の微分・積分など基本的計算には充分習熟していることが望まれる。各自が電気回路や力学のイメージを持ちながら数式を学ぶようにするとよい。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 1. 正則関数
複素数と極形式表現
絶対値と偏角
複素数の基本的性質を理解し,2次元複素平面での極形式表現に習熟する。
2週 複素関数 複素数を変数とする関数の基本的性質を理解できる。
3週 正則関数1 正則とは何かを理解し,複素関数の導関数を求められる
4週 正則関数2 コーシー・リーマンの微分方程式の持つ意味を理解する。
5週 正則関数による写像 関数が正則な領域の概念を理解する。
6週 逆関数 正則関数の逆関数について理解する。
7週 中間試験 これまで講義された基本的事項を理解している。
8週 2. 積分
複素積分(線積分)
複素平面上で曲線を表現でき,その曲線にそった複素積分を求められる。
4thQ
9週 コーシーの積分定理 コーシーの積分定理を理解し,その応用ができる。
10週 コーシーの積分表示 コーシーの積分表示を用いて複素積分の評価ができる。
11週 数列と級数 複素数列に対する理解を深め,実数列同様の計算ができる。
12週 関数の展開 正則関数のテイラー展開ができる。
13週 孤立特異点と留数 孤立特異点について理解し留数を計算できる。
14週 留数の定理 特異点と留数定理についての基本的概念が理解できる。
15週 期末試験の返却 期末試験の答案返却と解説
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合7001001010100
基礎的能力7001001010100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000