電磁気学

科目基礎情報

学校 仙台高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 電磁気学
科目番号 0322 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 情報ネットワーク工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 「電磁気学」, 著者名 宇野亨,白井宏 (共著), 発行所 コロナ社
担当教員 岩井 克全

到達目標

電磁気学にかかわる物理量の定義及び法則を正しく理解し,電磁気現象を正しく把握できる。それに基づき電磁気の問題を解決でき,さらにそれを簡単な問題に応用できるようにする。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1電磁気の基礎問題を本および授業ノートを参照しないで解決することができる。電磁気の基礎問題を本および授業ノートを参照することで解決することができる。電磁気の基礎問題を本および授業ノートを見ても解決することができない。
評価項目2
評価項目3

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
本講義ではまず電磁気学で重要な役割を担うベクトル解析,線・面・体積積分,微分方程式と波動論など数学的な計算力を簡潔に解説する。それから目に見えない電界と磁界の概念を導入し,ベクトル解析など数学知識に基づき電磁気学の重要な概念,法則,現象などの定性的かつ定量的に理解する。そこで,クーロンの法則に基づく静電界と力,ガウスの法則に基づく電界,電位等,アンペアの法則とビオ・サバールの法則に基づく磁界,磁界中の電流(電荷)に作用する力等について学習し,電磁気学の「静電気」と「静磁気」における諸現象の理論的な理解を深める。また,時間的に変化する磁界と電界の振る舞いを学び,変位電流と物質中のマクスウェルの方程式を導出し,電磁波伝搬などの電磁界現象を説明する。
授業の進め方・方法:
座学と練習で組み合わせで進み、また小テストで理解度を確認する。
注意点:
・3学年の物理IIの内容は既知とする。
・ベクトル解析,線・面・体積積分,微分方程式と波動論を予習または復習すること。
・テキストを自分でしっかり読んで予習・復習する習慣を養うこと。
・数式を暗記するのではなく,その意味を視覚的にとらえることにより確実に理解し,物理現象との対応を確認する習慣をつけること。
・電磁気学に関する概略を理解できるように努めること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ベクトル解析の基礎・ベクトルの表示・ベクトルの加減 ベクトルの表示・ベクトルの加減ができる。
2週 ベクトル解析の基礎・ベクトルの積 ベクトルの積を求めることができる。
3週 勾配 (gradient) 勾配について理解する。
4週 電界の強さと電位の関係 クーロンの法則を理解する。電位の定義を理解する。
5週 発散 (divergence) 発散について理解する。
6週 回転 (rotation) 回転について理解する。
7週 ストークスの定理・ガウスの法則 ストークスの定理とガウスの法則を理解する。
8週 ファラデーの電磁誘導の法則
ファラデーの電磁誘導の法則を理解する。
2ndQ
9週 ビオ・サバールの法則 ビオ・サバールの法則を理解する。
10週 インダクタンス 自己誘導と自己インダクタンス・相互誘導と相互インダクタンスについて理解する。
11週 インダクタンスの接続 インダクタンスを直列および並列に接続したときの合成インピーダンスを計算できる。
12週 アンペアの周回積分の法則・変位電流 アンペアの周回積分の法則と変位電流について理解する。
13週 マクスウェルの方程式 マクスウェルの方程式の基本的な意味を理解する。
14週 電磁波 電磁波の伝搬の基礎について理解する。
15週 期末試験
16週 期末試験のテスト返却と解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電気回路電荷と電流、電圧を説明できる。4
オームの法則を説明し、電流・電圧・抵抗の計算ができる。4
キルヒホッフの法則を用いて、直流回路の計算ができる。4
合成抵抗や分圧・分流の考え方を用いて、直流回路の計算ができる。4
重ねの理を説明し、直流回路の計算に用いることができる。3
ブリッジ回路を計算し、平衡条件を求められる。3
電力量と電力を説明し、これらを計算できる。3
正弦波交流の特徴を説明し、周波数や位相などを計算できる。3
平均値と実効値を説明し、これらを計算できる。3
正弦波交流のフェーザ表示を説明できる。3
R、L、C素子における正弦波電圧と電流の関係を説明できる。3
瞬時値を用いて、簡単な交流回路の計算ができる。3
フェーザを用いて、簡単な交流回路の計算ができる。3
インピーダンスとアドミタンスを説明し、これらを計算できる。3
正弦波交流の複素表示を説明し、これを交流回路の計算に用いることができる。3
キルヒホッフの法則を用いて、交流回路の計算ができる。3
合成インピーダンスや分圧・分流の考え方を用いて、交流回路の計算ができる。3
網目電流法や節点電位法を用いて交流回路の計算ができる。3
重ねの理やテブナンの定理等を説明し、これらを交流回路の計算に用いることができる。3
直列共振回路と並列共振回路の計算ができる。3
相互誘導を説明し、相互誘導回路の計算ができる。3
理想変成器を説明できる。3
交流電力と力率を説明し、これらを計算できる。3
RL直列回路やRC直列回路等の単エネルギー回路の直流応答を計算し、過渡応答の特徴を説明できる。3
RLC直列回路等の複エネルギー回路の直流応答を計算し、過渡応答の特徴を説明できる。3
電磁気電荷及びクーロンの法則を説明でき、点電荷に働く力等を計算できる。4
電界、電位、電気力線、電束を説明でき、これらを用いた計算ができる。4
ガウスの法則を説明でき、電界の計算に用いることができる。3
導体の性質を説明でき、導体表面の電荷密度や電界などを計算できる。3
誘電体と分極及び電束密度を説明できる。3
静電容量を説明でき、平行平板コンデンサ等の静電容量を計算できる。4
コンデンサの直列接続、並列接続を説明し、その合成静電容量を計算できる。4
静電エネルギーを説明できる。3
電流が作る磁界をビオ・サバールの法則およびアンペールの法則を用いて説明でき、簡単な磁界の計算に用いることができる。3
電流に作用する力やローレンツ力を説明できる。3
磁性体と磁化及び磁束密度を説明できる。3
電子回路ダイオードの特徴を説明できる。2
バイポーラトランジスタの特徴と等価回路を説明できる。2
FETの特徴と等価回路を説明できる。2
利得、周波数帯域、入力・出力インピーダンス等の増幅回路の基礎事項を説明できる。1
トランジスタ増幅器のバイアス供給方法を説明できる。1
演算増幅器の特性を説明できる。1
反転増幅器や非反転増幅器等の回路を説明できる。1

評価割合

試験レポート合計
総合評価割合5050100
基礎的能力10010
専門的能力405090