ディジタル技術基礎

科目基礎情報

学校 仙台高等専門学校 開講年度 平成27年度 (2015年度)
授業科目 ディジタル技術基礎
科目番号 0003 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 情報システム工学科 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 「論理回路の基礎」 長島,浅見,熊谷,増田著 (日刊工業新聞社)
担当教員 小林 秀幸,菅谷 純一

到達目標

・DTL NAND回路モジュールを製作でき,そのディジタル的特性とアナログ的特性を理解できる。
・このモジュールを用いて,組み合わせ論理回路および順序論理回路を設計および回路構成できる。
・その電子計算機的意味が理解できる。
・JKフリップフロップとしての機能を理解できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1
評価項目2
評価項目3

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
教材として,DTL NAND回路を図面どおり製作し,回路各部の電位を測定して,電子回路としての動作を考察する。また,そのアナログ入出力に論理素子としての機能を見出せることを学ぶ。その後,電子計算機やインターフェース回路の基本となる組合せ論理回路,順序論理回路の設計を行い,実際に組立実習を行なって,それらの設計法と,製作時のデバックの方法を修得する。
授業の進め方・方法:
本科目はディジタル技術に連携する。教材の製作後,実験実習と講義の循環方式により運営するので,問題解決のために,学生は自主的に確認実験をし,その結果をもとに互いに討論して,本質的理解に到達できるよう努力する。
注意点:
使用する教材は信頼性の低いシステムであるので十分留意し,実験には工具・テスターを持参すること。また、実験前に実験テキストおよび配布資料には十分目を通すこと。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 オリエンテーション、
ガイダンス
この授業・実験で何をやるか把握する
2週 論理回路の基礎 2進数に慣れる。ブール代数の演算ができる。
3週 NAND回路の製作Ⅰ まずハンダ付を学び、実習に使用できる。
4週
5週 NAND回路の製作Ⅱ 電源部をハンダ付け、NAND回路部本体と接続できる
6週 Di,Trを含む回路図から電子回路を製作することができる。
7週 NAND回路基礎実験 入出力特性を測定できる。
8週 入出力特性の遷移曲線を理解し,スレショルドを理解する。
2ndQ
9週 組合せ論理回路の設計・製作と動作実験 基礎1 簡単な組合せ論理回路をブール代数から設計できる。
10週 多入力AND回路、論理回路構成図から実際にNAND回路を用いて設計・製作できる。
11週 組合せ論理回路の設計・製作と動作実験 基礎2 組合せ論理回路の設計法から、NAND回路による回路を設計製作できる。
12週 与えられた課題から真理値表を作成し、それに基づいて組み合わせ論理回路が設計・製作できる。
13週 組合せ論理回路の設計・製作と動作実験 応用1 選択回路、多数決回路、デコーダなどの実用的応用回路が設計・製作できる。
14週 全加算器などコンピュータ向け各種機能回路が設計できる。
15週 前期末試験 前期末試験の実施
16週 前期末試験返却 前期末試験の答案返却と解説
後期
3rdQ
1週 順序論理回路 帰還回路のタイムチャートや 状態遷移図が書ける。
2週 順序論理回路の製作 順序論理回路が構成できる。
3週 RSフリップフロップ RSフリップフロップの動作,禁止入力について理解できる。
4週 同期型RSフリップフロップなど各種RSフリップフロップ 優先型SRフリップフロップ回路等をNAND回路で製作できる。
5週 RSフリップフロップの応用回路を設計できる。
6週 JKフリップフロップ JKフリップフロップの動作を理解できる。
7週 MS-JKフリップフロップⅠ MS-JKフリップフロップがNAND回路から構成できる。
8週 MS-JKフリップフロップⅡ MS-JKフリップフロップによってリプル回路を構成でき、その動作を理解できる。
4thQ
9週 Dフリップフロップ、TDフリップフロップ JKフリップフロップからDフリップフロップ、TDフリップフロップが作れる。
10週 非同期カウンタの設計 非同期式リプルカウンタやN進カウンタの設計・製作をJKフリップフロップを用いてできる。
11週 同期カウンタの設計 同期式N進カウンタの設計・製作をJKフリップフロップを用いてできる。
12週 レジスタ回路 シリアルレジスタ回路の設計・製作ができる。
13週 順序論理回路の応用回路Ⅰ 状態遷移図を用いた順序論理応用回路の設計・製作ができる。
14週 順序論理回路の応用回路Ⅱ さらに進んだ順序論理応用回路の設計・製作ができる。
15週 学年末試験
学年末試験の実施
16週 学年末試験返却 学年末試験の答案返却と解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野情報基本的な論理演算を行うことができる。2前2
基本的な論理演算を組み合わせて任意の論理関数を論理式として表現できる。2前9
MIL記号またはJIS記号を使って図示された組み合わせ論理回路を論理式で表現できる。2前9,前10,前11
論理式から真理値表を作ることができる。2前9,前10
論理式をMIL記号またはJIS記号を使って図示できる。2前12
情報系分野計算機工学論理ゲートを用いて論理式を組合せ論理回路として表現することができる。2前10,前12,前13
与えられた組合せ論理回路の機能を説明することができる。1前14
組合せ論理回路を設計することができる。2前12,前13,前14
フリップフロップなどの順序回路の基本素子について、その動作と特性を説明することができる。2後2,後3,後6
レジスタやカウンタなどの基本的な順序回路の動作について説明できる。1後10,後11,後12
与えられた順序回路の機能を説明することができる。1後13,後14
順序回路を設計することができる。2後13,後14

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合50000050100
基礎的能力2000001030
専門的能力3000004070
分野横断的能力0000000