データ工学基礎

科目基礎情報

学校 仙台高等専門学校 開講年度 平成28年度 (2016年度)
授業科目 データ工学基礎
科目番号 0020 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 情報システム工学科 対象学年 3
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 「データベースの基礎」 永田武 著(コロナ社)
担当教員 岡本 圭史

到達目標

 データ資産を効率よく安全に活用するために不可欠なデータベースに関する基礎知識を説明できること。具体的には,以下の到達目標を設定する。
1. データベースの基礎概念を理解すること。
2. データの種々のモデル化技法と,それぞれの特質を知ること。
3. 関係データモデルの操作,整構造,問合わせ言語を修得すること。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
データベースの基礎概念を理解できる。データベースの基礎概念を具体例を用いて説明できる。データベースの基礎概念を説明できる。 データベースの基礎概念を説明できない。
データの種々のモデル化技法と,それぞれの特質を理解できる各種課題を解決するために,データの種々のモデル化技法を活用できる。データの種々のモデル化技法を説明でき、実行できる。データの種々のモデル化技法を説明できない。
関係データモデルの操作,整構造,問合わせ言語を理解できる各種課題を解決するために,関係データモデルの操作,整構造,問合わせ言語を活用できる。 関係データモデルの操作,整構造,問合わせ言語を説明でき,各種操作を実行できる。問合わせ言語の文法を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
 木,グラフ,リストなど,プログラミング上の基本データ構造の他,関係データベース,階層型データベース,ネットワーク型データベース,オブジェクト指向データベースなどを学習し,データ構造とデータモデルの基本概念を把握する。また,それらデータモデルに基づいて構成されるデータベースシステムの構築技術とデータ検索法・検索言語について学習する。
授業の進め方・方法:
講義形式と演習を組み合わせて実施される。
注意点:
 本科目の学習内容には多くの抽象度の高い概念(データモデル,関係代数,正規化等)が登場する。これらの概念を定着させ,実際に応用するためにも,多くの具体例に習熟するよう留意すること。また,新規に登場した記法は,積極的にそれらを用いて習熟するよう留意すること。
 自学自習として,各回の授業内容,達成項目及び教科書内容を確認しておくこと。学習内容には抽象度の高い概念が多いので,教科書及び参考書に掲載されている例題を基に十分復習すること。理解を確実にするため,各回の授業内容に関連する課題を解くこと。
参考書:
「リレーショナルデータベー入門」 増永良文 著(サイエンス社)
「データベース」 速水治夫,宮崎収兄,山崎晴明 著(オーム社)

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ファイルとデータベース データモデル,データベース設計法に関する基本的な概念を理解している。特に,ファイルとデータベースの特質及び役割を理解している。
2週 データモデル データモデル,データベース設計法に関する基本的な概念を理解している。特に,データとモデル化技法の概念及び種類を理解している。
3週 関係代数1 (集合演算)
データモデル,データベース設計法に関する基本的な概念を理解している。特に集合演算を理解している。
4週 関係代数2 (関係演算)
データモデル,データベース設計法に関する基本的な概念を理解している。特に関係演算を理解している。
5週 データベース設計(概念・論理モデルの設計技法) データモデル,データベース設計法に関する基本的な概念を理解している。特に,データベースの設計法を理解している。
6週 正規化1(正規化の概要,キー,関数従属性,非正規形) データモデル,データベース設計法に関する基本的な概念を理解している。特に,関係データベースの整構造,非正規形を理解している。
7週 中間試験
8週 正規化 2(第1正規形,第2正規形,第3正規形,ボイス・コッド正規形) データモデル,データベース設計法に関する基本的な概念を理解している。特に,第1正規形,第2正規形,第3正規形,ボイス・コッド正規形を理解している。
4thQ
9週 問合せ言語SQLその1 (SQLの概要,データ定義言語) データベース言語を用いて基本的なデータ問合わせを記述できる。具体的には,データ定義言語を理解し,記述できる。
10週 問合せ言語SQLその1 (データ操作言語) データベース言語を用いて基本的なデータ問合わせを記述できる。具体的には,データ操作言語を理解し,記述できる。
11週 問合せ言語SQLその1 3(データ制御言語) データベース言語を用いて基本的なデータ問合わせを記述できる。具体的には,データ制御言語を理解し,記述できる。
12週 問合せ言語SQLその2 1(関係演算子,論理演算子) データベース言語を用いて基本的なデータ問合わせを記述できる。具体的には,関係演算子,論理演算子を理解し,記述できる。
13週 問合せ言語SQLその2 2(集合関数,副問合せ) データベース言語を用いて基本的なデータ問合わせを記述できる。具体的には,集合関数,副問合せを理解し,記述できる。
14週 トランザクション管(ACID特性,同時実行制御,直列可能性) トランザクション処理の概念を理解する。
15週 試験問題解説 試験で出題された課題を理解できる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学情報系分野その他の学習内容データモデル、データベース設計法に関する基本的な概念を説明できる。2
データベース言語を用いて基本的なデータ問合わせを記述できる。2

評価割合

試験課題合計
総合評価割合8020100
基礎的能力8020100