電気回路

科目基礎情報

学校 仙台高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 電気回路
科目番号 0049 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 情報システム工学科 対象学年 3
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 「続電気回路の基礎(第3版)」西巻正郎・下川博文・奥村万規子共著(森北出版)
担当教員 武田 正則

到達目標

1 交流回路に関して,各部の電圧・電流を各種の定理を駆使して自在に計算ができる。
2 変圧器回路,回路の周波数,過渡現象などの取り扱いを理解し,計算することができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1正弦波交流回路計算の基礎力が十分に身についている。正弦波交流回路計算の基礎力が概ね身についている。正弦波交流回路計算の基礎力が身についていない。
評価項目2結合回路,共振回路など,交流回路の展開力が十分に身についている。結合回路,共振回路などについて,概ね理解している。結合回路,共振回路などについて,理解していない。
評価項目3過渡現象の原理と応用について,正しく理解している。過渡現象の原理について,概ね理解している。過渡現象の原理について,理解していない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 2 情報システムを支えるハードウェアやネットワーク等の基盤技術の修得

教育方法等

概要:
正弦波交流回路の基本法則や諸定理を学習し,これらを用いた回路網解析法の習得を目的とする。電気回路は2年次からの継続として,2年間で完成する。基本的な回路の周波数特性,過渡現象などについても学習し,電気回路に関する知識,理解を深める。
授業の進め方・方法:
授業は毎回,前半を学習項目についての講義にあて,後半は,回路計算法を習得するための例題・演習にあてる。演習が終了しない場合は,宿題とし,期限を決めて提出させる。
注意点:
本科目は、電気回路基礎,プロジェクト実習,応用数学A,などと関連する。2学年科目の微分積分皿,代数幾何,物理Hの知識、特に,三角関数,対数,行列,微分・積分,複素数などの知識が必要である。他の多くの科目と継続されるので,基礎知識をしっかり身につけることが重要である。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス,交流回路の基礎,および回路要素の直列,並列接続 正弦波交流について,R,L,C素子における正弦波交流電圧と電流の関係を説明できる。そして,周波数,位相,平均値,実効値,瞬時値の計算ができる。また,フェーザ表示,複素数表示を用いて,直列・並列接続の交流回路の計算ができる。加えて,インピーダンスとアドミタンスを説明し,これらを計算できる。
2週 直列接続,並列接続
交流回路の電力
瞬時値,フェーザ表示,複素数表示を用いて より複雑な直並列接続の交流回路の計算に用いることができる。
また,交流回路で消費される有効電力 皮相電力,力率を説明し,これらを計算できる。
3週 Y-△変換,△-Y変換
キルヒホッフの法則
交流回路網にY-△変換,△-Y変換を適用し,回路要素の電流・電圧を計算できる。また,交流回路網にキルヒホッフの法則を適用し,回路要素の電流・電圧を計算できる。
4週 重ねの理
テブナンの定理
交流回路網に重ねの理を適用し,回路要素の電流・電圧を計算できる。また,交流回路網にテブナンの定理を適用し,回路要素の電流・電圧を計算できる。
5週 交流回路網まとめ 複雑な交流回路網に諸定理を適用し,電流・電圧を自在に計算できる。
6週 前期中間試験
7週 前期中間試験の解説
8週 交流回路の周波数特性 簡単な回路についてその周波数特性を求めることができる。また,RL,RC回路についてその周波数特性やフェーザ軌跡を求めることができる。
2ndQ
9週 フィルタ回路 簡単な低域通過フィルタ,高域通過フィルタを設計できる。
10週 共振回路 直列共振回路の計算ができ,フェーザ軌跡を求めることができる。また,共振回路の現象について理解し,共振周波数や半値幅,Q値を計算できる。
11週 誘導結合回路 電磁気学の現象論に基づき,相互誘導を説明できる。
また,相互誘導回路の計算ができる。
12週 変圧器 鉄心の有無による相互誘導回路の振舞を理解し,変圧器回路の計算ができる。さらに,理想変圧器を説明し,計算できる。
13週 過渡現象第1回 過渡現象の概念を説明でき,RL直列回路の単エネルギー回路の直流応答を計算し,過渡応答の特徴および時定数を計算できる。また,RC直列回路等の単エネルギー回路の直流応答を計算し,過渡応答の特徴および時定数を計算できる。
14週 過渡現象第2回 パルス波形の微分・積分の計算および作図ができる。
15週 前期末試験
16週 前期末試験の解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理電気導体と不導体の違いについて、自由電子と関連させて説明できる。3
オームの法則から、電圧、電流、抵抗に関する計算ができる。3
抵抗を直列接続、及び並列接続したときの合成抵抗の値を求めることができる。3
ジュール熱や電力を求めることができる。3
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電気回路電荷と電流、電圧を説明できる。3
オームの法則を説明し、電流・電圧・抵抗の計算ができる。3
キルヒホッフの法則を用いて、直流回路の計算ができる。3
合成抵抗や分圧・分流の考え方を用いて、直流回路の計算ができる。3
ブリッジ回路を計算し、平衡条件を求められる。3
電力量と電力を説明し、これらを計算できる。3
正弦波交流の特徴を説明し、周波数や位相などを計算できる。3
平均値と実効値を説明し、これらを計算できる。3
正弦波交流のフェーザ表示を説明できる。3
R、L、C素子における正弦波電圧と電流の関係を説明できる。3
瞬時値を用いて、交流回路の計算ができる。3
フェーザ表示を用いて、交流回路の計算ができる。3
インピーダンスとアドミタンスを説明し、これらを計算できる。3
キルヒホッフの法則を用いて、交流回路の計算ができる。3
合成インピーダンスや分圧・分流の考え方を用いて、交流回路の計算ができる。3
直列共振回路と並列共振回路の計算ができる。3
相互誘導を説明し、相互誘導回路の計算ができる。3
理想変成器を説明できる。3
交流電力と力率を説明し、これらを計算できる。3
RL直列回路やRC直列回路等の単エネルギー回路の直流応答を計算し、過渡応答の特徴を説明できる。3
RLC直列回路等の複エネルギー回路の直流応答を計算し、過渡応答の特徴を説明できる。3
重ねの理を用いて、回路の計算ができる。3
テブナンの定理を回路の計算に用いることができる。3
電力三相交流における電圧・電流(相電圧、線間電圧、線電流)を説明できる。3
電源および負荷のΔ-Y、Y-Δ変換ができる。3
対称三相回路の電圧・電流・電力の計算ができる。3
変圧器の原理、構造、特性を説明でき、その等価回路を説明できる。3
計測指示計器について、その動作原理を理解し、電圧・電流測定に使用する方法を説明できる。3
倍率器・分流器を用いた電圧・電流の測定範囲の拡大手法について説明できる。3
電圧降下法による抵抗測定の原理を説明できる。3
ブリッジ回路を用いたインピーダンスの測定原理を説明できる。3
情報系分野その他の学習内容オームの法則、キルヒホッフの法則を利用し、直流回路の計算を行うことができる。3
分野別の工学実験・実習能力電気・電子系分野【実験・実習能力】電気・電子系【実験実習】キルヒホッフの法則を適用し、実験結果を考察できる。3
分流・分圧の関係を適用し、実験結果を考察できる。3
ブリッジ回路の平衡条件を適用し、実験結果を考察できる。3
重ねの理を適用し、実験結果を考察できる。3
インピーダンスの周波数特性を考慮し、実験結果を考察できる。3
共振について、実験結果を考察できる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合75000025100
基礎的能力5000001565
専門的能力2500001035
分野横断的能力0000000