アナログ電子回路Ⅰ

科目基礎情報

学校 仙台高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 アナログ電子回路Ⅰ
科目番号 0051 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 情報システム工学科 対象学年 3
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材
担当教員 白根 崇

到達目標

1)オペアンプの基本的特性を理解しを正しく説明できる。
2)オペアンプを用いた線形演算回路の設計ができる。
3)オペアンプを用いた線形演算回路の動作を説明できる

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
理想オペアンプの理解理想的なオペアンプにより,増幅回路,フィルタ回路の増幅度,カットオフ周波数などを計算できる。反転・非反転増幅器回路の増幅率を計算できる。反転・非反転増幅器回路の増幅率を計算できない。
現実のオペアンプ回路設計の基本現実のオペアンプ回路設計ができる。現実のオペアンプ回路では理想の場合とどこが違うかを説明できる。現実のオペアンプ回路では理想の場合とどこが違うかわからない。
半導体デバイスの基礎ダイオードやトランジスタ中の荷電粒子の動きを説明できる。ダイオードやトランジスタが半導体であり,金属や絶縁体とは異なることを説明できる。ダイオードやトランジスタが半導体であり,金属や絶縁体とは異なることがわからない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 2 情報システムを支えるハードウェアやネットワーク等の基盤技術の修得

教育方法等

概要:
オペアンプ内部の回路構成,負帰還を施したオペアンプ回路,線形演算回路である加算回路,減算回路,微分回路,積分回路について原理と設計法を学習する。さらに,非線形回路,発信回路,アクティブフィルタについても原理と設計法を学習する。現実のオペアンプを再現できる回路シミュレータにより,計算機実験方法と考察法を習得する。
授業の進め方・方法:
電子回路は積み重ね学習であり,授業の後の復習が重要である。復習を通じて理解できているかの確認を繰り返してほしい。
注意点:
本科目は,電気回路基礎,電気回路,アナログ電子回路Ⅱと関連する。図書館に多数ある教科書と演習書を大いに活用すること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス(なぜオペアンプを学ぶのかについて) なぜオペアンプを学ぶのか理解する。
2週 理想的なオペアンプの基本動作と回路 理想的なオペアンプの基本動作と回路を理解する。
3週 現実のオペアンプ 現実のオペアンプ回路の基本的な動きを理解する。
4週 回路シミュレータによる計算機実験法の習得 回路シミュレータによる計算機実験法を取得する。
5週 回路シミュレータによる計算機実験 回路シミュレータによる増幅回路や論理回路にについて計算機実験を行い,考察できる。
6週 オペアンプの応用回路Ⅰ 加算回路,加算回路,ボルテージフォロア回路にいて理解できる。
7週 オペアンプの応用回路Ⅰに関する計算機実験 加算回路,加算回路,ボルテージフォロア回路にいて計算機実験を行い,考察ができる。
8週 中間試験 正解率60%以上
4thQ
9週 試験の解説 間違った問題を正しく解けるようになる。
10週 オペアンプの応用回路Ⅱ I/V変換回路やその他の応用回路を理解する。
11週 オペアンプの応用回路Ⅱに関する計算機実験 I/V変換回路やその他の応用回路について計算機実験を行い,考察ができる。
12週 半導体デバイスの基礎 原子の構造,固体の構造(金属や半導体)と固体内の電子の動きを理解する。
13週 ダイオードとトランジスタの基礎 p型とn型の半導体の組み合わせに,さまざまなデバイスが形成されることを理解する。
14週 トランジスタ回路の基礎 トランジスタを用いた簡単な増幅回路について理解する。
15週 期末試験 期末試験
16週 答案返却

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電子回路ダイオードの特徴を説明できる。3後13
バイポーラトランジスタの特徴と等価回路を説明できる。3後13
利得、周波数帯域、入力・出力インピーダンス等の増幅回路の基礎事項を説明できる。3後1
トランジスタ増幅器のバイアス供給方法を説明できる。3後14
演算増幅器の特性を説明できる。3後1,後2,後3,後6
演算増幅器を用いた基本的な回路の動作を説明できる。3後3,後6
発振回路の特性、動作原理を説明できる。3後10,後11
変調・復調回路の特性、動作原理を説明できる。3後10,後11
電子工学原子の構造を説明できる。3後12
パウリの排他律を理解し、原子の電子配置を説明できる。3後12
結晶、エネルギーバンドの形成、フェルミ・ディラック分布を理解し、金属と絶縁体のエネルギーバンド図を説明できる。3後12
金属の電気的性質を説明し、移動度や導電率の計算ができる。3後12
真性半導体と不純物半導体を説明できる。3後12
半導体のエネルギーバンド図を説明できる。3後12
pn接合の構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてpn接合の電流―電圧特性を説明できる。3後13
バイポーラトランジスタの構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてバイポーラトランジスタの静特性を説明できる。3後13
電界効果トランジスタの構造と動作を説明できる。3後13
情報系分野その他の学習内容オームの法則、キルヒホッフの法則を利用し、直流回路の計算を行うことができる。3後14
トランジスタなど、ディジタルシステムで利用される半導体素子の基本的な特徴について説明できる。3後14
分野別の工学実験・実習能力電気・電子系分野【実験・実習能力】電気・電子系【実験実習】増幅回路等(トランジスタ、オペアンプ)の動作に関する実験結果を考察できる。3後3,後4,後5,後7,後11
論理回路の動作について実験結果を考察できる。3後5
ダイオードの電気的特性の測定法を習得し、その実験結果を考察できる。3後4,後13
トランジスタの電気的特性の測定法を習得し、その実験結果を考察できる。3後4,後13

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70000030100
基礎的能力3500001550
専門的能力3500001550
分野横断的能力0000000