線形代数

科目基礎情報

学校 仙台高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 線形代数
科目番号 0080 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 情報システム工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 「線形代数」馬場敬之(マセマ)
担当教員 長谷部 一気

到達目標

【学習・教育目標】
 (C)情報工学あるいは電子工学の分野で,人間性豊かなエンジニアとして活躍するための知識を獲得すること。

工学の基本的問題を解決するために必要な数学の知識、計算技術および応用能力を修得させ、この知識および技術等を工学における現象面と関連づけて活用する能力を養う。具体的にはベクトル,行列の基本的性質を理解し,行列の対角化,及び固有値と固有ベクトルを求めることができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
線形代数ベクトル,行列の基本的性質を理解し,行列の対角化,及び固有値と固有ベクトルを求めることができる。行列の対角化,及び固有値と固有ベクトルを求めることができる。行列の対角化,及び固有値と固有ベクトルを求めることができない。

学科の到達目標項目との関係

JABEE c 数学,自然科学の知識と応用能力

教育方法等

概要:
線形代数は,力学,量子力学などの物理的,工学的問題の解法に欠かせない数学的手段である。学生が将来技術者となったときに数学を理工学の道具として使えることを目的とし,第3学年までに学んできたベクトルと行列の概念を拡張し,線形空間の基本的性質の理解とその取り扱いに習熟するとともに,理工学分野への応用という観点からの理解を深めさせる。
授業の進め方・方法:
講義形式の授業である。講義をしたのち、理解を深めるための演習のプリントを行う。積極的に問題を解くことを期待する。また、自学用の課題として授業の他に演習問題を配布する。レポートとして提出することが求められる。
注意点:
本科目の学習内容は,物理学,工学分野への応用に欠かせない。第3学年までに学習したベクトル,行列などの数学的基礎を理解し,行列式の計算,三角関数には充分習熟していることが望まれる。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 行列の概念と基本操作I 行列の定義を理解し,和・差・積の計算ができる。
2週 行列の概念と基本操作II 逆行列の定義を理解し,正方行列の逆行列を求めることができる。
3週 n次元ベクトル空間、複素ベクトル空間 任意次元の複素ベクトルの基本的な計算ができる。
4週 線形独立、線形従属 線形独立と従属の概念を理解する。
5週 基底(標準基底)
基底、特に標準基底の性質について理解する。
6週 n×n行列の行列式 行列式の定義および性質を理解し,基本的な行列式の値を求めることができる。
7週 余因子行列と逆行列 余因子行列を求めることができ、逆行列の計算ができる。
8週 連立一次方程式の解法 行列の考え方を用いて連立1次方程式が解ける。
2ndQ
9週 特別な正方行列
エルミート行列、ユニタリー行列といった特別な性質を持つ正方行列について理解する。
10週 指数行列 正方行列を用いて定義される指数行列について計算ができる。
11週 線形空間の定義,線形部分空間 線形空間の一般的定義を理解する。
12週 行列の対角化
固有値と固有ベクトル
固有値と固有ベクトルを求めることができる。
13週 エルミート行列の対角化 エルミート行列の対角化における実固有値、ユニタリー行列の役割について理解する。
14週 2次形式 2次形式を標準形にすることができる。
15週 期末試験の返却 期末試験の答案返却と解説
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学ベクトルの定義を理解し、ベクトルの基本的な計算(和・差・定数倍)ができ、大きさを求めることができる。3前13
平面および空間ベクトルの成分表示ができ、成分表示を利用して簡単な計算ができる。3
平面および空間ベクトルの内積を求めることができる。3
問題を解くために、ベクトルの平行・垂直条件を利用することができる。3
空間内の直線・平面・球の方程式を求めることができる(必要に応じてベクトル方程式も扱う)。3
行列の定義を理解し、行列の和・差・スカラーとの積、行列の積を求めることができる。3
逆行列の定義を理解し、2次の正方行列の逆行列を求めることができる。3
行列式の定義および性質を理解し、基本的な行列式の値を求めることができる。3
線形変換の定義を理解し、線形変換を表す行列を求めることができる。3
合成変換や逆変換を表す行列を求めることができる。3
平面内の回転に対応する線形変換を表す行列を求めることができる。3
簡単な1階線形微分方程式を解くことができる。3
定数係数2階斉次線形微分方程式を解くことができる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80000020100
基礎的能力80000020100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000