到達目標
本科目では、情報通信ネットワークの入門として、情報工学および通信工学の基礎理論である情報理論を扱う。情報通信ネットワークは通信速度だけでなく、限られた資源(通信路の周波数帯域や通信路の本数)上で、情報の誤りを生じさせず、高速に情報を伝送するという、信頼性と速度の指標で評価される。以下を到達目標とする。
・通信のモデルを理解できること
・情報量とエントロピーの概念・定義を理解し、実際に計算できること
・代表的な情報源符号化、通信路符号化、誤り検出などの意義と方法について説明できること
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1
情報源符号化の基礎 | 情報量,エントロピー及び効率のよい符号化について、正しく理解している。 | 情報量,エントロピー及び効率のよい符号化について、概ね理解している。 | 情報量、エントロピー及び効率のよい符号化について、理解していない。 |
評価項目2
効率のよい符号の生成方法 | ハフマン符号及びランレングス符号の生成方法と平均符号長について、正しく説明できる。 | ハフマン符号及びランレングス符号の生成方法と平均符号長について、概ね説明できる。 | ハフマン符号及びランレングス符号の生成方法と平均符号長について、説明できない。 |
評価項目3
通信路符号化の基礎 | 通信路における誤りとその検出方法について、正しく理解している。 | 通信路における誤りとその検出方法について、概ね理解している。 | 通信路における誤りとその検出方法について、理解していない。 |
学科の到達目標項目との関係
学習・教育到達度目標 1 情報システムの中核となるソフトウェアの知識とスキルの体系的で確実な修得
JABEE d 当該分野で必要な知識と応用能力
教育方法等
概要:
この科目は企業で情報通信ネットワークの設計・運用を担当していた教員が、その経験を生かし、情報通信ネットワークの理論について講義形式で授業を行うものである。情報通信ネットワークの入門として、情報工学および通信工学の基礎理論である情報理論を扱う。情報量とエントロピーについて解説し、情報源や通信路を定量的に扱う基本的な考え方について理解する。さらに、情報の符号化、誤り検出・訂正技術について学習し、情報の記録や伝達を高効率・高信頼化するための基礎知識について理解を深める。
授業の進め方・方法:
各回の授業では基本的に、前半で板書による解説を行い、後半ではその理解を確実なものとする演習課題を実施する。
注意点:
情報および情報量の定義や簡単なデータ圧縮による情報源符号化の方法などを通じて、情報理論が情報の伝達を効率化・高信頼化するための基礎理論であることを理解すること。
自学自習として、次回分の授業内容と達成目標を確認してくること。板書をメモしたノートに基づき復習を行うこと。演習課題については次回の授業までにレポートとして提出し、教員の確認を受けること。
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
情報通信ネットワークとは |
情報通信ネットワークの目的について説明できる。
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2週 |
確率の基礎 |
情報通信ネットワークの基礎である情報理論を学習する際に必要な確率に関する基礎知識を活用できる。
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3週 |
情報源符号化1 |
情報源のモデル、情報量、エントロピー、冗長度について説明できる。
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4週 |
情報源符号化2 |
同上
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5週 |
情報源符号化3 |
平均符号長、一意復号可能、瞬時符号などの観点から、効率のよい符号化について説明できる。
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6週 |
情報源符号化4 |
同上
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7週 |
情報源符号化5 |
拡大情報源、平均符号長の上下限、情報源符号化定理について説明できる。
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8週 |
前期中間試験答案返却と解説 |
試験の正答について確実に理解できる。
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2ndQ |
9週 |
情報源符号の具体的生成法1 |
ハフマン符号の生成方法と平均符号長について説明できる。
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10週 |
情報源符号の具体的生成法2 |
ランレングス符号等の生成方法と性質について説明できる。
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11週 |
情報源符号の具体的生成法3 |
同上
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12週 |
通信路の符号化 |
通信路をモデル化でき、通信路における誤りを説明できる。 通信路の符号化について理解できる。
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13週 |
誤り検出符号1 |
ランダム誤りとバースト誤りの違いについて説明できる。 巡回符号(CRC)方式の原理について理解できる。 ITU-T勧告である生成多項式CRC-16の誤り検出能力を説明できる。
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14週 |
誤り検出符号2 |
同上
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15週 |
前期期末試験答案返却と解説 |
試験の正答について確実に理解できる。
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16週 |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
評価割合
| 試験 | 発表 | 相互評価 | 態度 | ポートフォリオ | その他 | 合計 |
総合評価割合 | 90 | 0 | 0 | 0 | 0 | 10 | 100 |
基礎的能力 | 60 | 0 | 0 | 0 | 0 | 10 | 70 |
専門的能力 | 30 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 30 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |