電気回路

科目基礎情報

学校 仙台高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 電気回路
科目番号 0214 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 情報システム工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 「続電気回路の基礎(第3版)」西巻正郎・下川博文・奥村万規子 共著(森北出版)
担当教員 武田 正則

到達目標

1. 交流回路に関して,各部の電圧・電流を各種の定理を駆使して自在に計算ができる。
2. 変圧器回路,回路の周波数,四端子回路,過渡現象などの取り扱いを理解し,計算することができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1正弦波交流回路計算の基礎力が十分に身についている。正弦波交流回路計算の基礎力が概ね身についている。正弦波交流回路計算の基礎力が身についていない。
評価項目2結合回路,共振回路,四端子回路など,交流回路の展開力が十分に身についている。結合回路,共振回路,四端子回路などについて,概ね理解している。結合回路,共振回路,四端子回路などについて,理解していない。
評価項目3過渡現象の原理と応用について,正しく理解している。過渡現象の原理について,概ね理解している。過渡現象の原理について,理解していない

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
正弦波交流回路の基本法則や諸定理を学習し,これらを用いた回路網解析法の習得を目的とする。電気回路は2年次からの継続として,2年間で完成する。基本的な回路の周波数特性,四端子回路,過渡現象などについても学習し,電気回路に関する知識,理解を深める。
授業の進め方・方法:
授業は毎回,前半を学習項目についての講義にあて,後半を回路計算法を習得するための演習にあてる。演習が終了しない場合は,宿題とし,期限を決めて提出させる。
注意点:
本科目は、電気回路基礎,プロジェクト実習,応用数学A,などと関連する。2学年科目の微分積分Ⅱ,代数幾何,物理Ⅱの知識、特に,三角関数,対数,行列,微分・積分,複素数などの知識が必要である。4年の電磁気学A,Bに継続されるので,基礎知識をしっかり身につけることが重要である。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス,交流回路の基礎 正弦波交流の特徴を説明し,周波数や位相などを計算できる。平均値と実効値を説明し,これらを計算できる。正弦波交流のフェーザ表示説明できる。R,L,C素子における正弦波交流電圧と電流の関係を説明できる。
2週 交流回路要素の直列,並列 瞬時値,フェーザ表示,複素数表示を用いて,直列・並列接続の交流回路の計算に用いることができる。インピーダンスとアドミタンスを説明し,これらを計算できる。
3週 2端子回路の直列接続,並列接続 瞬時値,フェーザ表示,複素数表示を用いて,より複雑な直並列接続の交流回路の計算に用いることができる。
4週 交流回路の電力 交流回路で消費される有効電力,皮相電力,力率が説明でき,これらを計算できる。
5週 Y-Δ変換,Δ-Y変換 交流回路網にY-Δ変換,Δ-Y変換を適用し,回路要素の電流・電圧を計算できる。
6週 キルヒホッフの法則 交流回路網にキルヒホッフの法則を適用し,回路要素の電流・電圧を計算できる。
7週 重ねの理 交流回路網に重ねの理を適用し,回路要素の電流・電圧を計算できる。
8週 鳳・テブナンの定理 交流回路網に鳳・テブナンの定理を適用し,回路要素の電流・電圧を計算できる。
2ndQ
9週 交流回路網まとめ 複雑な交流回路網に諸定理を適用し,電流・電圧を自在に計算できる。
10週 前期中間試験
11週 前期中間試験の解説,交流回路の周波数特性第1回 簡単な回路についてその周波数特性を求めることができる。
12週 交流回路の周波数特性第2回 RL,RC回路についてその周波数特性やフェーザ軌跡を求めることができる。
13週 小テスト
フィルタ回路第1回
簡単な低域通過フィルタを設計できる。
14週 小テストの解説
フィルタ回路第2回
簡単な高域通過フィルタを設計できる。
15週 前期末試験
16週 前期末試験の解説
共振回路第1回
直列共振回路の計算ができ,フェーザ軌跡を求めることができる。
後期
3rdQ
1週 共振回路第2回 共振回路のふるまいについて理解し,共振周波数や半値幅,Q値を計算できる。
2週 誘導結合回路の基礎 電磁気学の現象論に基づき,相互誘導を説明できる。
3週 誘導結合回路 相互誘導回路の計算ができる。
4週 変圧器回路第1回 鉄心の有無による相互誘導回路の振舞を理解し,変圧器回路の計算ができる。
5週 変圧器回路第2回 理想変圧器を説明し,計算できる。
6週 四端子回路第1回 種々の回路について、アドミタンス行列(Y行列),インピーダンス行列(Z行列),縦続行列(F行列)を求める事ができる。
7週 四端子回路第2回 2つの四端子回路を並列接続,直列接続して構成された回路全体のY,Z行列を求めることができる。
8週 四端子回路第3回 2つの四端子回路を縦続接続して構成された回路全体のF行列を求めることができる。
4thQ
9週 後期中間試験
10週 後期中間試験の解説
11週 四端子回路第4回 四端子回路を等価なインピーダンスとして扱うことができる。また,回路の双対性を利用して,回路の電圧・電流を求めることができる。
12週 過渡現象第1回 RL直列回路やRC直列回路等の単エネルギー回路の直流応答を計算し,過渡応答の特徴を説明できる。
13週 過渡現象第2回 過渡応答の時定数を計算できる。
14週 過渡現象第3回 パルス波形の微分・積分の計算および作図ができる。
15週 学年末試験
16週 学年末試験の解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合75000025100
基礎的能力5000001565
専門的能力2500001035
分野横断的能力0000000