ディジタル技術

科目基礎情報

学校 仙台高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 ディジタル技術
科目番号 0224 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 知能エレクトロニクス工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 必要に応じてプリントを配布する。
担当教員 佐久間 実緒,柏葉 安宏

到達目標

小規模なディジタル回路を解析・設計できる。
A/D,D/A変換器の動作原理を理解し,変換回路の動作を説明できる。
DTLロジックとCMOSロジックの内部動作を説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
カウンタカウンタの設計・解析ができる。カウンタの設計ができる。カウンタの設計ができない。
レジスタシフトレジスタを設計できるとともに,その動作を説明できる。シフトレジスタを設計できる。シフトレジスタを設計できない。
演算・制御・機能回路基本的な演算・制御・機能回路の動作を理解し設計できる。基本的な演算・制御・機能回路の動作を理解できる。簡単な演算・制御・機能回路を理解できていない。
DA変換2種類以上のD/A変換器の動作を理解できる。ある種のD/A変換器の動作を理解できる。D/A変換器の動作を理解できていない。
AD変換A/D変換器の動作を理解し,説明できる。A/D変換器の動作を理解できる。A/D変換器の動作を理解できていない。
DTL・CMOS論理ゲートDTLおよびCMOS論理ゲートの回路動作を理解し,説明できる。DTLおよびCMOS論理ゲートの回路動作を理解できる。DTLおよびCMOS論理ゲートの回路動作を理解できていない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
基本的なフリップフロップ(F/F)であるRS-F/F,JK-F/Fについて理解し,他のF/Fの動作を学習する。F/Fを用いたカウンタ,レジスタ,シフトレジスタを理解し,データの操作を学習する。さらに,アナログ・ディジタル変換について変換原理および回路構成を学習する。
F/Fを用いた順序論理回路の設計,アナログ・ディジタル変換の原理について修得する。
授業の進め方・方法:
授業は,講義・演習・実習から構成される。
講義の内容を実習で確認するだけではなく,考える力を養うために実習を講義より先におこなう場合もある。
注意点:
本科目は2年次のディジタル技術基礎に関連し,マイクロコンピュータ関連の科目や知能エレクトロニクス製作にも関係する。
講義内容の理解を深めるために実習もおこなう。実習では進んで作業をおこない,自分の頭で考え問題を解決する姿勢が大事である。また,ペアでおこなう実習では,協力して課題を解決することに努めるとともに,御互いを尊重しコミュニケーションを取ることが大事である。
予習や復習で講義と実習内容の関連性を理解することが重要である。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス,2年生の復習,カウンタ ガイダンス等を理解できる。
2週 カウンタ 非同期式と同期式カウンタの違いが理解できる。
カウンタを中心とする順序論理回路が設計・解析できる。
3週 カウンタ 非同期式と同期式カウンタの違いが理解できる。
カウンタを中心とする順序論理回路が設計・解析できる。
4週 カウンタ 非同期式と同期式カウンタの違いが理解できる。
カウンタを中心とする順序論理回路が設計・解析できる。
5週 カウンタ 非同期式と同期式カウンタの違いが理解できる。
カウンタを中心とする順序論理回路が設計・解析できる。
6週 小テスト,レジスタ 小テスト
レジスタを説明できる。
7週 レジスタ シフトレジスタを設計でき,その動作を説明できる。
8週 レジスタ シフトレジスタを設計でき,その動作を説明できる。
2ndQ
9週 データ転送回路 データ転送回路の動作を説明できる。
10週 中間試験と2進数の表現 中間試験
2進数を理解し,演算できる。
11週 算術演算・論理演算 簡単な算術・論理演算装置を設計できる。
12週 制御・機能回路 マルチプレクサ,デマルチプレクサ等の基本制御回路の機能を理解できる。
レジスタと組み合わせた簡単な機能回路を設計・解析できる。
13週 オペアンプ 理想オペアンプの動作を理解し,反転増幅回路,アナログ加算器の入出力電圧の関係式を導出できる。
14週 期末試験 期末試験
15週 試験返却,オペアンプを用いた回路 期末試験の答案返却と解説
16週 DA変換器 R-2Rラダー型D/A変換器の動作を説明できる。
後期
3rdQ
1週 DA変換器 逆ラダー型D/A変換器の動作を説明できる。
2週 DA変換器,AD変換器 逆ラダー型D/A変換器の動作を説明できる。
逐次比較型A/D変換器を理解し,タイムチャートを用いて動作を説明できる。
3週 AD変換器 逐次比較型A/D変換器を理解し,タイムチャートを用いて動作を説明できる。
4週 AD変換器 逐次比較型A/D変換器の内部動作をオシロスコープで確認できる。
5週 AD変換器,DTL論理ゲート 逐次比較型A/D変換器の内部動作をオシロスコープで確認できる。
DTL NAND回路の動作を説明できる。
6週 DTL論理ゲート DTL NAND回路の動作を説明できる。
7週 演習,小テスト 演習,小テスト
8週 中間試験・解説 中間試験とその解説
4thQ
9週 試験返却,DTL論理ゲートの解析 DTL NAND回路の内部状態を解析できる。
10週 DTL論理ゲートの解析,DTL論理ゲートと外部回路 DTL NAND回路の内部状態を解析できる。
内部構造から入出力特性を推定できる。
11週 DTL論理ゲートと外部回路 DTL NAND回路の内部状態を解析できる。
内部構造から入出力特性を推定できる。
12週 CMOS論理ゲート CMOSインバータおよびCMOS NAND,NOR回路の構造および動作を説明できる。
13週 汎用ディジタルICによる論理回路設計 小規模なディジタル回路図を読み書きできる。
14週 演習・小テスト 演習・小テスト
15週 期末試験 期末試験
16週 期末試験の返却 期末試験の答案返却と解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野情報基本的な論理演算を行うことができる。3
基本的な論理演算を組み合わせて任意の論理関数を論理式として表現できる。3
MIL記号またはJIS記号を使って図示された組み合わせ論理回路を論理式で表現できる。3
論理式から真理値表を作ることができる。3
論理式をMIL記号またはJIS記号を使って図示できる。3
情報系分野計算機工学基本的な論理演算を行うことができる。4
基本的な論理演算を組合わせて、論理関数を論理式として表現できる。4
論理式の簡単化の概念を説明できる。4
論理ゲートを用いて論理式を組合せ論理回路として表現することができる。4
与えられた組合せ論理回路の機能を説明することができる。4
組合せ論理回路を設計することができる。4
フリップフロップなどの順序回路の基本素子について、その動作と特性を説明することができる。4
レジスタやカウンタなどの基本的な順序回路の動作について説明できる。4
与えられた順序回路の機能を説明することができる。4
順序回路を設計することができる。4
コンピュータを構成する基本的な要素の役割とこれらの間でのデータの流れを説明できる。4
情報数学・情報理論ブール代数に関する基本的な概念を説明できる。3
論理代数と述語論理に関する基本的な概念を説明できる。3
その他の学習内容オームの法則、キルヒホッフの法則を利用し、直流回路の計算を行うことができる。3
トランジスタなど、ディジタルシステムで利用される半導体素子の基本的な特徴について説明できる。3
分野別の工学実験・実習能力情報系分野【実験・実習能力】情報系【実験・実習】与えられた数値を別の基数を使った数値に変換できる。3
与えられた仕様に合致した組合せ論理回路や順序回路を設計できる。4

評価割合

定期試験・小テスト・演習課題実習課題合計
総合評価割合7030100
基礎的能力000
専門的能力7030100
分野横断的能力000