概要:
基本的なフリップフロップ(F/F)であるRS-F/F,JK-F/Fについて理解し,他のF/Fの動作を学習する。F/Fを用いたカウンタ,レジスタ,シフトレジスタを理解し,データの操作を学習する。さらに,アナログ・ディジタル変換について変換原理および回路構成を学習する。
F/Fを用いた順序論理回路の設計,アナログ・ディジタル変換の原理について修得する。
授業の進め方・方法:
授業は,講義・演習・実習から構成される。
講義の内容を実習で確認するだけではなく,考える力を養うために実習を講義より先におこなう場合もある。
注意点:
本科目は2年次のディジタル技術基礎に関連し,マイクロコンピュータ関連の科目や知能エレクトロニクス製作にも関係する。
講義内容の理解を深めるために実習もおこなう。実習では進んで作業をおこない,自分の頭で考え問題を解決する姿勢が大事である。また,ペアでおこなう実習では,協力して課題を解決することに努めるとともに,御互いを尊重しコミュニケーションを取ることが大事である。
予習や復習で講義と実習内容の関連性を理解することが重要である。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
ガイダンス,2年生の復習,カウンタ |
ガイダンス等を理解できる。
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2週 |
カウンタ |
非同期式と同期式カウンタの違いが理解できる。 カウンタを中心とする順序論理回路が設計・解析できる。
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3週 |
カウンタ |
非同期式と同期式カウンタの違いが理解できる。 カウンタを中心とする順序論理回路が設計・解析できる。
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4週 |
カウンタ |
非同期式と同期式カウンタの違いが理解できる。 カウンタを中心とする順序論理回路が設計・解析できる。
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5週 |
カウンタ |
非同期式と同期式カウンタの違いが理解できる。 カウンタを中心とする順序論理回路が設計・解析できる。
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6週 |
小テスト,レジスタ |
小テスト レジスタを説明できる。
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7週 |
レジスタ |
シフトレジスタを設計でき,その動作を説明できる。
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8週 |
レジスタ |
シフトレジスタを設計でき,その動作を説明できる。
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2ndQ |
9週 |
データ転送回路 |
データ転送回路の動作を説明できる。
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10週 |
中間試験と2進数の表現 |
中間試験 2進数を理解し,演算できる。
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11週 |
算術演算・論理演算 |
簡単な算術・論理演算装置を設計できる。
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12週 |
制御・機能回路 |
マルチプレクサ,デマルチプレクサ等の基本制御回路の機能を理解できる。 レジスタと組み合わせた簡単な機能回路を設計・解析できる。
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13週 |
オペアンプ |
理想オペアンプの動作を理解し,反転増幅回路,アナログ加算器の入出力電圧の関係式を導出できる。
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14週 |
期末試験 |
期末試験
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15週 |
試験返却,オペアンプを用いた回路 |
期末試験の答案返却と解説
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16週 |
DA変換器 |
R-2Rラダー型D/A変換器の動作を説明できる。
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後期 |
3rdQ |
1週 |
DA変換器 |
逆ラダー型D/A変換器の動作を説明できる。
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2週 |
DA変換器,AD変換器 |
逆ラダー型D/A変換器の動作を説明できる。 逐次比較型A/D変換器を理解し,タイムチャートを用いて動作を説明できる。
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3週 |
AD変換器 |
逐次比較型A/D変換器を理解し,タイムチャートを用いて動作を説明できる。
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4週 |
AD変換器 |
逐次比較型A/D変換器の内部動作をオシロスコープで確認できる。
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5週 |
AD変換器,DTL論理ゲート |
逐次比較型A/D変換器の内部動作をオシロスコープで確認できる。 DTL NAND回路の動作を説明できる。
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6週 |
DTL論理ゲート |
DTL NAND回路の動作を説明できる。
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7週 |
演習,小テスト |
演習,小テスト
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8週 |
中間試験・解説 |
中間試験とその解説
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4thQ |
9週 |
試験返却,DTL論理ゲートの解析 |
DTL NAND回路の内部状態を解析できる。
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10週 |
DTL論理ゲートの解析,DTL論理ゲートと外部回路 |
DTL NAND回路の内部状態を解析できる。 内部構造から入出力特性を推定できる。
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11週 |
DTL論理ゲートと外部回路 |
DTL NAND回路の内部状態を解析できる。 内部構造から入出力特性を推定できる。
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12週 |
CMOS論理ゲート |
CMOSインバータおよびCMOS NAND,NOR回路の構造および動作を説明できる。
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13週 |
汎用ディジタルICによる論理回路設計 |
小規模なディジタル回路図を読み書きできる。
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14週 |
演習・小テスト |
演習・小テスト
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15週 |
期末試験 |
期末試験
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16週 |
期末試験の返却 |
期末試験の答案返却と解説
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 電気・電子系分野 | 情報 | 基本的な論理演算を行うことができる。 | 3 | |
基本的な論理演算を組み合わせて任意の論理関数を論理式として表現できる。 | 3 | |
MIL記号またはJIS記号を使って図示された組み合わせ論理回路を論理式で表現できる。 | 3 | |
論理式から真理値表を作ることができる。 | 3 | |
論理式をMIL記号またはJIS記号を使って図示できる。 | 3 | |
情報系分野 | 計算機工学 | 基本的な論理演算を行うことができる。 | 4 | |
基本的な論理演算を組合わせて、論理関数を論理式として表現できる。 | 4 | |
論理式の簡単化の概念を説明できる。 | 4 | |
論理ゲートを用いて論理式を組合せ論理回路として表現することができる。 | 4 | |
与えられた組合せ論理回路の機能を説明することができる。 | 4 | |
組合せ論理回路を設計することができる。 | 4 | |
フリップフロップなどの順序回路の基本素子について、その動作と特性を説明することができる。 | 4 | |
レジスタやカウンタなどの基本的な順序回路の動作について説明できる。 | 4 | |
与えられた順序回路の機能を説明することができる。 | 4 | |
順序回路を設計することができる。 | 4 | |
コンピュータを構成する基本的な要素の役割とこれらの間でのデータの流れを説明できる。 | 4 | |
情報数学・情報理論 | ブール代数に関する基本的な概念を説明できる。 | 3 | |
論理代数と述語論理に関する基本的な概念を説明できる。 | 3 | |
その他の学習内容 | オームの法則、キルヒホッフの法則を利用し、直流回路の計算を行うことができる。 | 3 | |
トランジスタなど、ディジタルシステムで利用される半導体素子の基本的な特徴について説明できる。 | 3 | |
分野別の工学実験・実習能力 | 情報系分野【実験・実習能力】 | 情報系【実験・実習】 | 与えられた数値を別の基数を使った数値に変換できる。 | 3 | |
与えられた仕様に合致した組合せ論理回路や順序回路を設計できる。 | 4 | |