マイクロコンピュータ基礎

科目基礎情報

学校 仙台高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 マイクロコンピュータ基礎
科目番号 0225 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 知能エレクトロニクス工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 (スライド)
担当教員 末永 貴俊

到達目標

ディジタルコンピュータの構成や実際に用いられる構成要素の機能を理解し,その中で利用されている主要な技術を理解していること。また,ソフトウェア作成に必要な基礎概念およびソフトウェアの作成工程を理解し,少なくとも一つのプログラミング言語(言語処理系)を用いて簡単なソフトウェアを生成できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
数値表現と論理演算与えられた課題に対し,適切に基数変換,論理演算ができている.与えられた課題に対し,ほぼ無駄がない手順で基数変換,論理演算ができている.基数変換ができない. 論理演算を行えない.
プログラミング能力課題で与えられた動作仕様を十分に満たすプログラムを実装できている。 実装したプログラムの動作をPAD図などを用いて説明できる。 保守性・可読性・拡張性に優れたプログラムを実装できる与えらえたサンプルプログラムの動作を説明できる。 課題で与えられた動作仕様を(ほぼ)満たすプログラムを実装できている。 実装したプログラムの動作を一部説明できる。与えられたサンプルプログラムの動作を説明できない。 課題で与えられた動作仕様を満たすプログラムを実装できていない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
マイクロコンピュータの構成と基本動作,数値の表現を学習する。また,データの移動,算術演算,論理演算,入出力などの命令の動作,さらに条件判断・分岐および繰り返し処理を含む処理手順について学び,アセンブリ言語またはC言語による基礎的なプログラミングについて学習する。ワンボードマイクロコンピュータを用いた実習を通じて,データの取り扱い,移動,分岐・繰り返し処理について学習し,コンピュータの基本的な機能を理解する。
授業の進め方・方法:
実習を中心として授業を進める。講義資料(スライド、サンプルソース等)はLMSで提示する。
注意点:
授業で配布する演習課題のすべての解答・解説することは出来ないため,自分で考えて動作確認を行い,筋道を理解するよう努めること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
数値表現
マイコンが利用されている分野を理解する。
基数の異なる数値表現を理解する。
2週 数値表現
演習
基数の異なる数値表現を理解する。
数値を異なる基数に変換できる。
3週 数値表現
論理演算
数値を異なる基数に変換できる。
論理演算を理解できる。
4週 C言語によるマイコン開発 C言語の演算器号を理解する。
5週 演習 C言語の演算器号を理解する。
6週 演習 C言語の演算器号を理解する。
7週 マイコンボードの導入 開発環境に慣れる。
8週 演習 C言語によりIOを制御できる。
条件判断を適切に利用できる。
2ndQ
9週 中間試験
10週 中間試験の返却と解説
演習
C言語によりIOを制御できる。
条件判断を適切に利用できる。
11週 演習と解説 C言語によりIOを制御できる。
条件判断を適切に利用できる。
12週 演習と解説
ユーザ関数の利用
C言語によりIOを制御できる。
条件判断を適切に利用できる。
13週 演習と解説 C言語によりIOを制御できる。
条件判断を適切に利用できる。
14週 演習と解説 C言語によりIOを制御できる。
条件判断を適切に利用できる。
15週 前期期末試験
16週 試験返却と解説
後期
3rdQ
1週 ガイダンス
マイコンボードと周辺ボードの使用方法を理解する。
2週 I/Oの制御
演習と解説
開発環境に慣れる。
I/Oピンに入出力を割り当てる意味を理解する。
C言語によりIOを制御できる。
3週 I/Oの制御
演習と解説
開発環境に慣れる。
I/Oピンに入出力を割り当てる意味を理解する。
C言語によりIOを制御できる。
4週 演習と解説 I/Oピンに入出力を割り当てる意味を理解する。
C言語によりIOを制御できる。
5週 演習と解説
I/O素子の追加
I/Oピンに入出力を割り当てる意味を理解する。
追加した1対のLEDとスイッチを利用できる。
6週 演習と解説
I/O素子の追加
I/Oピンに入出力を割り当てる意味を理解する。
追加した2対のLEDとスイッチを利用できる。
7週 演習と解説
I/O素子の追加
I/Oピンに入出力を割り当てる意味を理解する。
追加した2対のLEDとスイッチを利用できる。
8週 演習と解説
I/O素子の追加と既存素子の利用
I/Oピンに入出力を割り当てる意味を理解する。
視認性を考慮してC言語によりIOを制御できる。
追加した2対のLEDとスイッチを利用できる。
4thQ
9週 中間試験
10週 試験返却と解説
ハードウェアマニュアルの読み方
演習
ハードウェアマニュアルを参照し,I/Oポートの割当bitを確認できる。
11週 演習と解説
ADINTボードのスイッチを利用
ハードウェアマニュアルを参照し,I/Oポートの割当bitを確認できる。
I/Oピンに入出力を割り当てる意味を理解する。
12週 PWM信号の生成 I/Oピンに入出力を割り当てる意味を理解する。
PWM信号の原理を理解する。
C言語によりPWM信号を生成する方法を理解する。
13週 CLCDの利用 キャラクタLCDへ文字を表示できる。
14週 振り返り
演習と解説
後期で学んだ内容を振り返る。
マイコンボードの基本的なI/Oを利用できる。
PWMによりLEDの明るさを変化できる。
CLCDに文字を表示できる。
15週 学年末試験
16週 試験返却と解説
演習とピアレビュー
3年生で学んだ内容を理解する。
課題取り組み,ピアレビューする。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電気回路オームの法則を説明し、電流・電圧・抵抗の計算ができる。2
情報基本的なアルゴリズムを理解し、図式表現できる。3
プログラミング言語を用いて基本的なプログラミングができる。3
整数、小数を2進数、10進数、16進数で表現できる。4
基数が異なる数の間で相互に変換できる。4
基本的な論理演算を行うことができる。4
基本的な論理演算を組み合わせて任意の論理関数を論理式として表現できる。4
MIL記号またはJIS記号を使って図示された組み合わせ論理回路を論理式で表現できる。3
論理式から真理値表を作ることができる。3
論理式をMIL記号またはJIS記号を使って図示できる。3
情報系分野プログラミング変数とデータ型の概念を説明できる。3
代入や演算子の概念を理解し、式を記述できる。3
制御構造の概念を理解し、条件分岐や反復処理を記述できる。3
プロシージャ(または、関数、サブルーチンなど)の概念を理解し、これらを含むプログラムを記述できる。3
与えられた問題に対して、それを解決するためのソースプログラムを記述できる。4
ソフトウェア生成に必要なツールを使い、ソースプログラムをロードモジュールに変換して実行できる。3
主要な言語処理プロセッサの種類と特徴を説明できる。2
ソフトウェア開発に利用する標準的なツールの種類と機能を説明できる。3
要求仕様に従って、標準的な手法により実行効率を考慮したプログラムを設計できる。3
ソフトウェアアルゴリズムの概念を説明できる。3
与えられたアルゴリズムが問題を解決していく過程を説明できる。3
同一の問題に対し、それを解決できる複数のアルゴリズムが存在しうることを説明できる。2
時間計算量や領域計算量などによってアルゴリズムを比較・評価できることを理解している。2
整列、探索など、基本的なアルゴリズムについて説明できる。2
コンピュータ内部でデータを表現する方法(データ構造)にはバリエーションがあることを説明できる。3
同一の問題に対し、選択したデータ構造によってアルゴリズムが変化しうることを説明できる。2
ソースプログラムを解析することにより、計算量等のさまざまな観点から評価できる。1
同じ問題を解決する複数のプログラムを計算量等の観点から比較できる。1
計算機工学整数・小数を2進数、10進数、16進数で表現できる。4
整数・小数をコンピュータのメモリ上でディジタル表現する方法を説明できる。2
基数が異なる数の間で相互に変換できる。4
基本的な論理演算を行うことができる。4
基本的な論理演算を組合わせて、論理関数を論理式として表現できる。4
論理式の簡単化の概念を説明できる。4
論理ゲートを用いて論理式を組合せ論理回路として表現することができる。2
与えられた組合せ論理回路の機能を説明することができる。2
組合せ論理回路を設計することができる。2
フリップフロップなどの順序回路の基本素子について、その動作と特性を説明することができる。2
レジスタやカウンタなどの基本的な順序回路の動作について説明できる。2
与えられた順序回路の機能を説明することができる。2
順序回路を設計することができる。2
コンピュータを構成する基本的な要素の役割とこれらの間でのデータの流れを説明できる。3
プロセッサを実現するために考案された主要な技術を説明できる。3
メモリシステムを実現するために考案された主要な技術を説明できる。3
入出力を実現するために考案された主要な技術を説明できる。3
システムプログラムコンパイラの役割と仕組みについて説明できる。2
情報数学・情報理論ブール代数に関する基本的な概念を説明できる。3
論理代数と述語論理に関する基本的な概念を説明できる。3
コンピュータ上での数値の表現方法が誤差に関係することを説明できる。2
コンピュータ上で数値計算を行う際に発生する誤差の影響を説明できる。2
その他の学習内容少なくとも一つの具体的なコンピュータシステムについて、起動・終了やファイル操作など、基本的操作が行える。1

評価割合

試験課題合計
総合評価割合45550100
基礎的能力1520035
専門的能力2020040
分野横断的能力1015025