光工学

科目基礎情報

学校 仙台高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 光工学
科目番号 0267 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 知能エレクトロニクス工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 4
教科書/教材 「光技術入門」 堀内敏行 (東京電機大学出版局)
担当教員 那須 潜思,馬場 一隆

到達目標

[波動光学分野] 異なる屈折率を持つ2種類の物質の境界面における光波の振舞いや偏光について理解する。その上で光ファイバを中心とする光伝送の基礎を理解する。また、自由空間中における光ビームの伝搬についても理解する。
[幾何光学分野] レンズやミラーによる結像の原理を理解するとともに,各種の収差の発生要因や特徴を理解する。また,身近な光学機器として顕微鏡とカメラ等を取り上げ,それらの動作原理および性能を理解するのに必要な基礎を習得する。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安最低限レベルの目安(可)未到達レベルの目安
レンズやミラーを用いて要件に合った結像装置を構成できる。収差の発生要因と特徴を理解し,収差が少なくなるように構成できるレンズやミラーを用いた結像装置の焦点距離や結像倍率について説明できる。収差の発生要因と特徴について説明できる。レンズやミラーを用いた結像装置の焦点距離や結像倍率について理解している。収差の発生要因と特徴を理解している。レンズやミラーを用いた結像装置の焦点距離や結像倍率について理解していない。収差の発生要因と特徴を理解していない。
顕微鏡やカメラなどの光学機器の動作原理について,十分に説明できる。顕微鏡やカメラなどの光学機器の動作原理について,説明できる。顕微鏡やカメラなどの光学機器の動作原理について,理解している。顕微鏡やカメラなどの光学機器の動作原理について,理解していない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
エレクトロニクス関連の技術者が知っておいて欲しい基礎的な光学について講義する。
授業の進め方・方法:
光工学の分野は,大別すると「幾何光学」と「波動光学」に分けることができる。前者は光を光線として扱い,後者は光を波として扱う。本講義では,2名の教員がそれぞれ幾何光学と波動光学を担当し,交互に授業を進める。
注意点:
この授業は,5年前期に開講されているレーザ工学との関連が深い。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 波動光学分野:波動光学の基礎1
幾何光学分野:ガイダンス,光線の性質1
・マクスウエルの方程式、波動法的式、平面波について理解し、説明できる。
・フェルマーの原理について理解し,説明できる
2週 波動光学分野:波動光学の基礎2
幾何光学分野:光線の性質2
・偏光について理解し、説明できる。
・屈折率の異なる界面における屈折と反射について理解し,界面における光線の挙動について説明できる。
3週 波動光学分野:波動光学の基礎3
幾何光学分野:レンズ・ミラーによる結像1
・境界条件、スネルの法則、フレネルの公式について理解し、説明できる。
・焦点距離やF値,レンズの主点などの基本事項について説明できる。
・球面境界におけるアッベの不変量の式の導出過程を理解できる。
4週 波動光学分野:波動光学の基礎4
幾何光学分野:レンズ・ミラーによる結像2
・全反射について理解でき、説明できる。
・結像における横倍率を計算できる
5週 波動光学分野:波動光学の基礎5
幾何光学分野:レンズ・ミラーによる結像3
・光の干渉について理解できる。
・複数枚の薄肉レンズから成る光学系の焦点距離を求められる。
・焦点距離可変のレンズの原理について説明できる。
・球面ミラーによる結像について,作図と説明ができる。
6週 波動光学分野:誘電体スラブ導波路1
幾何光学分野:レンズ・ミラーによる結像4
・対称3層スラブ導波路における光の伝搬について理解し、説明できる。
・色々な二次曲面形状のミラーの特徴について説明できる。
・理想的な結像について理解し,単色収差と色収差が発生する理由について説明できる。
7週 波動光学分野:誘電体スラブ導波路2
幾何光学分野:収差1
・対称3層スラブ導波路における光の伝搬について理解し、説明できる。
・ザイデルの5収差と色収差について,各収差の特徴と発生原因ついて説明できる。
8週 波動光学分野:誘電体スラブ導波路3
幾何光学分野:中間試験
・対称3層スラブ導波路における光の伝搬について理解し、説明できる。
2ndQ
9週 波動光学分野:光ファイバ1
幾何光学分野:収差2
・ステップインデックス型光ファイバにおける光の伝搬について理解し、説明できる。
・ザイデルの5収差と色収差について,各収差の特徴と発生原因ついて説明できる。
10週 波動光学分野:光ファイバ2
幾何光学分野:収差3
・ステップインデックス型光ファイバにおける光の伝搬について理解し、説明できる。
・ザイデルの5収差と色収差について,各収差の特徴と発生原因ついて説明できる。
11週 波動光学分野:光ファイバ3
幾何光学分野:各種の光学機器(ルーペと顕微鏡1)
・光ファイバの応用技術について,その仕組と動作について理解し,説明できる。
・顕微鏡について,倍率を高める場合の問題点および分解能について説明できる。
12週 波動光学分野:自由空間におけるガウスビームの伝搬1
幾何光学分野:各種の光学機器(ルーペと顕微鏡2)
・自由空間におけるガウスビームの伝搬について理解し、説明できる。
・顕微鏡における焦点深度について説明できる。
13週 波動光学分野:自由空間におけるガウスビームの伝搬2
幾何光学分野:各種の光学機器(カメラ1)
・自由空間におけるガウスビームの伝搬について理解し、説明できる。
・Fナンバー,実効FナンバーおよびNAの関係について説明できる。
14週 波動光学分野:光の回折1
幾何光学分野:各種の光学機器(カメラ2)
・光の回折現象について理解し,説明できる。
・被写界深度が何によって決まるのかについて説明でき,基本的な場合について計算できる。
15週 波動光学分野:光の回折2
幾何光学分野:各種の光学機器(カメラ3)
・光の回折現象について理解し,説明できる。
・PSFとMTFの意味について理解し,説明できる。
16週 波動光学分野:期末試験答案の返却
幾何光学分野:期末試験答案の返却

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験合計
総合評価割合100100
専門的能力100100