応用物理II

科目基礎情報

学校 仙台高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 応用物理II
科目番号 0277 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 知能エレクトロニクス工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 教科書は特になし.参考書:「熱・統計力学入門」阿部龍藏著(サイエンス社),「キッテル熱物理学」C.Kittel 著,山下次郎,福地充 共訳 (丸善),「熱力学入門」佐々真一著(共立出版)
担当教員 枝松 圭一

到達目標

物質が示すさまざまな物理現象を理解するための熱学・統計力学の基本概念を理解する.熱学・統計力学の基本的な定義,法則を理解するとともに,関連する基本的な問題を解けるようにする。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1熱学・統計力学の基本的な定義,法則を理解し,関連する基本的な問題を解ける。熱学・統計力学の基本的な定義,法則を理解できる。熱学・統計力学の基本的な定義,法則を理解できない。
評価項目2
評価項目3

学科の到達目標項目との関係

JABEE d 当該分野で必要な知識と応用力

教育方法等

概要:
熱力学として,熱と温度,熱と仕事,不可逆変化とエントロピー,熱力学の第一法則と第二法則,統計力学として,分子の熱運動,マクスウェル・ボルツマン分布,電子の統計力学について学ぶ。また,エレクトロニクスに応用されている諸物性についても,その概要を学ぶ。
物質の物理現象をマクロ的立場から概観する熱力学,およびミクロな分子論的立場から概観する統計力学について,その概念を理解することを目標とする。また,物質が持つ様々な性質とその応用についても理解を深める深めることを目標とする。
授業の進め方・方法:
教科書は特に指定せず,配付資料と板書やスライドにより授業を進める.
適宜,授業の理解を助けるためのレポート課題を課すので,自分で解いて期日までに提出すること.
注意点:
基本的専門用語をしっかりと理解すること.例題や演習問題を,まず自力で考えて問題を解くこと習慣をつけること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 熱と温度 熱および温度の物理的概念と基本的事項について学ぶ。
2週 状態量と状態方程式 物質の熱的状態を表す状態量およびそれらの間の関係(状態方程式)について理解する。
3週 熱と仕事 熱と力学的仕事の関係について理解する。
4週 熱力学第一法則 1 エネルギーの保存法則としての熱力学第一法則を理解する。
5週 熱力学第一法則 2 種々の状態変化に伴う熱および仕事の関係,定積熱容量と定圧熱容量について理解する。
6週 熱力学第二法則 1 熱機関と熱力学第二法則(トムソンの原理,クラウジウスの原理)の概念を理解する。
7週 熱力学第二法則 2 カルノーサイクルとカルノーの定理,絶対温度の概念を理解する。
8週 熱力学第二法則 3 可逆過程と不可逆過程,エントロピーと熱力学ポテンシャル,熱平衡状態について理解する。
2ndQ
9週 統計力学の基礎 解析力学の基礎,確率分布,状態密度,配置数など,統計力学の基本的考え方を学び,エントロピーと温度を統計力学の立場から理解する。
10週 小正準集団(ミクロカノニカルアンサンブル) 1 エネルギーが一定の系としての小正準集団の考え方を理解する。
11週 小正準集団(ミクロカノニカルアンサンブル) 2 小正準集団の考え方に基づき,理想気体,調和振動子,二準位系などの熱的性質を求める。
12週 正準集団(カノニカルアンサンブル) 温度が一定の系としての正準集団の考え方およびボルツマン分布について理解する。
正準集団の考え方に基づき,理想気体,二準位系などの熱的性質を求める。
13週 大正準集団(グランドカノニカルアンサンブル) 熱および粒子数の変化を伴う際の,大正準集団および化学ポテンシャルの考え方を理解する。
14週 統計力学の応用 統計力学の考え方を応用し,固体や光の熱的性質を理解する。
15週 期末試験
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

期末試験平常点(レポート等)合計
総合評価割合7030100
基礎的能力301040
専門的能力301040
分野横断的能力101020