固体物性工学

科目基礎情報

学校 仙台高等専門学校 開講年度 平成27年度 (2015年度)
授業科目 固体物性工学
科目番号 0023 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 生産システムデザイン工学専攻 対象学年 専1
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 量子物理学入門-物質工学を学ぶ人のために  木下彬、尾林見郎、青野朋義 共著(東京電機大学出版局)
担当教員 鈴木 勝彦

到達目標

量子力学の基本となるSchrödinger方程式の導入について学び、波動関数の意味、物理量と演算子の関係、期待値などの基本を学び、さらに量子統計の基本となるFermi-Dirac統計、Bose-Einstein統計、古典統計のMaxwell-Boltzmann統計を学ぶ。これらを基本としてアインシュタインの挑戦し た物体の比熱の計算、分子の吸収波長の計算や応用例(走査トンネル顕微鏡(STM)、超伝導量子干 渉磁束計(SQUID)など)への応用を学び、先端科学技術を駆使したものづくりに役立てられる基本が身に付くことを目標とする。 

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1
評価項目2
評価項目3

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
ナノテクノロジーやマイクロテクノロジーだけでなく、これらを融合したテクノロジーは今やあらゆる分野で応用され、電化製品だけでなく日用品、化粧品、文房具など我々の身の回りで活用され、しかも日々応用製品は進化、発展し続けている。固体物性工学はこれらの技術を支える重要な学問の一つであり、量子力学と統計力学を基本として、国体のマクロの物理的性質をオングストロームスケール、ナノスケール、マイクロスケールからの視点から構築し、基礎学習からその応用まで学習する。
授業の進め方・方法:
◆授業の進め方:講義を中心にして、PowerPoint(マイクロソフト社)による画像を活用したり、Blackboard社のLMSを活用してeラーニングによる授業を進める予定。
◆授業内容:教科書を中心にして、応用例としてアインシュタインの挑戦し た物体の比熱の計算、分子の吸収波長の計算や応用例(走査トンネル顕微鏡(STM)、超伝導量子干 渉磁束計 
 (SQUID)など)を学び、先端科学技術を駆使したものづくりに役立てられるよう心がけて講義 する。
◆評価方法:各テーマ毎ににレポートを課題として出す(70%評価)。最後に簡単な内容理解の確認テストを行う予定(30%評価)。 
注意点:
学士課程の工学系学生においては、量子力学、量子統計力学は基本的素養となっていることに注意すること。また学科によって準学士課程で少しかじった学生は、時間的なこともあり、複雑な計算過程を省略して概要的な学習だけにならざうるを得ない状況になっているので、学部学生卒程度の学習レベルに達する努力をする事が必要であることに注意する事。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 【導入】先端技術と固体物性工学 先端技術と固体物性工学の相互依存関係が理解できる。
2週 【量子力学】量子力学の考え方Ⅰ
        量子力学の考え方Ⅱ
(1)古典力学との違いが理解できる。
(2)シュレディンガー方程式とハイゼンベルグの不確定性原理が理解できる。
3週 (1)固有関数とエネルギー固有値 Ⅰ
(2)固有関数とエネルギー固有値 Ⅱ
(1)井戸型ポテンシャルに閉じ込められた電子の波動関数、エネルギー準位の計算ができる。
(2)1次元調和振動子の波動関数、エネルギー準位が計算できる。
4週 (1)水素様原子の解法
(2)スピンとパウリの排他律
(1)水素様原子の電子の波動関数及びエネルギー準位が計算できる。
(2)スピン演算子、ゼーマン効果、パウリの排他律が理解できる。
5週 【統計力学】(1)統計力学の考え方
(2)量子統計と古典統計
(1)統計集団、統計力学の基本仮定が理解できる。
(2)量子統計(Fermi-Dirac統計、Bose-Einstein統計)と
古典(Maxwell-Boltzmann統計)が理解できる。
6週 【応用例】(1)固体の比熱 (1)比熱に関するアインシュタインの理論、デバイの理論を理解できる。電子比熱を理解しフェルミ準位近傍の状態密度が計算できる。
7週 (2)超伝導
(3)分子の吸収波長の計算
(2)マイスナー効果、ジョセフソン効果、SQUIDが理解できる。
(3)自由電子模型によって分子の吸収波長が計算できる。
8週 (3)トンネル効果
(4)トンネル磁気抵抗(TMR)効果
(3)トンネル効果が理解できる。トンネル効果を利用したトンネルデバイスと走査型トンネル顕微鏡について理解できる。
(4)TMR効果とその応用が理解できる。
4thQ
9週
10週
11週
12週
13週
14週
15週
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合0000000
基礎的能力0000000
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000