技術者倫理

科目基礎情報

学校 仙台高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 技術者倫理
科目番号 0108 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 生産システムデザイン工学専攻 対象学年 専1
開設期 前期 週時間数 1
教科書/教材 田岡直規、橋本義平、水野朝夫編集:「技術者倫理 日本の事例と考察」丸善
担当教員 葛原 俊介,小林 仁

到達目標

Ⅳ-B-1技術者倫理の基本と実践
 Ⅳ-B-1①技術者倫理が必要とされる社会的背景や重要性を理解し、社会における技術者の役割と責任を説明できる。
 Ⅳ-B-1②説明責任、内部告発、製造物責任、リスクマネジメントなど、技術者の行動に関する基本的事項を理解し、説明できる。
 Ⅳ-B-1③技術者を目指す者として、社会での行動規範としての技術者倫理を理解し、問題への適切な対応力(どうのように問題を捉え、考え、行動するか)を身に付けて、課題解決のプロセスを実践できる。
Ⅳ-B-2情報倫理
 Ⅳ-B-2①情報技術の進展が社会に及ぼす影響、及び個人情報保護法、著作権などの法律との関連について理解できる。
 Ⅳ-B-2②高度情報通信ネットワーク社会の中核にある情報通信技術と倫理との関わりを理解できる。
Ⅳ-B-3環境倫理
  Ⅳ-B-3①技術者を目指す者として、環境問題について配慮することができる。
Ⅳ-B-4国際倫理
 Ⅳ-B-4①技術者を目指す者として、社会と地域について配慮することができる。
Ⅳ-B-5知財教育
 Ⅳ-B-5①技術者を目指す者として、知的財産に関する知識(関連法案を含む)、技能、態度を身につける。
 Ⅳ-B-5②知的財産の社会的意義や重要性を技術者として理解し、知的創造サイクルを支えることができる。
Ⅳ-B-6法令順守
 Ⅳ-B-6①技術者を目指す者として、知的財産を意識した創造性を発揮できる。
 Ⅳ-B-6②技術者を目指す者として各国・各地域での活動において、各国・各地域の文化、慣習などを尊重し、それぞれの国や地域に適用される関係法令などを守ることができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
Ⅳ-B-1①技術者倫理が必要とされる社会的背景や重要性を理解し、社会における技術者の役割と責任に関して事例を基に分析できる.技術者倫理が必要とされる社会的背景や重要性を理解し、社会における技術者の役割と責任に関して事例を基に評価できる.技術者倫理が必要とされる社会的背景や重要性を理解し、社会における技術者の役割と責任に関して事例を基に説明できる.
Ⅳ-B-1②説明責任、内部告発、製造物責任、リスクマネジメントなど、技術者の行動に関する基本的事項を理解し、事例を基に分析できる.説明責任、内部告発、製造物責任、リスクマネジメントなど、技術者の行動に関する基本的事項を理解し、事例を基に評価できる.説明責任、内部告発、製造物責任、リスクマネジメントなど、技術者の行動に関する基本的事項を理解し、事例を基に説明できる.
Ⅳ-B-1③技術者を目指す者として、社会での行動規範としての技術者倫理を理解し、問題への適切な対応力(どうのように問題を捉え、考え、行動するか)を身に付けて、課題解決のプロセスに関して事例に適用し分析できる.技術者を目指す者として、社会での行動規範としての技術者倫理を理解し、問題への適切な対応力(どうのように問題を捉え、考え、行動するか)を身に付けて、課題解決のプロセスに関して事例に適用し評価できる.技術者を目指す者として、社会での行動規範としての技術者倫理を理解し、問題への適切な対応力(どうのように問題を捉え、考え、行動するか)を身に付けて、課題解決のプロセスに関して事例に適用できる.
Ⅳ-B-2①情報技術の進展が社会に及ぼす影響、及び個人情報保護法、著作権などの法律との関連について事例を基に分析できる.情報技術の進展が社会に及ぼす影響、及び個人情報保護法、著作権などの法律との関連について事例を基に評価できる.情報技術の進展が社会に及ぼす影響、及び個人情報保護法、著作権などの法律との関連について事例を基に説明できる.
Ⅳ-B-2②高度情報通信ネットワーク社会の中核にある情報通信技術と倫理との関わりについて事例を基に分析できる.高度情報通信ネットワーク社会の中核にある情報通信技術と倫理との関わりについて事例を基に評価できる.高度情報通信ネットワーク社会の中核にある情報通信技術と倫理との関わりについて事例を基に説明できる.
Ⅳ-B-3①技術者を目指す者として、環境問題への配慮について事例を基に分析できる.技術者を目指す者として、環境問題への配慮について事例を基に評価できる.技術者を目指す者として、環境問題への配慮について事例を基に説明できる.
Ⅳ-B-4①技術者を目指す者として、社会と地域への配慮について事例を基に分析できる.技術者を目指す者として、社会と地域への配慮について事例を基に評価できる.技術者を目指す者として、社会と地域への配慮について事例を基に説明できる.
Ⅳ-B-5①技術者を目指す者として、知的財産に関する知識(関連法案を含む)、技能、態度について事例を基に分析できる.技術者を目指す者として、知的財産に関する知識(関連法案を含む)、技能、態度について事例を基に評価できる.技術者を目指す者として、知的財産に関する知識(関連法案を含む)、技能、態度について事例を基に説明できる.
Ⅳ-B-5②知的財産の社会的意義や重要性を技術者として理解し、知的創造サイクルを支えることについて事例を基に分析できる.知的財産の社会的意義や重要性を技術者として理解し、知的創造サイクルを支えることについて事例を基に評価できる.知的財産の社会的意義や重要性を技術者として理解し、知的創造サイクルを支えることについて事例を基に説明できる.
Ⅳ-B-6①技術者を目指す者として、知的財産を意識した創造性について事例を基に分析できる. 技術者を目指す者として、知的財産を意識した創造性について事例を基に評価できる技術者を目指す者として、知的財産を意識した創造性について事例を基に説明できる
Ⅳ-B-6②技術者を目指す者として各国・各地域での活動において、各国・各地域の文化、慣習などを尊重し、それぞれの国や地域に適用される関係法令などを守ることについて事例を基に分析できる.技術者を目指す者として各国・各地域での活動において、各国・各地域の文化、慣習などを尊重し、それぞれの国や地域に適用される関係法令などを守ることについて事例を基に評価できる.技術者を目指す者として各国・各地域での活動において、各国・各地域の文化、慣習などを尊重し、それぞれの国や地域に適用される関係法令などを守ることについて事例を基に説明できる.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
技術者として、真に社会に貢献できる広い視野と揺るがない倫理性を身に着けることが本講義の主な目標です。科学技術の持つ素晴らしい力は社会にとって、かけがいのない利益をもたらしますが、その力故に福島第一原発事故のような取り返しのつかない結果も生みます。平成23年3月11日の東日本大震災を経験した私達は、技術に対する痛切な反省に立ち、技術を推進する者のあり方を考え直す必要があるでしょう。技術は経済的な力の源泉にもなりますが、使い方によっては他人や他国の不幸も招きます。歴史的国際的な視点に立ち、社会に貢献する技術者としての自覚が必要です。
授業の進め方・方法:
この科目は、講師による講義・学生諸君と講師との討論・学生同士の意見交換およびそれの基づく簡単な文章表現が義務となります。
事前学習(予習):毎回の授業前までに、授業で行う内容と意義を考えて整理しておくこと。
事後学習(復習):毎回の授業後に、授業で学んだことを振り返り、今後へ活かす方法を考えること。
注意点:
オープンエンドな問題提起に対する創造的な取組を期待しています。
講師・学生および学生同士のコミュニケーション力と表現力を身に着けることも必要です。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 7原則・9義務,技術士倫理綱領,NSPE Code of Ethics for Engineers 7原則・9義務,技術士倫理綱領,NSPE:CEEについて説明できる。
2週 説明責任,PL法,内部告発,集団思考 説明責任,PL法,内部告発,集団思考について説明できる。
3週 リスク管理,解決方法,コンプライアンス,CSR リスク管理,解決方法,コンプライアンス,CSRについて説明できる。
4週 課題研究発表準備(1) 技術者倫理の必要とされる事象についてのグループ研究の内容をまとめることができる
5週 課題研究発表準備(2) 技術者倫理の必要とされる事象についてのグループ研究の内容をまとめることができる
6週 課題研究発表準備(3) 技術者倫理の必要とされる事象についてのグループ研究の内容をまとめることができる
7週 課題研究発表会 他のグループの課題研究の内容について議論することができる
8週
2ndQ
9週
10週
11週
12週
13週
14週
15週
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力人文・社会科学社会地歴・公民現代科学の考え方や科学技術の特質、科学技術が社会や自然環境に与える影響について理解できる。6
社会や自然環境に調和し、人類にとって必要な科学技術のあり方についての様々な考え方について理解できる。6
専門的能力専門的能力の実質化PBL教育PBL教育工学が関わっている数々の事象について、自らの専門知識を駆使して、情報を収集することができる。6
集められた情報をもとに、状況を適確に分析することができる。6
与えられた目標を達成するための解決方法を考えることができる。6
状況分析の結果、問題(課題)を明確化することができる。6
各種の発想法や計画立案手法を用いると、課題解決の際、効率的、合理的にプロジェクトを進めることができることを知っている。6
各種の発想法、計画立案手法を用い、より効率的、合理的にプロジェクトを進めることができる。6
共同教育共同教育技術者として、幅広い人間性と問題解決力、社会貢献などの必要性を理解できる。5
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能相手の意見を聞き、自分の意見を伝えることで、円滑なコミュニケーションを図ることができる。6
相手を理解した上で、説明の方法を工夫しながら、自分の意見や考えをわかりやすく伝え、十分な理解を得ている。6
集団において、集団の意見を聞き、自分の意見も述べ、目的のために合意形成ができる。6
目的達成のために、考えられる提案の中からベターなものを選び合意形成の上で実現していくことができ、さらに、合意形成のための支援ができる。6
ICTやICTツール、文書等を基礎的な情報収集や情報発信に活用できる。6
ICTやICTツール、文書等を自らの専門分野において情報収集や情報発信に活用できる。6
現状と目標を把握し、その乖離の中に課題を見つけ、課題の因果関係や優先度を理解し、そこから主要な原因を見出そうと努力し、解決行動の提案をしようとしている。6
現状と目標を把握し、その乖離の中に課題を見つけ、課題の因果関係や優先度を理解し、発見した課題について主要な原因を見出し、論理的に解決策を立案し、具体的な実行策を絞り込むことができる。6
事象の本質を要約・整理し、構造化(誰が見てもわかりやすく)できる。5
複雑な事象の本質を整理し、構造化(誰が見てもわかりやすく)できる。結論の推定をするために、必要な条件を加え、要約・整理した内容から多様な観点を示し、自分の意見や手順を論理的に展開できる。5
態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性身内の中で、周囲の状況を改善すべく、自身の能力を発揮できる。 6
集団の中で、自身の能力を発揮して、組織の勢いを向上できる。6
チームワークの必要性・ルール・マナーを理解し、自分の感情の抑制、コントロールをし、他者の意見を尊重し、適切なコミュニケーションを持つとともに、当事者意識を持ち協調して共同作業・研究をすすめることができる。6
組織やチームの目標や役割を理解し、他者の意見を尊重しながら、適切なコミュニケーションを持つとともに、成果をあげるために役割を超えた行動をとるなど、柔軟性を持った行動をとることができる。6
先にたって行動の模範を示すことができる。口頭などで説明し、他者に対し適切な協調行動を促し、共同作業・研究をすすめことができる。6
目指すべき方向性を示し、先に立って行動の模範を示すことで他者に適切な協調行動を促し、共同作業・研究において、系統的に成果を生み出すことができる。リーダーシップを発揮するために、常に情報収集や相談を怠らず自身の判断力をも磨くことができる。6
法令を理解し遵守する。基本的人権について理解し、他者のおかれている状況を理解することができる。自分が関係している技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を理解し、技術者が社会に負っている責任を認識している。5
法令を理解し遵守する。研究などで使用する、他者のおかれている状況を理解できる。自分が関係している技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を理解し、技術者が社会に負っている責任を認識し、身近で起こる関連した情報や見解の収集に努めるなど、技術の成果が社会に受け入れられるよう行動できる。5
未来の多くの可能性から技術の発展と持続的社会の在り方を理解し、自らのキャリアを考えることができる。5
技術の発展と持続的社会の在り方に関する知識を有し、未来社会を考察することができるとともに、技術の創造や自らのキャリアをデザインすることが考慮できる。5
総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力工学的な課題を論理的・合理的な方法で明確化できる。6
公衆の健康、安全、文化、社会、環境への影響などの多様な観点から課題解決のために配慮すべきことを認識している。6

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合06020100090
基礎的能力03010100050
専門的能力0301000040
分野横断的能力0000000