環境化学概論

科目基礎情報

学校 仙台高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 環境化学概論
科目番号 0136 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 生産システムデザイン工学専攻 対象学年 専1
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 環境と化学 グリーンケミストリー入門 第2版 東京化学同人
担当教員 遠藤 智明,関戸 大

到達目標

環境問題に関する研究データを理解し、その意味を解釈できる
環境問題に関する用語を理解し、環境問題に関する自身の考えを述べることができる

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
環境問題に関するデータと解釈環境問題に関する事項についてデータを用い説明し、説得力のある解釈ができる。環境問題に関する事項についてデータを用い説明できるが、データの解釈に説得力が無い。環境問題に関する事項についてデータを用い説明できない。
環境問題の知識環境問題に関する用語について、その意味を分かりやすく説明できる。環境問題に関する用語について、その意味を説明できるが、曖昧さがある。環境問題に関する用語についての説明が明確でない。
環境問題に関する考え環境問題に関して、データと化学的理解に基づく説得力のある意見を述べることができる。環境問題に関して、データと化学的理解に基づく意見を述べることができるが、意見に飛躍があり説得力に欠ける。環境問題に関して、意見を述べることができるが、根拠が不十分であり曖昧である。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
現在、持続可能な社会を目指し様々な環境問題に関する取り組みがなされている。地球温暖化をはじめメディアでは様々な報道がなされているが、中には化学的な根拠が不十分であり事実と異なる解釈も多い。本講義では、環境問題に関して基礎となる知識、根拠とされるデータ、その解釈の仕方を学び、講義修了時に、環境問題に対しデータに基づく説得力のある意見を持てるようになる。これは、今後の産業界で大いに役立つスキルである。
授業の進め方・方法:
授業は講師による講義を行うインプットのフェイズと、ジグソー法、ピアインストラクション、ポスターツアーなどのグループワークにより受講者がアウトプットをするフェイズにより構成されている。この授業形式は、対人的なアウトプットが知識の定着度を向上させるという認知心理学の知見に基づいている。
教科書に基づき「大気汚染」「水資源」「地球温暖化」「オゾンホール」「エネルギー問題」「リサイクル」を学ぶ。教科書6章、7章については化学の専門性が高く前提知識が必要となるため簡単な概要のみを学ぶ。
予習:授業トピックについて動画などのweb教材を用いた事前学習を行う。
復習:授業トピックについてレポートなどの事後課題を行う。
注意点:
毎回の講義においてシャトルカードを提出し出席とします。シャトルカードには毎回の授業の評価と改善希望点を記入して貰います。一緒に良い授業を作るために忌憚無い意見をフィードバックして下さい。この講義の主役は学習者である君達です。
授業への質問はシャトルカードに書いてくれれば回答します。
また、オフィスアワーに直接質問に来ること、メールでの質問どちらも歓迎します。
オフィスアワー 金曜日16:10~17:10、月曜日4校時
メール:sekido@sendai-nct.ac.jp

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 「ガイダンス〜環境化学を学ぶ意味〜」
「空気をきれいに〜PM2.5とは何か?〜」
Think・Pair・Share、ピアインストラクション
大気汚染物質であるNOx, SOx, SPMについて原因と地球環境への負荷を説明できる
2週 「空気をきれいに〜世界一きれいな空気の国は?〜」
Think・Pair・Share、ポスターツアー
大気汚染を防止、抑制するための手法とを説明できる
大気汚染を防止、抑制するための法規制について化学的根拠に基づき自分の意見を述べることができる
3週 「貴重な水資源〜日本は水不足?〜」
Think・Pair・Share、ジグソー法
水資源について定義を説明できる
ヴァーチャルウォーターの概念を用い水資源の過不足について説明できる
水資源の用途を3つ挙げることができる
4週 「貴重な水資源〜水資源の作り方〜」
Think・Pair・Share、ジグソー法
浄水処理の仕組みを説明できる
海水から水資源を作る仕組みを説明できる
水質汚濁について汚濁物質と評価指標を説明できる
5週 「地球温暖化〜温暖化は起きているのか?〜」
Think・Pair・Share、ジグソー法
温室効果の役割を説明できる
地球温暖化のデータを説明できる
6週 「地球温暖化〜CO2削減で何が変わったのか?〜」
Think・Pair・Share、ディベート
地球温暖化についてCO2削減の持つ意味を説明できる
地球温暖化のデータについて説得力のある意見を述べることができる
7週 振り返り
Think・Pair・Share、ピアインストラクション
1週から6週の内容について、演習問題を解き解説することができる
8週 「オゾン層を守ろう〜紫外線はなぜ体に悪い?〜」
Think・Pair・Share、ジグソー法
紫外線の生物への影響を説明できる
オゾン層の役割を説明できる
オゾン層が破壊される化学的機序を説明できる
2ndQ
9週 「エネルギーを大切に〜日本のエネルギーを考える〜」
Think・Pair・Share、ジグソー法
エネルギーの変換効率について説明できる
火力発電の仕組みと効率化について説明できる
10週 「エネルギーを大切に〜持続可能エネルギーとは?〜」
Think・Pair・Share、ジグソー法
太陽光発電、燃料電池、バイオ燃料について説明できる
太陽光発電、燃料電池、バイオ燃料について有用性をデータに基づき説明できる
11週 「エネルギーを大切に〜メガソーラーはどうなった?〜」
Think・Pair・Share、ジグソー法
太陽光発電、燃料電池、バイオ燃料について有用性をデータに基づき説明できる
12週 「廃棄物のリサイクル〜リサイクルは環境に優しいか?〜」
Think・Pair・Share、ジグソー法
ライフサイクルアセスメントの考え方から、製品のリサイクルを評価できる
13週 廃棄物のリサイクル〜リサイクルは環境に優しいか?〜」
Think・Pair・Share、ディベート
ライフサイクルアセスメントの考え方から、製品のリサイクルを評価できる
14週 振り返り
Think・Pair・Share、ピアインストラクション
8週から13週の内容について、演習問題を解き解説することができる
15週 振り返り
ディベート
1~14週の内容に基づき、環境問題の解決について議論する
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオレポート合計
総合評価割合02000080100
基礎的能力000002020
専門的能力0100004050
分野横断的能力0100002030