シミュレーション工学

科目基礎情報

学校 仙台高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 シミュレーション工学
科目番号 0163 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 生産システムデザイン工学専攻 対象学年 専2
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 プリントを配布する.
担当教員 北川 明生,遠藤 昇

到達目標

化学プロセスのモデル化の方法と,その解法を身につける.
モンテカルロ法の概要を理解し、その解法を身に付ける.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1反応拡散対流方程式が導出でき,適切な方法で近似解を求めることができる.反応拡散対流方程式の近似解法を理解している.反応拡散対流方程式の近似解法を理解していない.
評価項目2モンテカルロ法の概要を理解し、それを応用して近似解を求めることができる.モンテカルロ法の概要を理解している.モンテカルロ法の概要を理解していない.
評価項目3

学科の到達目標項目との関係

JABEE A2 情報技術を理解し、工業技術に応用できる基礎能力
JABEE D2 専門分野と周辺の工業技術を理解し、デザインに応用展開できる能力

教育方法等

概要:
第1週から第8週の授業は、数値シミュレーション技術の意義を解説した後,化学プロセスを例にとり,モデル化および近似解法について解説する.
第9週から第16週の授業は、確率的モデルを用いたシミュレーションを概説した後、モンテカルロ法を用いたシミュレーション手法について解説する.
全16週のうち、第9週から第16週の授業は、企業でネットワークシステムのシミュレーション評価を担当していた者が担当する。
授業の進め方・方法:
授業は座学で行なう.プログラミングは演習課題として出題する.
予習:シラバスを参考にして、学習予定の内容に関する配布プリントをよく読んでおくこと。
復習:ノートを読み返すこと。理解できるまで演習問題を解き直すこと。
注意点:
課題に解答できるよう,プログラミング環境の整った計算機を用意すること.前半の授業では、プログラム言語は指定しないので,各自得意なものを用いること.後半のモンテカルロ法の例題はPythonベースで与えるので、Pythonの基礎
知識を持っていること、または、Pythonの基礎を理解する意欲があることが望ましい。提出された課題により成績評価を行なう.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 シミュレーション技術の意義. シミュレーション技術の意義について,実験的方法と比較して理解する.
2週 化学プロセスの概要. 化学プロセスの動作原理および内部で生じる物理現象・化学現象について理解する.
3週 反応拡散対流方程式1 化学反応、拡散、対流の測度論を理解する。
4週 反応拡散対流方程式2 反応拡散対流方程式を導出できる.適切な初期条件・境界条件について理解する.
5週 有限差分法の原理とアルゴリズム 有限差分法の原理を理解し,得られた近似式の解法について理解する.
6週 非線形問題と多成分問題について. 非線形問題および多成分問題について,安定な解を得るための近似法およびアルゴリズムについて理解する.
7週 セルオートマトン1 セルオートマトンモデルの特徴について理解する.
8週 セルオートマトン2 セルオートマトンモデルによる物理化学現象のシミュレーションについて理解する.
2ndQ
9週 確率的モデルとシミュレーション 確率的モデルを用いたシミュレーションの概要を理解する.
10週 乱数と検定 主な乱数の発生法、乱数列の基本的な検定法を理解する.
11週 任意分布の乱数発生 指数乱数、正規乱数の発生法を理解する.
12週 モンテカルロ法の基礎 モンテカルロ法の基本的なシミュレーション技法を理解する.
13週 モンテカルロ法の応用(1)定積分 定積分を例に、決定論的手法とモンテカルロ法の違いを理解する.
14週 モンテカルロ法の応用(2)在庫管理 在庫管理モデルを例に、タイムスライスシミュレーションの概要を理解する.
15週 モンテカルロ法の応用(3)待ち行列1 待ち行列モデルを例に、イベントシミュレーションの概要を理解する.
16週 モンテカルロ法の応用(4)待ち行列2 待ち行列モデルを例に、モンテカルロ法での結果の評価方法を理解する.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野情報処理プログラムを実行するための手順を理解し、操作できる。5前1,前5
情報系分野情報数学・情報理論離散数学に関する知識をアルゴリズムの設計、解析に利用することができる。5前5,前6,前7
コンピュータ向けの主要な数値計算アルゴリズムの概要や特徴を説明できる。6前5,前6,前7,前8

評価割合

レポート発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力500000050
専門的能力300000030
分野横断的能力200000020