電子機能デバイス

科目基礎情報

学校 仙台高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 電子機能デバイス
科目番号 0169 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 生産システムデザイン工学専攻 対象学年 専2
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 資料および演習プリント
担当教員 鈴木 勝彦,熊谷 晃一

到達目標

各種電子機能デバイスの機能性の発現機構、特性、材料についての基礎知識を身につけ、システムからの要求に応じてそれらを適用できるようになる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
機能性発現機構の理解物理学と化学及び関連する工学の知識を使って、機能性発現機構を詳細に説明できる。物理学と化学及び関連する工学の知識を使って、機能性発現機構を説明できる。物理学と化学及び関連する工学の知識を使って、機能性発現機構を説明できない。
応用されたデバイスの特性の理解応用されたデバイスの特性を応用される場面も含めて詳細に説明できる。応用されたデバイスの特性を応用される場面も含めて説明できる。応用されたデバイスの特性を応用される場面も含めて説明できない。

学科の到達目標項目との関係

JABEE D1 専門分野に関する工業技術を理解し、応用する能力

教育方法等

概要:
広範な電子機能デバイスのうち、磁性および光学関連デバイスを取りあげる。両デバイスは、近年の情報化社会を支える基盤技術要素であると同時に、現代社会が直面する環境問題を解決する上でも重要な技術要素となっている。磁気を応用した記録、保存、将来のデバイスについてとエネルギー変換・発光・受光・表示・伝送・変調・記録の各機能を担う代表的なデバイスについて、各機能の発現機構と、そこで用いられている材料の特徴がいかに特性を支配するかを学ぶ。
授業の進め方・方法:
毎回、講義内容に関して理解度を確認する課題やレポート作成を行い、知識の定着を図りながら学習する。

予習:授業トピックについて配布プリントやweb教材を用いた事前学習を行う。
復習:授業トピックについてレポートなどの事後課題を行う。
授業資料の公開や課題提出のためにブラックボードシステムを援用します。ブラックボードシステムの利用方法を確認しておくこと。授業期間中の一部がTeamsを使った遠隔授業となることもあります。Teamsの利用方法も確認しておくこと。
注意点:
固体物性工学、ナノテクノロジー、応用電子計測、物質評価学などの関連科目も併せて受講し、これら科目の知識を整理し相互に活用できることが望ましい。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 1. 電子機能デバイスの基礎その1 電子機能デバイス理解のための物理的な基礎事項を理解し説明できる。
2週 2. 電子機能デバイスの基礎その2 マイクロ・ナノスケールの作製技術、測定技術を理解し説明できる。
3週 3. 磁性理論(遍歴電子系と局在系)の基礎学習 自己無到着繰り込み理論、アンダーソン局在理論の概要について理解し説明できる。
4週 4. スピントロニクスの基礎
巨大磁気抵抗効果、トンネル磁気抵抗効果、ハーフメタルについて理解し説明できる。
5週 5. スピントロニクスの応用 TMR、巨大TMRデバイス、MRAM、光磁気デバイスについて理解し説明できる。
6週 6. スピンを利用しないエレクトロニクス・デバイス スピンを利用しないで結晶性、非結晶性変化など利用したデバイスを理解し説明できる。
7週 7. エネルギー変換デバイス、電子機能デバイスの未来について
熱電変換素子などのエネルギー変換素子や将来の電子機能デバイスについて理解し説明できる。
8週 8. 理解度チェック 理解度チェックの課題に答えられる。
2ndQ
9週 9. 光学機能デバイスの導入 光学機能デバイスの概要を理解できる。
10週 10. 電子機能デバイス
物質と光との相互作用と光学定数
機能性電子デバイスの発展と工学上の役割を説明できる。
反射・吸収・透過・散乱の原理を理解し、光学定数を説明できる。
11週 11. 光の強度変化とその応用
光の周波数変化とその応用
高調波発生の原理を理解し、非線形光学結晶を説明できる。
高調波発生の原理を理解し、非線形光学結晶を説明できる。
12週 12. 光の偏光度変化とその応用
光の進行方向変化とその応用
直線偏光と円偏光、偏光度の原理を理解し、液晶、ファラデーセルを説明できる。
屈折、回折、電気光学効果の原理を理解し、光ファイバー、ポッケルスセルを説明できる。
13週 13. 物質の光電効果
物質の光電効果の応用
光起電力、光伝導、光電子放出の原理を理解し、説明できる。
フォトダイオード、光電管、太陽電池への応用を説明できる。
14週 14. 物質の光誘起光学変化
物質の光誘起光学変化の応用
フォトクロミズム、光屈折性の原理を説明できる。
光磁気・相変化ディスクを説明できる。
15週 15. 物質の発光
物質の発光の応用
フォトルミネッセンス、熱・電界・電荷注入発光の原理を説明できる。
蛍光体、レーザー媒質、LED・LDを説明できる。
16週 16. 理解度確認テスト 内容の理解度、応用力を確認するテスト

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理波動波の振幅、波長、周期、振動数、速さについて説明できる。5前9
横波と縦波の違いについて説明できる。5前9
波の重ね合わせの原理について説明できる。5前9
波の独立性について説明できる。5前9
2つの波が干渉するとき、互いに強めあう条件と弱めあう条件について計算できる。5前9
定常波の特徴(節、腹の振動のようすなど)を説明できる。5前9
ホイヘンスの原理について説明できる。5前9
波の反射の法則、屈折の法則、および回折について説明できる。5前9,前10
自然光と偏光の違いについて説明できる。5前12
光の反射角、屈折角に関する計算ができる。5前10
波長の違いによる分散現象によってスペクトルが生じることを説明できる。5前10,前11
電気導体と不導体の違いについて、自由電子と関連させて説明できる。5
オームの法則から、電圧、電流、抵抗に関する計算ができる。5
抵抗を直列接続、及び並列接続したときの合成抵抗の値を求めることができる。5
ジュール熱や電力を求めることができる。5
専門的能力分野別の専門工学材料系分野材料物性陽子・中性子・電子からなる原子の構造について説明できる。5
ボーアの水素原子模型を用いて、エネルギー準位を説明できる。5
4つの量子数を用いて量子状態を記述して、電子殻や占有する電子数などを説明できる。5
周期表の元素配列に対して、電子配置や各族および周期毎の物性の特徴を関連付けられる。5
電子が持つ粒子性と波動性について、現象を例に挙げ、式を用いて説明できる。5
量子力学的観点から電気伝導などの現象を説明できる。5
不純物半導体のエネルギーバンドと不純物準位を描き、伝導機構について説明できる。5前13
有機材料有機物が炭素骨格を持つ化合物であることを説明できる。4
電気・電子系分野電子工学電子の電荷量や質量などの基本性質を説明できる。5
エレクトロンボルトの定義を説明し、単位換算等の計算ができる。5
原子の構造を説明できる。5
パウリの排他律を理解し、原子の電子配置を説明できる。5
結晶、エネルギーバンドの形成、フェルミ・ディラック分布を理解し、金属と絶縁体のエネルギーバンド図を説明できる。5
金属の電気的性質を説明し、移動度や導電率の計算ができる。5
真性半導体と不純物半導体を説明できる。5
半導体のエネルギーバンド図を説明できる。5
pn接合の構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてpn接合の電流―電圧特性を説明できる。5前15
バイポーラトランジスタの構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてバイポーラトランジスタの静特性を説明できる。5
電界効果トランジスタの構造と動作を説明できる。5

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオ演習等レポート合計
総合評価割合000004060100
基礎的能力00000000
専門的能力000004060100
分野横断的能力00000000