物質評価学

科目基礎情報

学校 仙台高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 物質評価学
科目番号 0171 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 生産システムデザイン工学専攻 対象学年 専2
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材
担当教員 佐藤 友章

到達目標

素材・材料に関する諸特性とその評価方法を理解し、専攻研究等で行っているテーマを含めて客観的視点に立った物質の評価方法と解析方法について説明できるようになる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1精度と誤差を理解し、有効数字・誤差の伝搬を考慮した計測値の処理が行える。有効数字の概念が理解でき、評価値としての信頼区間を説明できる。左記ができない。
評価項目21次元及び2次元の分散分析について説明できること。測定値を整理して、平均・分散・標準偏差・相関係数・回帰曲線を求めることができ、母集団の検定を行える。左記ができない。
評価項目3専攻研究で行っているテーマを対象として、客観的視点に立った評価・解析方法を説明でき、評価値のの優位性を示せること。物質や材料の諸特性について、定量的評価方法を説明できること。左記ができない。

学科の到達目標項目との関係

JABEE D2 専門分野と周辺の工業技術を理解し、デザインに応用展開できる能力

教育方法等

概要:
素材や材料の諸特性を評価することは優れた素子や製品を開発する上で極めて重要である。本科目では、機器分析と応用統計学を組み合わせながら、素材や各種材料の諸特性と適した評価方法について解説と演習を行う。また、各自取り組んでいる専攻研究のテーマも取り上げ、信頼性のある特性評価の観点からプレゼンテーションを行い、物質の評価方法について理解を深める。
授業の進め方・方法:
準学士過程や専攻科1年で学んだ力学系科目、電気系科目、計測系科目、学生実験や専攻実験の各テーマが関係してくる。測定方法のみならず特性値の統計処理も重要になってくる。本科目は第4クオーター期に開講し、1週4時間の授業で7週を要する。はじめに誤差論や統計処理の講義を進め、物質の特性とその評価方法について演習問題を行いながら理解を深める。予習および復習については、e-learning上に一定期間中に授業関連の内容および演習問題を公開するので取り組んでおくこと。単に評価値の取り扱い方法のみならず、専攻研究に関係した物性評価方法のPBL演習も行い、実践的な物質の評価方法について理解を深める。
予習:授業開始前の一定期間内にe-learning上に授業関連の内容および演習問題を公開するので取り組んでおくこと。
復習:授業開始後の一定期間内にe-learning上に演習問題を公開するので取り組んでおくこと。
注意点:
簡単な統計処理は関数電卓やエクセルなどで解析できるようにしておくこと。e-learning上の演習問題の取組状況は随時確認する。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週
2週
3週
4週
5週
6週
7週
8週 1.物質の評価について
2.単位系と標準
3.誤差の種類と信頼区間
測定の定義と種類を説明できる。
国際単位系の構成を理解し、SI単位およびSI接頭語を説明できる。
計測標準とトレーサビリティの関係について理解している。
有効数字を考慮して、データを集計することができる。
有効数字の概念・測定器具の精度が理解できる。
測定と測定値の取り扱いができる。
計測方法の分類(偏位法/零位法、直接測定/間接測定、アナログ計測/ディジタル計測)を説明できる。
測定誤差の原因と種類、精度と不確かさ、合成誤差を説明できる。
4thQ
9週 4.母集団の検定(1) 1次元のデータを整理して、平均・分散を求めることができる。精度と誤差を理解し、有効数字・誤差の伝搬を考慮した計測値の処理が行える。
10週 5母集団の検定(2) 2次元のデータを整理して、平均・分散・標準偏差を求めることができる。精度と誤差を理解し、有効数字・誤差の伝搬を考慮した計測値の処理が行える。
11週 6.物質の電気特性評価 オームの法則を説明し、電流・電圧・抵抗の計算ができる。
金属の電気的性質を説明し、移動度や導電率の計算ができる。
12週 7.物質の機械特性評価 機械的性質と温度の関係およびクリープ現象を説明できる。
13週 8.物質の元素分析 気体、液体、固体の分析方法を理解し、測定例をもとにデータ解析することができる。
14週 6.PBL形式による物性評価(1) 工学が関わっている数々の事象について、自らの専門知識を駆使して、情報を収集することができる。
集められた情報をもとに、状況を適確に分析することができる。
与えられた目標を達成するための解決方法を考えることができる。
状況分析の結果、問題(課題)を明確化することができる。
15週 6.PBL形式による物性評価(2) 工学が関わっている数々の事象について、自らの専門知識を駆使して、情報を収集することができる。
集められた情報をもとに、状況を適確に分析することができる。
与えられた目標を達成するための解決方法を考えることができる。
状況分析の結果、問題(課題)を明確化することができる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学独立試行の確率、余事象の確率、確率の加法定理、排反事象の確率を理解し、簡単な場合について、確率を求めることができる。5後8,後9,後10
条件付き確率、確率の乗法定理、独立事象の確率を理解し、簡単な場合について確率を求めることができる。5後8,後9,後10
1次元のデータを整理して、平均・分散・標準偏差を求めることができる。5後3,後4,後8,後9,後10,後13
自然科学物理実験物理実験有効数字を考慮して、データを集計することができる。4後1,後8,後9,後10
化学実験化学実験測定と測定値の取り扱いができる。4後1,後8,後9,後10
有効数字の概念・測定器具の精度が説明できる。4後1,後8,後9,後10
専門的能力分野別の専門工学機械系分野材料金属材料、非金属材料、複合材料、機能性材料の性質と用途を説明できる。5後12
機械的性質と温度の関係およびクリープ現象を説明できる。5後12
計測制御計測の定義と種類を説明できる。3後1,後8,後9,後10
測定誤差の原因と種類、精度と不確かさを説明できる。5後2,後3,後8,後9,後10
国際単位系の構成を理解し、SI単位およびSI接頭語を説明できる。3後1,後8,後9,後10
材料系分野材料物性量子力学的観点から電気伝導などの現象を説明できる。4後11
電気・電子系分野電気回路電荷と電流、電圧を説明できる。4後11
オームの法則を説明し、電流・電圧・抵抗の計算ができる。5後10,後11
電子工学金属の電気的性質を説明し、移動度や導電率の計算ができる。4後10,後11,後13
計測計測方法の分類(偏位法/零位法、直接測定/間接測定、アナログ計測/ディジタル計測)を説明できる。4後1,後2,後3,後8,後9,後10,後13
精度と誤差を理解し、有効数字・誤差の伝搬を考慮した計測値の処理が行える。5後3,後4,後8,後9,後10,後13
計測標準とトレーサビリティの関係について説明できる。4後1,後4,後8,後9,後10,後13

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他課題レポート合計
総合評価割合040000060100
基礎的能力01500003045
専門的能力01500002035
分野横断的能力01000001020