物理Ⅱ

科目基礎情報

学校 仙台高等専門学校 開講年度 平成27年度 (2015年度)
授業科目 物理Ⅱ
科目番号 0023 科目区分 一般 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 3
開設学科 総合科学系(広瀬キャンパス一般科目) 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 3
教科書/教材 「視覚でとらえるフォトサイエンス 物理図録」 (数研出版), 「初歩から学ぶ基礎物理学 電磁気・原子」 (大日本図書), 「新課程 リードα 物理基礎・物理」 (数研出版), チャート式シリーズ 新物理 物理基礎・物理(数研出版)
担当教員 兼下 英司,穂坂 紀子

到達目標

物体のいろいろな運動に関する基礎的な計算をすることができる。
熱や波,電気に関する様々な現象を,物理法則と関連づけて考えることができる。
エネルギー,力のモーメント,熱,波,電場,磁場などの基本概念の物理的イメージを掴む。
物理法則を理解し,公式を用いた計算が確実にできるようになる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1
評価項目2
評価項目3

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
等速円運動,単振動などの,典型的かつ理想的な物体の運動を学習する。また,音や光を把握する波動の物理,そして熱力学,電磁気学の基礎についても学習する。自然の事物や現象を,物理学的に探究する能力を育てるとともに基本的な概念や原理そして法則を身につけ,科学的な自然観を養う。
授業の進め方・方法:
本科目は基礎数学A,基礎数学B,微分・積分,代数・幾何,物理Ⅰ,応用物理に関連する。
物理Ⅱでは,週3時間のうち2時間は【力学・光・熱・波動】(担当:穂坂),1時間は【電磁気学】(担当:兼下)の講義を行う。1年次に物理Ⅰで学んだ「力,力学的エネルギー,運動量」,及び,「ベクトル」について理解している必要がある。また,常に諸物理量の単位に注意をはらって学習すること。ベクトル,三角関数,単位についてきちんと習得出来ていない場合には、自主的に復習しておくこと。
注意点:
学習した内容を理解し,身に着けるためには問題演習が必須である。解法を会得するだけでなく,実際に自分で多くの問題を解けるようになることが特に重要である。授業中にも問題演習の機会を出来るだけ多くとるが,自主学習として問題演習に取り組むことが望ましい。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 [力学] 円運動1
[電磁気] 静電気力1
等速円運動における諸量を説明できる.
クーロンの法則を書くことができる.
2週 [力学] 円運動2
[電磁気] 静電気力2
円運動における諸量の表現ができる.
点電荷の間に働く力を計算できる.
3週 [力学] 円運動3
[電磁気] 電場
円運動における諸量の解析ができる.
点電荷の周りの電場を求めることができる.
4週 [力学] 単振動
[電磁気] 電気力線,ガウスの法則
単振動における諸量の表現と解析ができる.
点電荷の周りの電場を求めることができる.
5週 [力学] 単振り子(実験)
[電磁気] 電位1
単振り子における諸量の表現ができる.振り子の等時性について理解している.
仕事,静電エネルギー,電位の関係を理解し,言葉で説明できる.
6週 [力学] 惑星の運動と万有引力
[電磁気] 電位2
物体間に働く万有引力を求めることができる。また,万有引力による位置エネルギーに関する計算ができる.
点電荷の周りの電位を式で表すことができる.
7週 [力学] 慣性力
[電磁気] 電位3
慣性力の働く場合の運動,単振動,惑星の運動について,等速円運動との関連性と違いを説明出来る.
電位と電場の関係を理解し,一様な電場に対して式で表すことができる.
8週 中間試験
2ndQ
9週 [力学] 重心と力のモーメント
[電磁気] 電場中の物体
重心の定義について理解し,重心に関する計算ができる.また,力のモーメントの計算ができる.
導体と不導体の違いを理解し,自由電子という言葉を使って説明できる.静電誘導と誘電分極について説明できる.
10週 [力学] 剛体のつり合い
[電磁気] コンデンサーの電気容量と誘電率
剛体のつり合いに関する計算ができる.
並行版コンデンサーの電気容量の式を書くことができる.誘電率の意味を理解し,式で表すことができる.
11週 [力学] 角運動量と慣性モーメント
[電磁気] コンデンサーの接続
角運動量を求め,保存則を計算に利用することができる.
直列と並列の場合の電気容量を計算できる.
12週 [力学] 剛体の運動方程式
[電磁気] コンデンサーが蓄えるエネルギー
剛体の回転運動について,回転の運動方程式を立てて解くことができる.
コンデンサーのエネルギーの式をかくことができる.
13週 [力学] 圧力
[電磁気] 電流
圧力の概念を理解し、説明することができる.
電流の意味を理解し,ミクロな視点から説明できる
14週 [力学] パスカルの原理
[電磁気] オームの法則
パスカルの原理を式に書くことができる.
抵抗を流れる電流と電圧の関係をかくことができる.
15週 [力学] アルキメデスの原理
[電磁気] 抵抗
密度の概念を理解し、アルキメデスの原理を式に書くことができる.
抵抗と抵抗率の関係を式で表すことができる.
16週 期末試験
後期
3rdQ
1週 [波動] 波の性質1(実験)
[電磁気] ジュール熱・電力・電力量
波の波長,周期,振動数,速さについて説明できる.また,波の重ね合わせの原理を理解している.
電力と電力量の意味を理解し,それらの計算ができる.
2週 [波動] 波の性質2
[電磁気] 抵抗の接続
波の反射,屈折,回折,干渉について説明できる.
直列,並列接続の合成抵抗を求めることができる.
3週 [波動] 音の性質と固有振動
[電磁気] キルヒホッフの法則,回路の電位
共振,共鳴現象について具体例を挙げることができる.
キルヒホッフの法則を理解し,回路の各点での電位差を計算できる.
4週 [波動] ドップラー効果
[電磁気] 電流計と電圧計
ドップラー効果による振動数変化を求めることができる.
電流計と電圧計の内部抵抗を理解し,それらを接続した回路の計算ができる.
5週 [波動] 光の性質1
[電磁気] 磁場
光の反射,屈折について式を用いて説明できる.また、全反射を理解し,説明することができる.
磁場と磁力線の対応を理解し,説明できる.
6週 [波動] 光の性質2(実験)
[電磁気] 磁性体
偏光について理解し,偏光板の役割や利用方法を説明することができる.
強磁性体,常磁性体,反磁性体の特徴を理解し,代表的な物質名を挙げることができる.
7週 [波動] 光の性質3
[電磁気] 電流が作る磁場
光の干渉現象について理解し,具体例をあげることができる.
直線,円形,ソレノイドの電流が作る磁場の公式をかくことができ,空間の各点での磁場の向きを正しく説明できる.
8週 中間試験
4thQ
9週 [熱] 熱エネルギー
[電磁気] アンペール力
原子,分子の熱運動と絶対温度の関係を理解している.また,の移動により熱平衡状態に達することを理解している.
電流が磁場から受ける力を理解し,力の向きを説明できる.
10週 [熱] 熱量の保存
[電磁気] 平行電流間に働く力
熱量の保存則から,熱容量や比熱を求めることができる.
平行電流間に働く力の公式を覚えていて,力の向きを正しく説明できる.
11週 [熱] 内部エネルギー
[電磁気] ローレンツ力
気体の内部エネルギーについて理解している.
ローレンツ力の公式を覚えていて,力の向きを説明できる.
12週 [熱] 状態方程式と熱力学第1法則
[電磁気] 電磁誘導(実験),ファラデーの電磁誘導の法則
熱力学の第一法則,理想気体の状態方程式を書くことができ,これらを利用して種々の物理量を求めることができる.
レンツの法則を理解し,誘導電流の向きを説明できる.誘導起電力の大きさを求めることができる.
13週 [熱] 気体の状態変化1
[電磁気] 運動する導線と誘導起電力
等温変化,断熱変化について理解し,説明できる.
磁場中を運動する導線に生じる誘導起電力を計算でき,運動を続けるために必要な力を計算できる.
14週 [熱] 気体の状態変化2
[電磁気] 自己誘導
定積変化,定圧変化について理解し,定積モル比熱,定圧モル比熱を示すことができる.
自己誘導を理解し,回路におけるコイルの性質を説明できる.
15週 期末試験
16週 [熱] 気体の分子運動論
[電磁気] コイルに蓄えられるエネルギー,相互誘導
原子,分子の運動エネルギーが熱エネルギーとなっていることを理解している.
コイルに蓄えられるエネルギーを計算できる.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理電気導体と不導体の違いについて、自由電子と関連させて説明できる。3
クーロンの法則を説明し、点電荷の間にはたらく静電気力を求めることができる。3
オームの法則から、電圧、電流、抵抗に関する計算ができる。3
抵抗を直列接続、及び並列接続したときの合成抵抗の値を求めることができる。3
ジュール熱や電力を求めることができる。3
物理実験物理実験電磁気に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合0000000
基礎的能力0000000
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000