到達目標
諸宗教の発生と展開、課題と取り組みについて発展的な知識を得る。さらに人類社会内部の出来事としての宗教減少を、歴史的・哲学的・倫理的・社会的側面から捉える視点を身につけ、応用できることを目指す。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
基礎事項の定着:「倫理」「世界史」領域の基礎知識の定着 | 本講義の理解に必要な歴史的・思想史的事項の名称を概ね9割程度記憶している | 同,概ね8割程度記憶している | 同,7割未満の記憶に留まる |
諸事項の思想史的・歴史的・地理的連関の理解 | 諸事項の定義を概ね理解し,相互の連関を正しく指摘できる | 同,概ね7割程度の概念について関連事項の連関を正しく指摘できる | 同,6割未満に留まり,論理的に的確な文章を構築できない |
資料調査能力(Cinii等の適切な利用能力) | 自己の興味関心に従い,講義内容を踏まえて当該分野の学術論文を検索し,読解して報告できる | 指示された課題について学術論文を読解し,内容を報告できる | 課題に対して適切な学術論文を探せず,講義内容の諸概念についての理解が不足していると判断される |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
原典に即しながら古代から現代までの宗教史を概観し,宗教の担った社会的・歴史的機能を概説。さらに現代社会において宗教が占める位置について論じる。国家間や国家内で見られる,いわゆる民族問題など文化的相違に起因する諸問題について,歴史的ないし宗教的観点から理解できる。また,文化の多様性を認識し,互いの文化を尊重することの大切さを理解できること。
授業の進め方・方法:
講義担当者が作成した資料に基づき,順次講義を行う。宗教は,前近代的な遺制と見なされがちかもしれないが,実は我々の意識を深層において規定してもいる。これを問うことはある一面において我々自身の存在を反省的に捉えなおす機会となる。また,世界史的な視点から言えば,宗教は世界を動かす重要な力の一端であり続けている。将来,技術者としてグローバルに活動するなら,パートナーとなる人々の知的背景を予め知っておく必要がある。
注意点:
一年次「地理」,二年次「世界史」・「倫理」,さらに一部三年次「政治経済」の知識を前提とする。これらの一般教養項目を再確認する機会とすること。また,高学年になり,項目名を記憶するだけではなく,その内容・意義を理解したうえ,実地に応用する力の養成が求められる。毎日のニュース・新聞に注意するなど(一日30分程度でもよい),社会に対する関心を高めながら,折々に多面的に考察する試みをすること。図書室には関連参考書籍が多数収蔵されている。折に触れ言及するので,各自の興味関心に近い物を読むとよい。
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
序論「宗教とは何か?」 |
宗教学及び宗教史学の課題と領域を理解する
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2週 |
宗教学への導入,オットーの宗教哲学概説 |
「聖なるもの」の概念について理解できる
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3週 |
宗教の芽生え―古代中近東の文学 |
先史時代から有史時代初期にかけて,宗教史を人類の思想史として理解できる
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4週 |
古代Aryanの世界理解:ヴェーダ・アヴェスター |
社会を律する規範がその社会の展開に応じて変化を要請され,発展していく次第を古代インド・イランを題材に順次学ぶ
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5週 |
ウパニシャッドから仏教へ |
ウパニシャッド哲学の展開から仏教興起にいたる情勢を理解する
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6週 |
初期仏教の思想:南方仏教の世界
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初期仏教及び南方仏教の基礎概念を理解する
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7週 |
大乗仏教の思想:法華経・浄土経の思想 |
各教典の課題とした領域を理解することができる
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8週 |
仏教論理哲学;日本の仏教諸派 |
多様な文化の一端に触れ,相互の文化尊重の必要性と重要性を理解できる
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4thQ |
9週 |
ユダヤ教展開史 |
「啓典の民」の起源史について理解する
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10週 |
キリスト教展開史 |
キリスト教興起の事情とその歴史について理解する
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11週 |
宗教と民族,言語:南スラブ語派の人々の歴史概略 |
宗教や言語,国家,民族などが,相互に密接にかかわり合っていることを理解する
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12週 |
イスラーム史:初期イスラームの展開 |
イスラーム展開史を振り返り,基礎的事項を確認する
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13週 |
イスラーム史:中世イスラームの展開 |
四大法学派などについて基礎的事項を確認する
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14週 |
サラフィスト・ムーヴメント,ジャスミン革命 |
近現代の「西欧の衝撃」以来のイスラムの思想上の諸潮流について理解する
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15週 |
期末試験 |
1-14週の学習内容の定着の度合いを確認する
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16週 |
現代を生きる宗教:ネオブッディズムとヴィハーラ運動,「宗教とは何か?」再説 |
大震災後の宗教者の活動に間説しつつ,現代社会における宗教の機能について論じる。
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 人文・社会科学 | 社会 | 地歴 | 文化の多様性を認識し、互いの文化を尊重することの大切さを理解できる。 | 3 | 後3,後5,後6,後9,後10,後11,後12,後13 |
公民 | 哲学者の思想に触れ、人間とはどのような存在と考えられてきたかについて理解できる。 | 3 | 後1,後4 |
諸思想や諸宗教において、自分が人としていかに生きるべきと考えられてきたかについて理解できる。 | 3 | 後7,後8 |
諸思想や諸宗教において、好ましい社会と人間のかかわり方についてどのように考えられてきたかを理解できる。 | 3 | 後1,後14 |
評価割合
| 試験 | 発表 | 相互評価 | 態度 | ポートフォリオ | 小試験 | 合計 |
総合評価割合 | 60 | 0 | 0 | 0 | 20 | 20 | 100 |
基礎的能力 | 60 | 0 | 0 | 0 | 20 | 20 | 100 |
専門的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |